表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

おはよう異世界

「……てください」


柔らかい布に包まれた感触と共に声が聞こえてきた

綺麗な声

何か嫌な予感がする


 浮かび上がる豚顔の女

 俺を殴り殺さんとする化け物


「豚顔化け物女ああああぁぁぁっ!!!」

「あっ……」


脳裏に浮かんだアイツを思い出せば身体が勝手に反応する

叫びながら飛び上がり声から離れる為に


そこまで動いてから女の顔が見える


 整った顔立ち

 綺麗な翡翠色の瞳

 少し高い鼻

 艶やかな唇

 多少膨らみのある丘


   めちゃくちゃ美人


「あ、あはは……。 豚顔って初めて言われたなぁ」


むずがゆそうに細い指で頬をかく女性

若干目元に溜まってる水分はなんだろう


心の中の俺が叫ぶ


   謝れ


「す、すいませんでした!!! 豚顔の化け物女に襲われたのでつい!!」


寝かされていたベッドから飛び降り

高速で床に頭を叩きつける


 世知辛い日本で生きてきた俺の華麗な土下座には誰も勝てまい


「アタシの妹に何をしてるんだい……?」


俺の五臓六腑に染み渡る、恐怖を圧縮したような声が耳に届く。

オイルの切れたロボットのような、ギコチナい動きでそちらを見れば。

服従せざるを得ない風貌の化け物が立っていた


「お姉ちゃんっ、私は平気だからあんまりお客様を虐めちゃダメだよ?」


マイエンジェル

彼女が豚に鶴の一声を投げ掛けてくれた


 良かろう、君は俺の中で正妻候補No.ワンだ

 おはようマイハニー


「ナッシェが言うなら……。」


 おほっ、マイハニーはナッシェって言うんだ


「ごめんなさいね……? お姉ちゃん血の気多いから……」

「あぁ、分かります分かります」


 ヒィッ

 冗談だから豚顔も睨むなよ


「チッ……。 アタシはクレイ。

 アンタの名前はなんだよ」


豚顔の名前が判明した


 クレイ、泥だってさ

 豚にお似合いだよね


「俺はー……。 あ?」


マイハニーが苦笑いを浮かべるのを見て名前を答えようとするが

如何せん名前が出て来ない


それどころか、

俺が日本に済んでいたこと。

そして、常識程度しか思い出せない


「名前、分からん」


そこまで答えて疑問を抱く


 ここって何なんだ

 日本じゃないのは分かる


腕につけた時計は現在時刻を12時を示している

それなのに窓の外は夕焼け色に染まっていて

故障を疑ったが、今も尚針は動いている


それよりも、なによりも


「なぁ、あの空を飛んでるのは何だ?」


俺の目に映っているのは、

遠くに存在することが分かるのに、それでも尚巨大さが分かるほどの身体を有する鳥が飛んでいる様子で。


「別段珍しい光景でも無いだろう、唯の捕食者キャプチャーだ」


 きゃぷ……、ちゃー?


余りにも聞き慣れない単語

背筋を冷たい何かが伝う


「なぁ……、世界で最大の国の名前は?」

「何をバカな質問を……。 帝国“アルトリア”、子供でも知ってることだ」


豚のバカにするような顔はどうでもいい


 アルトリア


嫌な予感は俺の中で確定される


「異世界かよぉおおお!!!」


頭を抑え背を伸ばして天井に向かい叫ぶ

俺、特技も何も無い日本人

察するにここ、めっちゃ怖い世界


 死んだ

 さよならライフ


「あ、あの……。 お名前を忘れられたとは……」


マイハニーの声は今や俺に届かない


これから先。どうすりゃいいんですか

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