過ぎ行く
過ぎ行くものは限りなく
去り行く人も限りない
定め置かれた事ならば
それをとどめる術もない
栄えはやがて失われ
支えとするにあたわない
せめて暫くとどめんと
すがるこの手の頼りなさ
忍べよいずれ避けられぬ
定めと知った後ならば
それでもせめて嘆かせよ
去り行くもののはなむけに
さざめく雨を聞きながら
寂しく独りたたずんで
しばしの間嘆かせよ
少しは憂さも晴れようよ
去り行くものはとどめ得ず
刺さる痛みもとどめ得ぬ
詮ない事と知りながら
忍び泣くのは止められぬ