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全力疾走  作者: レイン
6/7

「事実」

その頃俺は高速でバイクを走らせていた。

休憩がてらに某ICに入り、一服することにした。その時、スマホに一通のメッセージが入った。

それは幼馴染、美月だった。俺はすぐにそのメッセージを確認することにした。

『真輔、今記憶喪失で何も私のことを知らないと思うけど、これだけは信じて。

私は真輔の味方だから。だから今どこにいるの?』

俺は迷った。幼馴染に目的地の場所を教えるべきなのか。だが俺は

決めた。第三者に迷惑は掛けたくないと。だから俺は美月に返事を返さなかった。

休憩が済み、最初の目的地、羽田空港を目指し、バイクを再び走らせた。

メーターを確認し、最大速度を出し、急いだ。

早くしなければ、きっとあのノートを見て、誰かが追ってくるだろうと俺は思っていた。

だから、俺はトップスピードで羽田空港を目指すことにした。

そして目の前に標記が見えてきて、俺は高速を降り、一般道で少し走り、

到着した。俺は早速、鹿児島行きのチケットを手配した。出発時間は明日の朝8時だ。

現在時刻は午後0時過ぎだ。今日はホテルで宿泊することにした。

「さてと、どこのホテルに泊まるか。いや待てよ、俺現金持ってるっけ?」

と俺は財布を確認するとそこにはゴールドカード一枚、一万札が数枚入っていた。

「よし。入ってるな。んじゃホテル探すか」

俺は独り言を言いながら、フロントに行き、ホテルの場所を聞いた。

俺は聞いた住所を辿りながらバイクを走らせること数分。

「って、近いな。」そう吐きながらホテルへ入り、チェックインを済ませ

0号室のカードーキーを受け取り、0号室へと向かった。

部屋に入るとバッグを置き、備えつきのイスに腰を掛けた。

そして、明日のことを考え出した。

明日、空港でとりあえず鹿児島まで向かい、まずは種子島に行くため

水上バイクをチャーターをしよう。そして、俺は新道明人が潜伏しているところに行く。

そんなことを考えてるといつの間にか眠りについていた。

目を開けてスマホで時間を確認すると時刻夜7時を過ぎていた。

「やべ・・・結構寝たな。さてとディナーを頂こうか。」

俺は部屋から出て、従業員におすすめの店はあるかと聞き、

イタリアンレストランに行くことに決めた。なんとその店はホテルと隣接してる

らしいので、徒歩2分のことらしい。俺はスタスタと歩き、店に入った。

店に入ると落ち着いた雰囲気で微かに香る良い匂いが漂っていた。

と余韻に浸ってると、従業員が話しかけてきた。

「お客様、お一人様でしょうか?」

俺は、「はい」と返事をし、そして案内されるまま席につくと

メニュー表が渡され、「メニューがお決まりになりましたら、お近くの従業員にまで

お声を掛けて下さい。」とお決まりのフレーズを言い、その場から離れた。

俺はメニュー表に目を落とした。そこにはカルボナーラ、ピザなど王道なメニューがあったが

俺はコースを頼むことにした。俺は近くの従業員を呼び、注文を済ませた。

すると従業員が「お客様、食前酒という物が、ございますが、残念ながら未成年という

ことですので、何か変わりの飲み物はいかがでしょう?」と聞かれてきたが、どうせ

後で注文するので、いらないと言った。従業員は「かしこまりました。」と言い、去った。

待っている間、スマホを見ていると、2通、通知が入っていた。

通知を確認すると、1つ目は、妹の奈緒からで2つ目は父、駿からだった。

俺はとりあえず、内容を確認してみたがどちらも、俺の身柄のことや今どこにいるのか

といった、心配してる様子の内容だった。俺は少し笑みをこぼした。

あぁ。こうやって俺は皆から大切にされているんだ。だから、この計画を成功させなければ

いけない。そうやってまた俺の決心が強くなった。

料理が運ばれてきた。

まずは前菜のガンベレットが運ばれてきた。

一口サイズに海老を切り、それを口に運ぶと、海老本来の優しい味が口全体に広がり、

後からカクテルの香りが広がった。

「美味いな」と一言零した所で、第一の皿、リゾット アッラ ミラネーゼと付け合せのブセッカ

