伝説の勇者王
私はAlexander・Allen・Armstrong・Albemarle・Third。
前世では「絶対無敵の勇者王」と呼ばれていた転生者だ。
そして今。人々を悪魔将軍の魔の手から救うべく、立ち上がる。
夜中、今世の父母が寝静まった頃・・・というか、おっぱじめやがった。
今世の父母は歳を取っているが大変仲が良い。毎晩のように愛し合っている。
僅かに魔物の匂いがするが、気のせいだろう。
いつも2回以上するので、その間は自由になれる。
私は探知魔法で悪魔将軍を見つけ、魔力の発生源近くに空間転移した。
赤子の身でも魔法は使える。飛行魔法を使って悪魔将軍に見つからないように移動する。
ここは暗闇を色とりどりの灯りで照らし、大きな音で音楽が流れていて大変騒がしい。
多くの若い男女が酒を飲み、踊っている。悪魔召喚儀式を行っているようだ。
(馬鹿な輩だ。わざわざ悪魔召喚して殺されるのだからな!)
天井近くにある灯りの裏を飛ぶ。身体が小さくてよかった。これなら容易には見つからないだろう。
人混みの中に血だらけの男を見つけた。
(悪魔将軍だ。生きていたのか・・・)
大音響のせいなのか、人が次から次へと刺されているのにここにいる輩は気がついていない。
悪魔将軍は残虐だ。血が好きなのだ。剣で人を刺し、返り血を浴びて恍惚の表情をしている。
「ぎゃぁぁぁぁぁーっ!」
ようやく人が殺されていることに気づいたようだ。
悲鳴を合図に人々が逃げ惑い、出口に殺到した。
私は悪魔将軍と正対した。
『悪魔将軍、久しぶりだな。生きていたのか』
『ほほう。アルゴス=ミキネイス語だな。誰だ?』
『私はAlexander・Allen・Armstrong・Albemarle・Thirdだ』
『勇者王、なのか? その姿は・・・この世界に転生したのか』
『天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。魔族を倒せと私を呼ぶ・・・。お前らを倒すまで、私は何度でも生まれ変わるのだ!』
『笑止!赤子の分際で何ができるっ!!』
悪魔将軍は斬りかかってきた。
『防御壁魔法!』
すぐに防御の壁を展開した。悪魔将軍は魔法攻撃よりも剣での攻撃を好む。肉弾戦だ。
赤子の身体では不利である。おまけに武器も防具も装備していない。
こうなったら早めに奥の手だ!
『召喚魔法っ!』
頭上に魔方陣が浮かび上がる。
転生後、初めての召喚だがこちらの世界にもやって来てくれるようだ。
『お前に決めたっ! 出てこい忠実な僕、金愚義龍っ!!』
私が前世で退治した、9つの首を持つ龍の王。九頭龍、金愚義龍。
6つ目の首を落としたところで私の元に下った。
「ぎゃお~ぉぉぉんっ!」
私はAlexander・Allen・Armstrong・Albemarle・Third。
前世では守護神と呼ばれた伝説の「勇者王」だ。
悪魔将軍は私が倒すっ!