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ETERNAL SAGA  作者: 紫音
46/73

episode 43 敵か味方か

−飛空船内−




アッシュとディック達は

イフリナへ帰還するところだった。

シグナスからアーディルを受け取り

全てを取り戻したアッシュ。

シグナスは最後に母親とマーディンの

関係を口にしていた。

アッシュとマーディンの間にどんな繋がりが

あるのだろうか…。



 「それにしてもおめぇの変身した姿には

 びっくりだったなぁ!」


 「俺もギガドライヴには驚いたよ。

 しかもその状態でマテリアルフォースまで

 使うなんてな」


 「へへへ、 まぁな☆」


 「ディック……俺…化け物だった?」


 「いや…前みてぇのじゃなかった。

 前は邪悪な感じだったからよ!

 シグナスの変身した姿を見てたからわかんだろ?」


 「そっか…あんな姿になってたのか…」


 「アーディライズっちゅうんだろ?

 そういやぁ前にフィルもなってたな…」


 「と言うかディックは何であんな所にいたんだよ」


 「レリスから話を聞いて来たんだ。

 おめぇのピンチっつうから」


 「レ、 レリス…が? そ、 そう…か」


 「ん、 どうした?」


 「い、 いや……」


 「おめぇレリスにまだ慣れねぇのか〜? 」


 「べ、 別に……いいだろ…!!」


 「ま、 その辺はまだまだだな……」


 「…………」


 「あーぁ何か腹減ったな〜」


 「…何か食べに行くか?

 そこからワープですぐ行けるんだ」


 「まじか! じゃあ行こうぜ!!」



アッシュとディックはワープ装置に乗り

船内の食堂へと向かった。














一方その頃…。







−ディルウィンクエイス−







セントラルエリアにはティナとクレイドが

深刻な表情で会話をしていた。

その理由はグランベルクがもうそこまで来ていた為だ。



 「ティナさぁーん!」



リルティが2人の元へやって来た。



 「こっちは準備バッチリです!」


 「わかったわ、 あんたも配置について」


 「ついに…くるん…ですよね…」


 「あぁ…」


 「クレイド、 もうあんな無茶はしないでよ?

 最悪の場合は…」


 「…わかっている」


 「リルティ、 あんたもよ」


 「はいっ! 勝ち目が無くなったら

 撤退………ですよね…?」


 「そうよ……。 それでジェノは?」


 「あ、 すす、 すみませぇん…。

 報告するの忘れてた…。


 ジェノはまだ帰って来てないんですけど

 でもさっき通信オーブが届いて大丈夫だって

 言ってました」


 「そう…。 間に合うといいけど…」


















何処かの荒野のど真ん中に立っていた。

黒い2つの影……。

アッシュ達の起こした爆発が遥か遠くではあるが

この場所からも確かに確認できた。

それを見た男が口を開く。



 「おい……シェイル。

 見たか今の…」


 「見逃す訳がないでしょ」



シェイルと呼ばれた女性。

全身が漆黒のローブで包まれている。

フードから少し見える紫の薄い唇が

ニヤッと笑みを作る。



 「うふふ…予定より早く見つけられたわ」



 「反応が1つ消えたな。

 あれはアッシュ・バーナムのものだった…。

 もう1つは……何者だ?」


 「何だっていいじゃない。

 行けばわかるでしょ?

 まさかヴィーゼ、 貴方あんなバルツ数で

 怖じけづいたのかしら」


 「俺はただ…80000を超える魔力の

 持ち主が気になるだけだ…」



そしてヴィーゼと呼ばれた男。

彼もシェイル同様黒いローブとフードに包まれている。

鼻につけた銀のピアスがかろうじて見える。



 「うふふ…たったの80000じゃない。

 何をそんなに気にする事があるのよ」


 「アッシュ・バーナムの魔力を上回ったんだぞ?