が運ばれてきた。俺はリゾットを食べ、それからブセッカを啜らないよう飲んだ。

もちろん、とても美味かった。余韻に浸ってると第二の皿、アッロースト デイ ヴィテッロという

ロースとビーフと付け合わせのファーヴェ クルーデ コン ペコリーノが運ばれてきた。

ローストビーフは上品な味わいで、ワインソースがまたその味を引き立てていた。

付け合せのサラダはさっぱりとしていて、ローストビーフを飽きないで食えた。

そして、デザートにフルッタ デイ スタジョーネが運ばれてきた。

季節の果物があり、とても新鮮で、味も風味も抜群だった。

最後に、カッフェ エスプレッソを飲み。食事を終えた。全部、味が美味しく

最後まで食べきれた。時間を見てみると、夜9時をむかえようとしていた。

「結構、長居したのか。」俺は席を立ち、勘定を済ませ、店を後にした。

外に出ると、涼しい風が吹いていた。俺はひとまず、ホテルに戻ることにした。

ホテルに戻ると、先ほどお店を紹介してくれた人が居たので俺は少し挨拶をすることにした。

挨拶をし、俺は部屋に戻りベッドに座り込み

「さてと・・。シャワーでも浴びるか」と呟き、俺は立ち上がりシャワールームへ行った。

水の音がシャワールーム全体に響いていた。

真輔は、それから20分ほど浴び、明日の支度を済ませた。

そんな時、ある一通のメールが来た。俺はメールを確認した。

すると、そこには、父の名前があった。俺は急いでそのメールを確認した。

メールには、こんなメッセージがあった。

「真輔、今どこにいるのかは大抵予想できている。だが父さんは別に責めはしない。

父さんは、ただ純粋に真輔が無事に帰ってくることを願っている。だから真輔

生きて帰って来い。」体の奥から何かが込み上げてきた。

その正体は涙だった。何故涙が出たのか俺はわからなかった。

だが、これだけは分かった。泣いている暇はないと。

明日は早いと。そうと決まれば、俺は寝る準備をし、深い夢に入った。

それから数時間後、僅かな隙間から朝日が差し込んできた。

目に光が入ったのだろうか、眩しいと感じ、俺は目を開けた。

「んぁ。何時だー」とまだ、完全に起きてないまま、時計を確認した。

時計は朝6時30分を指していた。

俺は、ベッドから起き上がり、着替えの準備をした。

持ってきていた。ジーパンとTシャツを取り出し、着替えをした。

着替えを済ませると、荷物をまとめ、ロビーでチェックアウトを済ませた。

その足で、ホテルを出ると、流石に早朝というだけあって、人影が少ない気がした。

俺は、バイクを置いた駐車場まで歩いた。

俺は考えた、これから鹿児島の種子島に行き、新道明人に会う。だが俺は今のところ

復讐とは、警察に身柄を突き出すということだ、しかし、新道明人が反抗をしてきたら。

とあらぬことを少しばかり考えてしまった。俺は気持ちを切り替え、バイクに乗った。

時刻は7時半だ。ここから空港は数分程度で着く。だから時間には余裕がある。

エンジンをかけ、空港へと向かった。それから。数分後、俺は空港に到着した。

まだ。時間があるので俺は、イスに腰掛けた。

ふと、俺は滑走路に視線を向けると、そこには俺が乗るB354便が離陸準備をしていた。

もう一つ。ある機体も、離陸準備をしていたのだ。俺はこの時は何も気にしなかった。

-B354便のご利用のお客様、まもなく離陸いたしますので搭乗手続きを開始してください

2番ゲートにて、お待ちしております。繰り返し-とアナウンスが聞こえたので俺は

2番ゲートに向かうことにした。ゲートに行くと、あまり人はいなかった。聞くところによると

この時期に鹿児島に行く人は少ないみたいだ。俺は、B354の機体に入り、イスに腰掛けた。

少し、質の良い、ビジネスクラスにしたのだ。回りを見ると、数人しかいなかった。

俺はサービスを使い、ドリンクを注文し、4時間程度のフライトを楽しむことにした。

窓から見れる景色は、滅多にお目に掛けないだろう、何ともいえない光景だった。

気づかないうちに俺は寝ていたのか、目を開けると、

-まもなく着陸しますので、安全ベルトをお閉めください-とアナウンスが鳴った。

