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ETERNAL SAGA  作者: 紫音
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episode 3  伝説の力

エピソード3 伝説の力

完成です。前回より少し少なめですがキリがいいので

ここでUPします。

なんとか昨日中にって思ってたんですけどなかなか思う様にいかなくて。。。



全身が薄紫の光に包まれた。



洞窟全体は地響きで揺れ、 アッシュを中心に地面に亀裂が走る。

やがて光はアッシュの瞳に吸収され紫へと変色していく。



 「な、 なんだあれは……」


 「ディック、 あそこっ!!」



アッシュの足もとを指差した。 眩い光が線となって結ばれていく。



 「あれは、 魔方陣!?」

 

 「って言う事は…ディック!」


 「あぁ……マテリアルフォースだ……」



繋がれた線が光の柱となりアッシュを包む。

両手をすっとキングマニュラの顔辺りまで持って行くと掌から光球が放たれた。

直撃するかと思いきや、放った球は体をすり抜けた。

しかし光球はキングマニュラの背後に止まり少しずつ膨張していき、 やがて空間に歪みを作る。



 「間違いねぇ…。 あの光の穴… 

 やっぱりアッシュは何かを呼び寄せて

 いるんだ!!」

 

 「でもマテリアルフォースだとしても

 なんでアッシュが使えるわけ!?」

 

 「俺がそんな事知るかよ! …でもやべぇぞ……」

 

 「な、 何?」

 

 「アッシュをスキャンしてみろ! あいつの

 魔力がすげー勢いで減少してやがる……」



ティナは自分の瞳に魔力でレンズを作った。

アッシュの中から噴き出している流れが徐々に

弱まってきているのがティナの瞳に映る。



 「このまま魔力を開かせたままじゃ危ない! 暴走するわ!!」

 

 「ばかやろ! そうならない為に俺達がいるんだろうが!!」



歪みの中から何かが出てこようとしていた。

頭、 肩、 腕次に体と少しずつ見え始める。



 「…そうね。 で、 問題はどうやって止めるのか…ね」



ディックはうっすらと笑みを零しながら立ち上がった。


 「……ったく、 しゃぁねぇなぁ」


 「何か作戦があるの?」



そしてついにアッシュが呼び出したものが姿を現した。

背中に4枚の白と黒の翼に胸の中心にはルーン文字が刻まれている。

それ以外は全身が影の様に黒く、 陽炎の様にぼやけている。



 「いいか? あの化け物マニュラはあいつが呼び出したやつが何とかしてくれる。

 お前は心術を使ってあいつを眠らせてくれ! できるか?」

 

 「でも今のあたしの力量じゃ、 一時的にしか無理よ?」

 

 「一時的でもいいさ……後は俺が何とかする!」


 「何とかするって…どうするつもり!?」

 

 「保険をかけんだよ。

 もし暴走してしまった時の為に手を打っておくんだ……こいつでな!!」






【マテリアルフォース】

異次元空間を開き非物質的な存在を物質化させるいわゆる召喚術。

魔力で作った魔方陣はこの世界と向こうの世界とを繋ぐ扉的役割を持つ為、魔方陣が

無くなると門が閉じてしまい、 例えこちら側に召喚されていたとしても存在維持する事ができなくなる。




【暴走】

マテリアルフォースは多大なる魔力を消耗する為に魔力が尽きてしまうこともある。 高ランクの住人を召喚し、 多大な魔力の末に尽きてしまい自身で制御する事ができなくなった場合住人は暴走してしまう。 暴走した住人は人々を襲う魔物と化す。 この世界に魔物が現れ始めたのもこれが原因となっている






地面に右手を置くとディックは魔力を流し始めた。

魔力の流れは線になり魔方陣となった。



 「これって……まさか!?」



 「目には目を…だ。

 化け物どもがやり合ってる隙にアッシュを……」


 「わかった!」



四翼の者は自分の影を飛ばしキングマニュラの触覚を切り裂き始めた。



 「シャァァァ!!!」

 

 「今だ! 行け!!」



その掛け声とともに走り出した。 瞳がアッシュを捉えると念じ始めた。


 「心術! 