 それに5000からいきなり80000バルツにまで

 上がったのだ。 普通の人間ではない…」


 「だったら私達と同じヴァルファリエン…

 なんじゃないの?」


 「アッシュ・バーナム達と俺達を除いて

 他はもういないんだ。

 あれはヴァルファリエンではないだろう」


 「でもヴィーゼ、 80000バルツも出せる

 人間なんてこの世界に存在しないわよ」


 「……行って確かめるしかないか…。

 そいつにアッシュ・バーナムが消されたのなら

 やっかいな事になる…」


 「やっと行く気になったのね…。

 んもぅ、 ヴィーゼの分析にはほんと…

 時間がかかるんだからぁ…」



すると2つの影はスッと消えた。












−飛空船・船内−

食堂




アッシュとディックはちょうど腹ごしらえを終えて

食堂から出るところだった。



 「いやぁ、 しっかしこの世界の食いもんは

 どれもうめぇなぁ」


 「ディック、 トレーニングルーム行かないか?」


 「え!? おめぇついさっきまで戦ってたのに

 もう調子出て来たのかよ」


 「アーディルをもっと完全な形で

 使いこなしたいんだ。

 それにシグナスも言ってたんだ…。

 ちょっとでも力を使いこなすようにならないと」


 「シグナスが…?」


 「さっきの戦いで6大魔導が動き出すってな。

 多分もうこっちに向かって来てる…」


 「ま、 まじかよ!!

 まだ何ヶ月も先だろ!?」


 「俺達の魔力を察知していたらやって来るのは早い。

 あと数時間でここに来るはず…」


 「そ、 そんなのすぐじゃねぇかよー!!

 イフリナに戻って早く知らせねぇーと」


 「……トレーニングは止めだな。

 ディックはこのままこれに乗って

 レリス達に知らせてくれ」


 「…おめぇはどうすんだよ」


 「……俺は…」


 「…おめぇまさか1人であいつらと

 やろうってんじゃねぇだろうなぁ!」


 「………ディック、 頼む…」


 「馬鹿やろう!! だったら俺も一緒に残って…」


 「ディック……。

 ディックじゃあいつらを相手に出来ない。

 正直な話……足手まといに…なる」


 「…………」


 「ごめん………」


 「わかったぜ………だが死ぬな」


 「…うん。 わかってる。

 やばくなったらワープドアですぐ帰れるしな」


 「はぁ…。

 ったくよぉ、 強くなりやがってぇ…。

 俺はエレメンツのクラスAだぞぉ…」


 「ははは」


 「笑ってんじゃねぇ…

 さっさと行きやがれっ」


 「……あぁ! じゃあ行って来る」



アッシュはワープ装置に乗り操縦室へ向かう。

笑顔だった顔がキリッと真剣な表情に切り替わった。



 「(ごめんディック…。

 俺はもう……何も失いたくないんだ…)」



操縦士に頼んで地上に降ろしてもらったアッシュ。

飛空船は再び上昇する。

それをずっと目で追っていく。

無事に飛び去ったのを確認すると

アッシュはスキャンを拡大して周辺を探る。



 「大きな魔力を持つ2つの何かが

 物凄い勢いでこっちに向かって来てる…。

 思ったよりも早いな…それに…

 この魔力……俺は知ってる……」



アッシュがスキャンで拾った反応は

今いる場所から数百キロ離れている。

通常のスキャンの限界を遥かに凌いだ性能だ。

アーディルが完全になった事と関係があるのだろうか。



 「…この速さだともうすぐやって来る…。



 6大…魔導が……」



アッシュの考えは見事に当たる。

しばらくすると前方の遥か先にわずかに光る

点が砂埃を散らしてこちらに向かって来ていた。

何と言うスピードであろうか。

数百キロも離れていたのにもかかわらず

たったの数十分で視界に映る範囲に現れた。

シグナスが何故里まで魔力を使わなかったのか

今になって理解するアッシュであったが

そうこう考えてる内に2つの点だったものが

アッシュの目の前に立っていた。



 「6大魔導…。

 