俺はベルトをしめ。着陸を待った。数分後、機体は着陸し、鹿児島空港へ足を踏み入れた。

俺は、手早く手続きを済ませ、配送してもらっていた、バイクを受け取り

俺はある目的地へと急いだ。そこは水上バイクを取り扱っている店だ。

俺は事前にある知人のコネを使い、水上バイクを一つレンタルしてもらえるようにしてもらっていたのだ

もちろん。免許は取得済みだ。海に水上バイクを浮かせ、俺は種子島へと向かうことにした。

海の上は。穏やかな波で、潮風が程よく体に当たった。

1時間ぐらいした頃、目の前に大きな島が見えてきた。そう、それが「種子島」だ。

俺は速度を速め。急いだ。それから、数十分後、俺は種子島に上陸した。

そして、俺は目的地にと向かった

そこは某会社の施設だ。俺は建物に入り、こういった。

「あの・。新道さんに会いに来たんですけど。」と、新道明人は隠れているとのことだったが、

ノウノウとここで働いているとの情報が入ったのだ。

少しばかりすると、スーツ姿の男が来た。その男は俺のことに気づくと少しばかし、顔が緩んだ。

そして、男。新道明人は言った。「どうされましたか?商談に来たのなら、別のところでお話を致しましょう」

俺は頷き、男のことを追った。そして案内されたのは、接待室だと思われる部屋だ。

そして、顔色を変えた、新道明人が言い放った。

「もしや、真輔。この文書を取り返しに来たのかね?」

俺は心を落ち着かせ質問の問いに答えた。

「あぁ、そうだ。だが、それだけではない。お前を警察に引き渡すのさ。」

と同時に『殺しに来たのさ』と言う言葉が心の中で出た。だがそれを振り切った。

そうしなければ、俺の復讐は成り立たないのだから。だが、新道明人は思いもしない言葉を言ったのだ。

「私を警察のもとに?違うだろ。殺しに来たの間違いでは」

俺は反論した。「違う。俺は殺しに来たのではない。俺はただ、お前に真実、いやお前の知っていることを

聞きに来たのだ。」すると、新道明人は笑みを零し。言った。

「そうか。望み通り、話してやるよ。お前が聞きたい真実とやらを。お前が奪ったのはな

俺ら組織が集めた、名簿だよ。そして、3年前お前を拉致するよう差し向けたのも俺、張本人だ。

何故か?ってそれは気分の問題だ。そして俺はその文書を基にこの世界を変えるのさ」

俺は、心の底から何かが込み上げてくるのを感じた。

新道明人を殺す。殺意が芽生えたのだ。何故芽生えたのかは俺には分からなかった。

だが、一つだけ確信できる。新道明人は危ない存在だということは。俺は持参していた

コンバットナイフを手に持ち、新道明人に刺そうとした、その時だった。

「待て!」とその声と同時に複数の男達が入ってきた。

中心人物だと思われる男が放った。

「新道明人、脱獄容疑で逮捕する。」その言葉と共に部下と思われる男が

新道明人に手錠を付けた。俺は持っていたナイフを床に落すと、俺は新道明人に

襲い掛かっていた。

「俺は、俺は。こいつのせいで命を失いかけるところだったんだ。だから俺にはこいつを

殺す権利があるはずだ。なのに何故、こいつは生きているんだ。どうして。俺は・・・・」

俺は崩れた。今まで、積み重ねていた何かが崩れたのだ。ある男が言った。

「真輔君、君は記憶喪失と偽り、私達を騙した。でもね、重要な事を君は忘れていたんだ。

病室にノートを置いていってただろ。それはきっと君の心のどこかでこの事態を望んでいたのさ。

もう、終わったんだ。新道明人の今度のことは私達に任せて、真輔くん、もう肩の荷を落していいんだよ」

俺は言った。「でも・・俺はあんた達を騙した。そして殺そうとした。そんな俺を何故助ける。

警察だからか?」と覇気のない口調で言った。そして男は言った。

「いや。私達大人は子供を守る義務がある。ただただ、それを行っただけだ。だから

家族の下へ帰ろう?」その後、俺は東京へ戻った。


そして、その後新道明人は法で裁かれ。事態は収拾された。真輔はカウンセリングを受け、

正常な精神状態になったところで無事、いつもの日常が取り戻せたのだ。

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