     心停休止!!」



アッシュの瞳を力強く見つめる。 彼の瞼に負荷がかかる。



 「少しでいいから眠って……」



その後ろで戦いを繰り広げている四翼の者とキングマニュラ。

先程触覚を切り裂かれた事に腹を立てているのか、 耳を貫く様な声を上げて威嚇している。

それに呼応してさらなる攻撃を繰り出そうとしている。

無数の黒い影を針の様に伸ばし、 自身の周りに散らばらせていく。

そして次の瞬間、 一気にキングマニュラに向けて放たれた。

頭や体に1つまた1つと突き刺さっていく。

その度に半透明な液が噴出し飛び散っていく。



 「ふしょ…ふ…しゅ…ゅ……」



その猛攻についに息絶えたのか、 全く動かなくなってしまった。



 「おい、 もう死んじまったのか……!?

 ティナー! 早くしろー!!」

 

 「待って……やった、 眠ったわ!!」



アッシュの足もとに輝く魔方陣が徐々に消えていく。

それと同時に四翼の者もすっと消えた。

そしてゆっくりと足から崩れて行った。

それを確認すると、自らの魔方陣を解いたディック



 「ふぅ……。 そっちは大丈夫かー?」


 「2人とも無事よー!」



ディックは2人の元へ向かう。



 「(あれを使わなくてよかったぜ! 実戦で1回も使った事無かったから実は

 自信無かったんだよな……。 俺のが暴走してたかも知れねぇし……

 この事ティナにバレたら怒るだろうぜきっと。

 うん怒る! ぜってー怒るわ……へへ)」


 「……聞こえてるわよ」



この後2人が散らした火花が洞窟の闇を少しだけ明るく見せていた事は言うまでもない。



 「それにしても見たか? アッシュが召喚した化け物……」

 

 「今まで見た事も聞いた事もない奴だったわね……」


 「うまく暴走は止められたものの、 やばかったよなーかなり……」


 「ねぇ、 あの召喚獣の胸に刻まれたルーン文字見た?」

 

 「あぁ…出身界を示してるやつだろ?

 そんなの珍しくもないだろ? あ、 俺ルーン文字読めねぇぜ?」

 

 「違うわよ、 あのルーン、 …エディルって確か刻まれていたのよ」


 「へぇ〜エディル……。 えぇ!? エディルってあのエディルかぁ〜!!?」


 「そうよ……。 アッシュは神界エディルから神獣を召喚したのよ!!」

 

 「まじかよ!!」



ゆっくりと首を縦に振るティナ。 小麦色した彼女の顔が焦りの色へと変わっていく。



 「お、 おい……ちょ、 ちょっと待てよ!!!

 じゃあこいつは……まさか!?」

 

 「そう…エディルオーブを使いこなす、 【ヴァルファリエン】の……生き残りよ…!!」


 「なぁ、これってやばくねぇか? 俺達の手に負えない事態だぜ…?」


 「確かにアッシュがもし、 ヴァルファリエンだったとしたら世界中が大混乱になるわね。

 神魔人大戦で唯一神々を滅ぼした人間族あの伝説のヴァルファリエン…… 

 その子孫になるって事なんだから!」

 

 「でもよー、 伝説によるとヴァルファリエンは大戦終結後、 同種族争いか何かで滅びた って言われてるじゃねぇか」



ティナは眠ってるアッシュを見ながら呟いた。



 「わかってる! でも事実あたし達はアッシュがマテリアルフォースでエディルの住人を

 召喚してるの見たじゃない! 

 ううん、 それだけじゃないスキャンしてあるから映像化して残せるし…」


 「別に疑ってるんじゃねぇよ……ただ信じられねぇんだよ…

 あの伝説のヴァルファリエンが目の前にいるんだからな……」


 「あたしも信じられないわよ……」


 「……」


 「……」


 「そろそろアッシュが目を覚ますわ。 この事は…わかってるわね……?」

 

 「……あぁ」



そしてアッシュが目を覚ました。

ゆっくりと瞼を持ち上げ、 ディックとティナの顔が朧げながら瞳に映し出す。

ぼやけていた景色は徐々に鮮明さを取り戻す。



 「こ…こは…?」

 