 ヴィーゼ・エスラント



 シェイル・グローリ……だな」


 「あらぁ、 知っていたの?」


 「貴様、 アッシュ・バーナムか?」


 「…だったら何だ」


 「ヴィーゼ、 この子レプリカよ」


 「あぁ。 そうみたいだな。

 なるほど…アッシュ・バーナムの

 アーディルを吸収したのか…」


 「…………」


 「それにしても本当に貴方1人みたいね。

 どうしてお友達を帰したの?」


 「そんな事あんた達に話す義理はない。




 はぁぁぁ…」



全魔力を解き放ち再び吸収した。

黄金のオーラが空へ噴き出していく。

アッシュはギガドライヴを発動した。



 「凄い………魔力が一気に20000にまで

 上がったわ…」


 「さぁ…どっちから戦うんだ?」



その問いにヴィーゼとシェイルはお互い顔見合わせる。

そして軽く笑いながらシェイルから話し出した。



 「うふふ。 貴方、 何か勘違いしてるわよ」


 「!? ……何?」


 「俺達は貴様と戦いに来たのではない」


 「……どういう事だよ、 それ」


 「術を解けアッシュ・バーナム。



 貴様に話がある…」


















−ディルウィンクエイス−

セントラルエリア






何処からか帰還したジェノが

ティナ達に報告しているところだった。



 「と言う事なんで大丈夫みたいです。

 マスターを既にそこへ移動させたんすけど…」


 「わかったわ、 ご苦労様」


 「よし、 各自配置に着くんだ。

 スキャンで捉え次第報告するように」


 「了解」 「りょーかい!」


 「いい? 絶対勝手に行動しないで!

 クレイド、 特にあんたは!」


 「あ、 あぁ……」


 「ジェノ、 あんたもよ!!

 作戦通りに、 わかった?」


 「………了解」



そしてそれぞれ配置場所で待機して

グランベルクを待つ。

リルティの少し離れた辺りにジェノが

そして反対側にクレイドとティナがいる。

最初に接触するのがこの地点と言うところからどうやらこの4人が先頭部隊のようだ。

スキャン範囲を最大まで拡大しどんな小さな反応も

見逃す事のないように全員集中している。



 「ジェノ、 絶対死んじゃだめだからね」


 「…俺様はそんな簡単には死なねぇから心配すんな」


 「…うん!」



するとぽつぽつと雨が降り始める。

雨は徐々に激しくなり雷まで鳴り出した。

これは不吉な事の予兆だろうか…。

皆それぞれが同じ様に思っていた。

まさにそんな時だった。

いきなり反対側でティナが全員に向かって

叫んだ。



 「来たわよー!!」



ティナが見る視線の先に現れたのは

リーベルト、 ロゼ、 そしてシキだ。



 「来たか…」



反対側にいるジェノ達もティナ達の所へ駆け付け

横に並んだ。



 「リル、 ちゃんと援護しろよ」


 「まかせといて!!」


 「ティナ、 ジェノ、 行くぞ!!」



クレイドとティナ、 ジェノは

クイックフェザーを使い空へ飛び立った。

そしてロゼ達へ一斉に攻撃する。



 「開け! 我が魔力の扉!!


 フリージングダガー!!」


 「うるるるぁぁぁ!!!


 スティーガーサウザントォォォ!!」


 「風陣衝!!!」



3人の攻撃は先頭のリーベルトに集中する。

これは彼らの作戦であった。

しかしリーベルトはシールドであっさりと防ぎ切る。



 「開け! 我が魔双の扉!!




 バリア・ソウル!!」



後方でリルティが連続的に放ったのは

絶対防御スペル、 バリアオーブ

そして攻撃スピードを高めるスペル

エナジーソウルであった。

どちらも高難易度のサポートスペル。

しかし2つとも放出し続けなければならない

上に3人に放っている為

リルティは発動中、 身動きが取れない。

ティナ、 ジェノ、 クレイドはこのスペルの

恩恵を受けて戦闘能力が上がった。



 「へぇ、 あんた達ディルウィンクエイスにも

 不意打ちなんて真似ができるんだねぇ!

 これは面白くなってきたよぉ!!」



ディルウィンクエイスとグランベルクの戦いの幕が

今、 派手に上がった。














そして再びアッシュへ…。








 「話?」



思いもしなかったヴィーゼの一言に

アッシュはギガドライヴを解除してしまった。

戦いに来たのではなかったとしたら

一体目的は何なのだろうか。

それでも警戒心を緩める事はしないアッシュは

いつでも戦闘が始められる様に距離を保ったまま

身構えていた。



 「何だよ話って」


 「うふふ。 あの子まだ警戒してるわよ」


 「……ディウスが貴様のアーディルを狙っている事は

 既に知っているだろう?」


 「……あぁ」


 「だがあいつは俺達のアーディルも

 また狙っているのだ」


 「……ディウスが?

 あんた達はあいつの仲間だろ?

