コンテニュースタート
「おぉーと。決まったぁ!今年の異種格闘技世界大会の優勝者は見事前代未聞の三連覇を果たした今大会最年少参加の知る人ぞ知るこの男。仙道巧!」
会場が沸き上がり盛り上がった。
それもそのはず決勝戦の相手は空手界最強の男として恐れられている無空深山だったからだ。
しかもその無空深山を相手に一歩も退かず正々堂々と正面から闘い勝利を得たのだから。
「あんた一体何者だ。」
「んーそうだな。無鉄砲で破天荒な高校生さ。」
「なんだよそれ。あんたみたいな男がいたなんて聞いたことなかったぞ。だが、久し振りに俺も本気を出させて貰ったよ。あんたとの試合は俺の空手家人生最高の試合だった。感謝する。そして次は絶対にそのベルトを引きずり下ろしてやる。」
「俺も聞いてた以上に強くて驚いたよ。今まで対戦してきた中で間違いなく最強のライバルだ。いつでも掛かってきな。このベルトは全力で守り切ってみせる。」
その夜…
「今日は最高の一日だったな。帰りはちょいと贅沢して自分へのご褒美にコンビニで宇治抹茶をふんだんに使ったアイスと通称“天才の飲料”と呼ばれてるDr.Pepsi別名ドクペを買おう!」
「ありがとうございましたー。」
「あー寒いな。自転車で来るんじゃ無かったな。えっ…。」
キィィー。ドン!!
大きな音が静かな道路に響き渡る。
コンビニから出てすぐのことだった。
「だ、大丈夫ですか!?名前言えますか!?だ…。」
あぁ駄目だ。体が動かないな。気付いた店員さんが駆けつけて声掛けてくれたのは分かったけど駄目だ。どんどん意識が遠のいてく。
「こ、ここは!?」
目が覚めると四方八方真っ暗で何も見えない空間に出た。
「どこなんだ一体。おい誰かいないのか!?」
パッと目の前にどこからか光があたり大きな壁に俺の名前とその横に1と書かれた数字が現れた。
「これはもしかして残機のつもりか?」
どこからともなく声が聞こえてくる。
「正解だ。この数字は、貴様の残機を示している。貴様には残り一つある。」
「くそぉ。訳分からん。まだアイスとドクペ味わってないし!どこだよここ!」
「ここは生者と死者の狭間にいる者を剪定するところだ。何故貴様がここに居るのかと言うと貴様は不運にも交通事故に逢い打ち所が悪く即死したのだ。」
「マジか!?」
「マジだ。ではもう一度聞くが貴様には残り一つ残機が残っている。それを使用するか?しないのか?」
「はっきり言って全く理解出来てないし自分が死んだことさえ納得してる訳じゃ無いが仕方ない。その残りの一つを使わせて貰うぞ。」
「では、仙道巧。貴様の第二の人生がよりよいものになることを願おう。さらば!」
辺りが真っ暗だったのにどんどん真っ白になってくる。
「何だか温かくなってきたし眠くなってきたな。ああ、今度目覚めるのはどこだろうな。できれば温かいご飯と布団があるところがいいな。」