アクセサリー作成
間が空いてしまい、申し訳ございませんm(__)m
説明を終えた俺は、金策のための元手を借りるための交渉をしていた。
「……というわけで、お金を貸してください」
そう言いながら、頭を下げる。
「宏輝君なら、錬金術とか使えそうなんだけど、無理なの?」
「錬金術って言うと、物質変換の事?」
「そう、それ」
同じようなことが出来る魔術は数種類ある。が、どれもめんどくさいものばかりだ。
「今は無理かな」
初期投資が安いやつでも日本円にして数百億レベルでかかるので、やる意味がない。
数種類の魔術を使えば、近くにある金属を精錬し、加工することが出来るので、本当に意味がない。
「あ、」
「どうしたの?」
本当に、なぜ思いつかなかったのだろう。
金属の精錬、加工が出来るなら、アクセサリーを作って売ればいいじゃないか。
ホームページを作る方法は知っているし、どこぞのオークションサイトを使って売り出すこともできる。
元手がなくとも出来るのだ。これをやらない手はない。
「お金は必要なくなったので、代わりにオークションサイトに売り出す仲介をお願いできますか?」
「オークションって言うと、ヤホオク?」
「です」
「分かった。アカウントも持ってるし、それくらいなら副業にはならないはずだから、できると思う」
「ありがとうございます。とりあえず、明日の10時に持ってくるので、出品までの手続きとか、お願いします」
「じゃあ、それまでには帰るようにするよ」
「はい。売上に関しては、売れた金額を見てからの相談でお願いします。それでは」
俺はそう告げて、自宅へと転移した。
◇◆◇◆◇◆◇
「とりあえず、売り物を作るか」
そうつぶやくと、自宅の小さな庭に出る。
そういえば、金属の収集と精錬は迷宮内で何度もやったが、この世界では初めてだな……
そんなことを考えながら、土に手を当て、金属を集めていく。
金属の収集は探査魔術と操作魔術を合わせたものなので、手順も少なく簡単にできる。
そのため、他の世界にあった迷宮では武器が壊れた時の手段として使っていた。
また、お金が少ない家庭に生まれ、文明がそこまで発展していない世界では、今回同様にアクセサリーや武器などを作り出し、そこそこの金額を稼いでいた。
「よし、これくらい集まれば当分は困らないだろ」
土の中から、ボーリングの玉ほどの大きさになった金属の塊を取り出した。
鍛えていたとはいえ、全てが金属なのでかなり重く、様々な金属が集まり重心が不安定なので、体を魔術で強化しつつ部屋まで持ってくる。
「デザインは……今回は、他の世界で考えたやつを出しておくか」
前にいた世界でネックレスと指輪のセットで好評だったものがあるので、今回はそれを流用することにした。もちろん、デザインを考えたのは俺なので、その世界に流れたとしても著作権的な問題はない。
流れるような動作で精錬を終え、それなりの量を確保できた銀でネックレスと指輪を1つずつ作る。
そして、魔力を流し込み飽和させ、魔銀へと変化させると、
「デザインはいいとして、なにつけるかな……」
いつものクセでネックレスに身体保護、指輪に身体能力強化とサイズ調節の魔術を付与しながら、考えていた。
「……忘れてた………」
この世界には魔術が浸透しておらず、付けただけで効果がある装飾なんてあるわけがないのだ。
迷宮があった世界では、魔銀への変質以外は一般的に行われていたので、すっかり忘れていた。
まあ、銀と魔銀の違いは魔術的なものなので、科学的な証明は不可能だろう。魔銀の方が魔術や魔法の媒体として使用しやすく、融点がとても高くなっているので、物理的な衝撃で変形することはまずないが、ネックレスや指輪の形を無理に変えようとするやつはいないだろう。
「ま、いっか」
余計な付与をしなければ、ただの銀で出来たアクセサリーなので、問題にはならないはずだ。
こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
数話の書き貯めが残っているので、適当に投稿していきたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。