話の前の
大きい中庭には桜の木が植えられ、春の暖かい風が花びらを運ぶ
春の陽気が、静かなる冬の沈黙を破り、多くの生物が春の訪れを幸せそうに歓迎している
多くのの自然を感じる事が出来るこの場所は、
私立銀ヶ原学園
都会の真ん中に建っていながらも、どこよりも自然を感じる事ができ、しかも伝統的なものから新しい事まで詳しく学ぶことができる。セキュリティなども他の学校より 、優秀な全てにおいて完璧な私立の学園なのである。
そんなこともあってか、学園には各教科の天才や、お金持ち、芸能人などが通っている
。
今日から俺、市ノ瀬京介は、この学園のですが生徒になる。
かといって、俺は芸能人と言う訳でもなければ、金持ちでもない。ましてや教科の天才でもない。
そう、俺は、勉強も運動もそれなりの凡庸で個性の無い一般人だ。
「入りたくないな。」まるで学校を嫌う小学生のようなことを口に出す。
俺の足は、校門の前で止まっていた。
「帰ろうかな…」
ほんとは普通の高校に通いたかった。親に勝手にここに決められ、ここ以外は、許さないと言われたら仕方ない。少し前まで、一緒に馬鹿やってた友達、たいして高くなかったが積み上げてきた地位、まるで全て、無くなってしまった様だった。
「お前は、違う所行くからな。頑張れよ。」 「さよなら、また一緒に遊ぼうな。絶対に無理とか言って戻って来るなよ!」友達との会話が脳裏に浮かぶ。
俺は、深呼吸してから校門を越えた。
「もう、戻れない。」
今戻った所で、誰も俺のことを望んでいないことは、解っていた。流れ落ちそうな涙をこらえ、俺は入学式の会場へ向かった。
俺が、席についてすぐに式は始まった。