 何でだよ」


 「…それはねアッシュ。

 私達も特別なのよ」


 「貴様と同じ…ある特別な力を宿した

 アーディルなのだ」


 「!? なんだって!?」


 「俺達の中には“マリスナディア”と呼ばれる

 神の力が宿っているのだ」


 「マリス…ナディア?」


 「私達のアーディルは2つで1つなの。

 これはアーダとイーヴァに匹敵するぐらい

 凄い力を秘めたものなのよ」


 「その昔、 俺達が想像も出来ない遥か神話の時代…。


 神族、 魔族そして人間がエターナルサーガを

 巡っての大きな争いがあった…。

 そのエターナルサーガを創った存在…

 それがマリスナディアなのだ」


 「でもマリスナディアなんて聞いた事もないぞ!?」


 「歴史の中では存在しないの。

 マリスナディアは歴史から抹消されたのよ」


 「貴様の持つアーダと

 レリス・オーディアが持つイーヴァ」


 「そして私達のマリスナディアが揃って

 初めてエターナルサーガの封印は解かれるの」


 「ディウスはこれらのアーディルを手に入れ

 エターナルサーガを発動しようとしている」


 「それは俺にもわかる。

 その為に俺のアーディルを狙ってる事ぐらいはな」


 「俺達は一度ディウスと戦った。

 あいつの強さは想像を超えていた」


 「待てよ、 ディウスに狙われたのは

 そのアーディルが原因なのはわかったけど

 だったら何であんた達は今でも

 6大魔導の中にいるんだよ。

 狙われてるんだろ?」


 「あらぁ、 貴方また何か勘違いしてるわね」


 「………何を…?」


 「貴様は6大魔導をどこまで知っている?」


 「確か…

 ディウスの思想に賛同した集団なんだろ?」


 「……結成当時はな。

 だが今の6大魔導はそうではない…

 と言うより6大魔導は既に壊滅した」


 「ディウスもあの頃のディウスじゃ

 なくなっちゃったからねぇ…」


 「…元々6大魔導とは


 オーブから発する力、 魔力

 アーディルから発する力、 霊力

 この2つの力を研究していた集団だったのだ

 しかし結成間もなくしてディウスの企みが暴かれる」


 「ディウスはグランベルクで偶然発見された

 1つの石版を見つけたの。

 外界と接触してはいけなかったのに

 彼は破っちゃったの」


 「それにはヴァルファリエンについて

 書かれてあった。

 アーディルを吸収して自分を高められる事は

 その時に知ったようだ。

 あいつは弱かった……」


 「ディウスがグランベルク帝国の人達と

 里へやって来たの。

 彼、 力は弱かったけど頭はよかったから

 ヴァルファリエンの力を封じる機械を

 グランベルクと協力して作って…

 あとは貴方も知ってるでしょ?」


 「(アーディルを奪い…。

 そして俺の村を……父さんや母さん…

 ミリアを…!!)」


 「だがな……。


 俺達は貴様の味方と言う訳でもない…」



その言葉を聞いてアッシュは反射的に

拳に力が入った。

それを見ていたシェイルが笑みを零しながら

話し出した。



 「だから言ってるでしょ。

 私達は戦いに来たんじゃないんだって」


 「………あんたらの目的は何だよ」


 「俺達の目的は……」



と、 ヴィーゼはいきなり周りを警戒し始めた。

続いてシェイルそしてアッシュも同じ行動を取る。



 「ヴィーゼ!」


 「思ったより早かったな…」


 「(また大きな魔力がこっちに向かって来てる…)」



するとヴィーゼは掌から魔力を放ち

空間に歪みを作った。

光は徐々に広がっていく。



 「ついて来い。 移動する」


 「あんたさっき敵だって言ったじゃないか!