 「まだ洞窟ん中だ。 お前は気絶してたんだよ」


 「ま、 マニュラ……は?」


 「大丈夫よ!! あたし達で倒したから!!」



ディックが大きな塊を顔で差しながら彼に言った。



 「見ろよ、 あれだ」

 

 「本当に死んでるの……か?」


 「決まってるじゃねぇかー現にあのうるさいふしゅふしゅ、 とかぶしゅぶしゅとかの

 声がしねぇだろ??」



3人は耳を澄ましてみた……。

辺りはさっきまで激しい戦いが嘘の様に静まり返っている。



 『…………』


 「……確かに」

 

 「だろ?」

 

 「…し…ふ…し…ゅ……」


 「あぇ?」


 「ふ…しゅふ…しゅ……」 


 「あんたふざけてんの!?」


 「俺じゃねぇって」


 「とどめ……さしたんだよな?ディック?」

 

 「ふしゅふしゅしゅしゅ……」


 「ね、 ねぇ、 これってやっぱり……」



ゆっくりと振り返る3人。

顔にマ・ニュ・ラと書いてるかの様に自分をアピールしているキングマニュラ

3人の視界にあの大きな顔が飛び込んできた。



 「ひえぇぇぇぇぇぇ〜」


 「ぶしょぉぉぉぉ!!!」



アッシュ達の耳で爆発を起こす。 耳を塞いでみても状況は変わらない。



 「うるせーなー!!!」


 「ふしゅ…しゅ…しゅ…しゅ……」


 「は、 吐きそうだ……」


 「ア、 アッシュ! 我慢して!」

 

 「だめだ…き…もちわる…い…」


 「わわかった!! わかったから向こうで吐いて〜」



なにやらマニュラの様子がおかしい。 一向に攻撃してこない。



 「しゅ……しゅ…しゅ…しゅ…」

 

 「な、 何かカウントを数えてるみたいだぞ…

 へへっ、 もうダウンってか? (うん? カウント……?)」



突然キングマニュラをスキャンし始めた。



 「(魔力があの声とシンクロして体の中心に集まっていってる! 

 ……やばくねぇか? これ…って…)」


 「おえぇぇぇ!」



ティナがアッシュの背中を擦るその後ろを

ディックが砂ぼこりを散らしながらダッシュで横切って行った。



 「お、 おいっ! 逃げるぞー!! そいつは自爆するー!!!」


 「えぇっ!? じばくー!?」



3人は必死で出口を目指す。

そして物凄い地響きと爆音が洞窟中に響く爆風に背中を押され、出口へと飛ばされる。

洞窟は岩となり岩は石となって崩れていく。 さらにもう一波の爆風が3人を襲う。

そしt地面に叩きつけられた、 あまりにも強い力で叩きつけられた為、 呼吸し辛くなる。



 「た…たす…かっ…たのか……ぐぐっ……ディック! ティナ!」

 

 「…ってぇー」

 

 「か……間一髪だったわね…」


 「…自爆したのか?」



アッシュは立ち上がり辺りを見回した。



 「ど、 洞窟が崩れている……」

 

 「すんげー爆発だったからなーあの化け物マニュラめ!

 死ぬんなら自分1人で死にやがれってんだ!」


 「結局そうなっちゃったけど……」



2人は無意識の内にアッシュを眺めていた。



 「ん、 なんだ? どうかしたのか?」


 「え? え、 い、 いや〜べ別になな何も!」

 

 「ん〜!!?」

 

 「なな、 な、 なんだよ!? ティ、 ティナ〜?」



ティナは一足先に逃げていた。


 

 「(なに〜!!!! あ、 あいつ〜自分だけ先に逃げやがったな〜!!

 後で覚えてやがれよ〜、 ティナ〜!!!)」


 「なーに1人でぶつぶつ言ってんだよ」


 「い、 いや〜、 おっ!!!!

 ほ、ほら!あそこ見えるだろ!? あれが目的地だ!」



アッシュは渋々ディックの指差す方を見てみた。 


 「……あれか?」


 「そ、 そうだ! 俺達のハウス…… ディルウィンクエイスだ!!」



 「ディル…ウィンク…エイス……」



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