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擬似恋愛  作者: 槻 
2/7

2:雨音と災難

その日は雨が降っていて、雨が道路やら窓を叩きつける音が校内に響いていた。



あたしは先生に頼まれた荷物を、生徒会室まで運んでいる途中のことで。

一箱、4キロはありそうなダンボールを顔の前で2つ抱えて歩く。

女子にしたらそれなりの重さだと思う。


まぁ、めんどくさくて2個いっぺんに運ぼうとしたあたしも悪いけど。



というか、あたしは委員長でも雑用係でもない。




あたしに荷物運びを頼んだ、我がクラスの担任多恵子先生こと「たえちゃん」いわく

「ホントはあの、クソ圭太に運んでもらう予定だったんだけどね。」らしい。



たえちゃんは、スタイル抜群な先生なのに言葉遣いはワイルド。



しかも、以前クラスの男子に「しわ増えた?」を言われたことをまだ気にかけてるらしく

あたしが職員室に行くときまって、しわのコトを聞いてきたりする可愛い先生だ。



そういったところが、あたしがたえちゃんを嫌いじゃない理由の一つである。


だからすんなり、荷物を持っていくことを承認してしまったりしたわけだけど。



まぁ『クソ圭太』がいないのなら仕方がない。

そんなことを思いながら階段を一段一段上っていった。












「・・・・・どんだけこの階段多いんだよ。」




顔の前にダンボールがあるせいで上手く階段が見えないし、

ダンボールは重くて腕は、しびれてきてるし、

足も上手く動かないし。

やけに階段は多いし。



もう全部『クソ圭太』のせいにしてしまいたい。

してしまいたいっていうよりも、してしまおうのほうが正しいのだけれど。




何度も階段につまづきそうになりながら、あたしはなんとか最後も一段を上り終えた・・・


ところだった。




「もう、いい!!!」



突然、雨音の轟音にも負けないくらいの甲高い叫び声が聞こえてきた。

そのすぐ後に聞こえた1つ乾いた音が、何かを叩いたことを告げていたけれど。



雨音。 叫び声。 叩く音。



この3つがあたしの足を、完全に止めた。

どうしようもなく、止まってしまったあたし。

そしてその直後に、一人の女の人が、生徒会室方面の方向から出てきた。



その瞳には、今にもこぼれそうなくらいの涙をためてながら前も見ず走ってくる彼女、そのちょうど進行方向にいたあたし。




あたしたちがぶつかるのは、ほんと1秒くらいのことで。




持っていたダンボールは、手からすべり落ち、

あたしは、尻餅をついた。


痛いという感覚より、何が起こったのかまだ把握しきれてないあたしは、

アホみたいに口をポカンと開けていたと思う。

なのに、ぶつかってきた彼女の方は、すぐさま体当たりしたくせにケガ1つなし。

すぐさま立ち上がるなり、またどこかへ駆けていった。




なんてついてない日なんだろう。




もう全部『クソ圭太』のせいだ!!




そうやって勝手に、人のせいにしているとまた影から人が現れた。




もう勘弁してくれ。

座ったままゆっくり顔を上げるとそこには見たくない顔のヤツが立っていた。


初めまして。槻と申します。

未熟者なので誤字脱字等あると思いますが、頑張りますので、気長にお付き合い頂ければと思います。

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