 行くわけないだろ!!」


 「あらぁ、 敵だって言ったの? ヴィーゼ」


 「…早くするんだ。 時間がない」


 「あぁ〜もう!! 何なんだよあんたら!!」


アッシュはやけくそにその渦の中に身を投げた。

続いてシェイル最後にヴィーゼが入る。

彼の視線の先には2つの光があった。

それを見つめた後ヴィーゼは渦と共に消えた。



しばらくすると2つの光が砂埃を散らしながら

走って来た。

まるで何十頭もの動物が移動するかの様な足音だ。

そしてアッシュ達がいた辺りまで来ると

急ブレーキをかける。

2人が止まった地面を見ると土がえぐれていた。

全身黒ずくめだったが1人は明らかに年寄りだった。

彼らも6大魔導なのだろうか。

辺りをキョロキョロと探るが

アッシュ達の姿は既にない。



 「ちっ、 先を越されたか…」


 「慌てるでない、 またすぐに見かる。

 ほっほっほっほ」


 「呑気に笑ってる場合じゃねぇーよじぃさん」


 「ほっほっほっ」


 「…ここにはもういねぇ、 行くぞ」



2人は風と共に何処かへと消えて行った。










 「何なんだよ……ここ」



ヴィーゼ達に連れられて来た場所には

様々な機械やモニターが所狭しと並んだ部屋だった。

アッシュはフィルやレリス達と

自分のクローンを造っていた研究所を思い出した。

思い出すと言うより思い出させたと言った方がいい。

そしてシグナスとの事を浮かべる。



 「ここは先程話した魔力や霊力について

 研究していた所だ」


 「今は私達の隠れ家になっちゃってるけどね」


 「いい加減あんた達の目的を言えよ」


 「そうよヴィーゼ、 目的を言って無かったわよ」


 「俺達の目的は…。


 エターナルサーガを破壊する事だ」


 「エターナルサーガを……破壊する!?」


 「エターナルサーガの存在は極めて危険なのだ。

 ディウスに気づかれる前にやらなければ

 この計画は失敗に終わる。

 これがどんな意味なのかは

 言わなくてもわかるだろう?」


 「エターナルサーガは神々だけが持つ物。

 私達が使う事は許されない。

 ましてや自分の欲望の為になんてね」


 「そもそもエターナルサーガって何なんだよ」



 「エターナルサーガは

 この宇宙のありとあらゆる理を操作できる


 創造書…。


 貴様に無限のパワーを与える事もできれば

 存在を消去する事もできる」


 「私達もこの世界も全てはエターナルサーガ

 によって誕生したの」


 「……ディウスが欲しがる訳だ…!!」


 「エターナルサーガを発動させるには

 アーディルを必要とする。

 ディウスが何故アーディルを大量に吸収したか

 わかるだろう?

 ただ強くなりたかったんじゃない…」


 「そういう事か!!

 エターナルサーガを使い回す為なんだな」


 「正解、 よく出来ましたぁ〜」


 「……もしそんな事が現実になれば…」


 「思いのままに創り変えれるのだ。

 間違いなく世界は滅びる…」



ディウスの真の企みがついに暴かれた。

そして自分の持つアーディルの重要さ

今更ながらにしてアッシュに重くのしかかる。

エターナルサーガの破壊…。

そんな事が果たして可能なのだろうか。

それに2人をこのまま信じていいのだろうか。

今一つ信用が出来ないアッシュは

気になる事を彼等に問いかけてみた。



 「なぁ、 ここに来る時に反応あったよな?

 あいつらはあんた達の仲間じゃないのか?」


 「あいつら…?」


 「ヴィーゼ、 キナとリューゼの事だわ」


 「(知っている…。

 キナ・ミシェールにリューゼ………ん?

 リューゼ?)



 リューゼって…まさかあんたの」


 「リューゼ・エスラント…。


 そう。 彼の弟よ」


 「やっぱりそうか。

 ……それで、 何で逃げたんだよ。

 味方じゃないのか?」


 「…………どちらでもない」


 「あのな、 敵でも味方でもないって

 どういう意味なんだよ。

 俺にもそう言ったけど」


 「簡単な事だ…。

 俺達はエターナルサーガの破壊が目的だ。

 それ以外は関わらん……と言う事だ」


 「リューゼ達も私達を狙ってるの。

 ディウスとはまた別にね」


 「あいつらもディウスと同じ目的なのか?」


 「恐らく……な」


 「あんた兄弟なんだろ? 何でそん」


 「兄弟だろうが関係ない…。

 あいつはあいつの…俺には俺の考えがある。

 ただ考えが違うだけの事だ」


 「…………」


 「ねぇ貴方、 エディルブレイブ

 発動できないんじゃないの?」


 「…あ……それは…」


 「まぁその身体じゃ無理よね…。

 だってレプリカだもん」


 「…………」


 「ちょっと何落ち込んでるのよ。

 その為に貴方をここに連れて来たんじゃない」


 「…え?」


 「貴様には…

 完全なアッシュ・バーナムになってもらう」




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