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全力疾走  作者: レイン
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先がない事故

全力疾走

第一章

「先がない事故」

ピッピピピピピ・・・・

部屋中に響きわたる、時計のアラーム音。

「ったく誰だよ。この時間にセットしたやつは」

と目を覚ましたのは

一人の少年、神崎真輔。

「ん?しかし待てよ。俺は・・・・」

考えること2分。

「っあ!そういえば昨日。」

そう、真輔は昨晩

明日は大事な用があるから

遅れないようアラームをセットしといたのだ。

「自分でセットしといて忘れるとは

俺、年なのかね?」

あはははっ、と一人寂しげに笑った。

とりあえず身支度することにした。

「ん~服なににしようかな~・・」

そう大事な用とは、幼馴染でもあり

恋人でもある、桜井美月との

初デートなのだ。

ん~、俺は全力で思考を回転させた

結果、無事服を選ぶことが出来た。

俺は急ピッチで

集合場所の公園の噴水に向かうはずだった。

だが、公園に向かう途中に

大型トラックに轢かれ

すぐさま付近の住人が病院に

救急要請を行ったため

大事には至らなかった。

だが、依然真輔は目を覚ます

予兆を出さなかった。

その一方、警察は身元確認をし

真輔の母に事態を伝えられた

母は支度に追われていた。

「咲~、母さんちょっと病院に言ってくるからね。」

「え・・具合悪いの?」

「真輔のお見舞いよ。」

それを聞いた、妹、奈緒は

「お兄ちゃん、なんかあったの?」

と心配そうに母に聞いた。

母は少し躊躇しながら

真輔が事故にあった経緯を

言った。

当然のようにそれを聞いた

奈緒は泣き崩れた。

(真輔大丈夫かしら・・・)

そう思いながら母、夏美は

病院に急いだ。

そのころ、病院では

真輔の幼馴染でもあり彼女でもある

美月が真輔の事態を聞きつけ

ここ、神埼大学付属病院に来た。

ロビーで美月は

「あの、面会をしたいんですけど。」

フロントに居た、看護師は

「はい。面会希望者のお名前は何でしょうか。」

「神崎真輔です。」

「失礼ですが、あなたのお名前は?」

「あ、はい。桜井美月です。」

看護師はファイルを開き名簿確認すると

「申し訳ありませんが、ただいまご家族以外の面会は

出来ないんです。」

そう言われた

美月は

「そうですか。」

といい、帰ろうとしていたら

「あら、美月ちゃん?」

前から、真輔の母である夏美が歩いてきた。

「夏美さん。真輔君のお見舞いですか?」

夏美は軽く頷いた。

「美月ちゃんもお見舞いに来たんでしょ?」

それを聞いた、美月は残念そうに

「家族以外の面会は出来なさそうなので、今から帰ろうとして思ってたんです。」

と言うと、夏美はフロントに行き

数分後。

「美月ちゃん、私が事情を話したら

特別に家族以外の面会が許可されたわ。」

と夏美が美月に言った。

「ありがとうございます。でもなんで

許可取れたんですか?。」

と疑問に思い、夏美に聞いてみると

苦笑しながら夏美は

「ここ、実は私の実家が経営している

病院なのよ。

だから私が事情を話したら

すんなりとゴーサインが出たってわけよ。」

「夏美さん、すごいですね。

たしか、ここ神埼大学付属病院は

最先端の治療、機器などが揃ってる

病院ですよね?」

「えぇ。ま、この話はさておき。美月ちゃん、早く

真輔に会いたいんじゃないの?」

と本来の目的を伝えられ、

「あ・・・。そういえばそうでした。」

うふふ、と笑いをこぼした夏美の

後ろを付いていくと

「さぁ、真輔の病室に着いたわよ。」

と夏美がいった。

改めて病室の周りを見ると

驚いた。

そう、これ以外の病室が一切ないのだ。

「あの、ここは?」

と声を小さめにし

聞いてみたら、

「うちの両親、心配性だから

特別にこの病室を準備してくれたらしいの。」

正直、すごいと思っていた美月は

「すごいですね。」

と病室のドアを開けようと

手を近づけたら小さい警報が鳴り響いた。

それをみて夏美は

「美月ちゃん、さっきICカード貰ったでしょ?」

と美月に言うと

美月はICカードを手に取り

それを確認した

夏美は、そのカードを

ドアに近づけると

ウィーーンと驚くほどの消音で

開いた。続いて美月も入ろうとするが

ドアが閉まってしまった。

それをみて美月は

(もしかしてっ!)

カードをドアのほうに持っていくと

先ほど同様ドアが開いた。

病室に入ると

真輔の姿があった。

立ち止まった美月をみて

夏美は少し心が痛んだ。

でも、夏美は

私が弱気になったら、駄目よね。

真輔も心配するだろうし。

いずれ美月ちゃんが・・・・・

そう思ってると。

美月ちゃんがこっちに来た。

「あの夏美さん、私、真輔くんのことが

好きです。 なんか、すみません。こんな時に言って。

さっきのは、無かったことにしてください。」

なんだか悲しくなってきて目から涙が出てきた。

「ごめんなさい。でも本当に私、真輔君の・・・」

美月はその場に崩れてしまった。

夏美が美月を慰めていると

静かな動作音と共に

数人の男性たちが入ってきた。

夏美は「すみませんが、どちら様ですか?」

と聞いてみると

一人の男性が

「おっと、紹介が遅れました。

私、機密取締部の伊藤雅俊です。

後ろにいるのは私の部下です。」

夏美は「戸惑いながら、頷きこう切り出した。」

「機密取締ですか?真輔が何をしたって言うんですか?」

それを聞き、伊藤率いる男性たちは

少し、浮かない顔をしていた。

「あっ。いえいえ。真輔君は何もしていないんですよ。

ただ、今回、真輔君に事故を合わせた犯人が

私たちの管理下にした脱獄者なんですよ。」

「え!。じゃぁ、真輔はその脱獄者によって

こんな目にあったっていうの!」

そう叫んだのは、美月だった。

しかし、気持ちはよくわかる。

何事もなければ、今この場にいない

そして、真輔と美月は

初デートに行っているはずだったのだ。

長い沈黙の中、最初に発言したのは

やはり伊藤だった。

「美月さんでしたっけ?。あなたにも謝れなければいけません。

もちろん真輔くんのお母さんにも。」

夏美は黙ってなかった。

「謝っても遅いんですよ。でも私たちは

あなたたちの謝罪の言葉を聞きたいわけでは

ありません。なぜ機密取締の人たちが来るのです?

事情を話すだけならな、警察官でも良いんじゃないですか。」

美月もそれを聞き「そうです。」

と夏美さんの意見に賛成した。

伊藤さんは部下からファイルを受け取った。

一つの記事を私たちに見せた。

「この事件はしっていますよね?

有名な無差別殺人事件です。

この犯人は既に逮捕され、

報道されています。

しかしながら、私たちはこの事件に

不信感を感じたので調べてみたのです。

そしたら。

犯人が殺人に使った武器は

対物ライフルなんですよ。

でも、なぜかこの事件の目撃者はいるのに

ライフルを見た人は誰もいない。

もちろん、民間人には直接見たことがない

のでライフルという言葉が出なくても

不自然ではないんです。しかしながら

銃という言葉すら出なかったのです。

それを決定づけることが

記事に書いています。

『目撃者:もうその犯人は鈍器で

無差別に人を殺していました』

そう、この目撃者は

鈍器を見たと言っているのです。・・・」

「え・・。じゃぁ何者かによって

隠蔽され違う事故に仕立てたんですか?

そうしたら通報した住民も、

何者かによって隠蔽に協力してしまったということですか?」

「えぇ。絶対とは言えませんが、その可能性も

ないとは思えません。しかしながら

未だ脱獄者が発見されたということは

連絡が来ていません。

もし協力できるのならば

この部屋に複数の防犯カメラを

設置いたし24時間

真輔くんのことを見守ります。」

「それはあなた達に任しても

危険じゃないということでしょうか?」

「えぇ。我々一同も第二の被害者を

出したくないので。」

夏美は軽く頷いた。

「夏美さん。電話なってますよ?」

美月が話しかけてきた。

「電話?そういえばマナーモードにしてたんだっけ。」

携帯を見ると

着信履歴に『八神駿』

旦那からだった。

そういえば、病院近くまで来たら

電話してといったわ。

電話してみると

「夏美。真輔の状態は?」

「まだ意識が戻らないの。」

「そうか。もうすぐでそっちに着く」

数分間の電話で済んだ。

それから10分後。

旦那の駿さんが到着した。

もちろん旦那にも状況を説明した。

「真輔は何者かによって

殺されかけた、と言いたいのですか?」

と怖い面影で伊藤さんに切りかけた。

「断固できません。少なからず

未遂に終わったということでしょ。

なんたって、大型トラックの運送会社に

問い合わせてみたのですが

真輔くんが事故にあった時間帯は

誰も動いてなかったようです。

真実をつい止めるべく

我々一同、捜査いたします。」

美月は不審に、というか

疑問を抱いた。

なぜ、真輔が狙われていたのか

それを知りたい、そう思った

「あの、疑問なんですが。

なぜ真輔はその脱獄者に命を狙われたんですか?」

精一杯の重い言葉で聞いてみた。

真輔の両親はただ

伊藤さんの言葉を待っていた。

だが、思いがけないことを伊藤が言った。

「その、今回の事件と少し関係性があるかもしれない

事件があるんですよ。」

伊藤はファイルから一枚の紙を出し

私たちに見せた。

両親は「話を続けてください。」と言った。

「その事件はあまり世間に知らされていない

事件なんですが、

今から約3年の前の話です。」

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