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ETERNAL SAGA  作者: 紫音
29/73

episode 28 新たな作戦開始

お待たせしました〜f^_^;

episode 28です。

気づけば何だかんだでエターナルも

1年になりましたぁ♪

ご愛読されている方…

ほんとうに感謝感謝ですm(__)m

エターナルはまだまだ続くので

粗末なものですがこれからもよろしくお願いします★

−ディルウィンクエイス−

セントラルエリア




突然光の渦が出現すると中から現れたのはクレイド達だった。

続いてマシーナのエレメンツ達が次々に出て来る。

最後のエイディアが出終えると光の渦は小さくなり消えた。



 「…これがディルウィンクエイス…ですか」



エイディア、 ロンそしてマシーナエレメンツ達は予想を遥かに超えていた状況に言葉が出てこなかった。

所々の地面はえぐれ、 360度見渡せるぐらい建物は崩れていた。

その光景に開いた口が塞がらない者も少なくはなかった。

そんな者達に向かってロンはディルウィンクエイスの被害状況の調査と復興の指示を飛ばす。



 「クレイド、 マーディン様の元へ向かいましょう」


 「案内します」



セントラルエリアから他エリアへと行く時は必ず固定式ワープドアをくぐらなければならない。

それはディルウィンクエイスはいくもの巨大な島で成り立っている為だ。

ほとんどのエリアが崩壊し、 現時点ではここ中央区セントラルエリアと居住区を繋ぐワープドアしか作動していない。



 「ジェノ、 リルティ」



クレイドが声をかけた時2人は今まさにワープドアをくぐるところだった。

クレイドに呼び止められ振り返る2人。



 「あ〜っ!!

 もークレイドさんどこ行っちゃってたんですかぁ!

 ディックさん達に知らせてなかったでしょ〜、 あたし怒られたんですからねぇ!」


 「すまん」


 「すまんって…それだけですかぁ!?

 …もぉ〜」


 「マシーナに援助を求めにミダルヴァまで行って来たのでな…。

 リルティ、 本当にすまなかった」


 「…マシーナ?」


 「マシーナとはミダルヴァにあるエレメンツハウスですよリルティさん」



クレイドの後ろからゆっくりとリルティに歩み寄るエイディア。

手首のブレスレットに思わず目がいってしまう。




 「(す…すごい数…)

 えっと…その人は誰ですかぁ?」


 「…この方は我がマシーナのマスター・エイディア様だ。

 言葉遣いには気をつけろ」


 「!? す、 すいませんでしたぁ〜!!!

 あたしあの…知らなくて…その…本当にすいません!!」



何度も何度も激しく頭を下げるリルティの姿は少し受けを狙っている様にも見えた。

しかしこれでも彼女は本気なのである。

そんな彼女の肩にスッと手を置くエイディアはもういいですよ、 と笑みを浮かべる。



 「今、 マスターの元へ行くところなんだが…お前達も一緒に来てくれないか?

 これからの事も決めねばならんのでな」


 「わかりました」


 「…それでディック達はどうした?

 一緒じゃないみたいだが…」


 「それが…アッシュの居場所がわかって…」


アッシュを追って行ったディック達の話をしている途中にマシーナエレメンツの1人がロンの名前を連呼しながら駆け寄ってきた。



 「ロ、 ロンさんっ!!

レグ部隊から通信オーブが届いたんですが

状況はかなり悪いみたいです!」



マシーナエレメンツ達を押しのけバリオンへ急接近しているグランベルクのエレメンツ部隊。

作戦失敗の報告を受けたロンは…



「(今のマシーナはマスターもいない言わばもぬけの殻も同じ…残った者達では無理だ。

しかしこれ以上グランベルクを近づけるわけにもいかん…)」



悩んでみてはみるもののこのままグランベルクを無視する訳にもいかないと思ったロンは…



「サングラに次の様に通信オーブを飛ばせ。  帰還した者と残った者を率いてミダルヴァ全域に警戒線を張るんだ。

 いいか、 候補生達も動ける者は全部だ」


「…ロンさん、 サングラ隊長は…帰還していません…話によると自らを犠牲にして……」


「!? ……そうか…」



ロンは躊躇いながらもある決意を固めるとエイディアに報告する。



「マスター、 レグ部隊の作戦は失敗した様です。

今新たに指示を出しましたが…マシーナへ戻してもらってもいいですか?」


「…そうですね。

でも貴方1人で大丈夫ですか?

相手はレヴィナードとアストルーラの巨大勢力ハウスですよ?

私も…」


「貴方は今ディルウィンクエイスに必要です。

それに私1人じゃありません。

まだハウスには数十名待機していますので何とかしてみます」


「そうですか…わかりました。

くれぐれも無茶はしないで下さいね…。

もう誰1人として失いたくありません…」



エイディアはそう言いながらワープドアを作り上げる。



「わかっています」



そして軽く頭を下げると光の渦へと歩み寄る。

そこへクレイドが一言告げにロンの肩を叩いた。



「…死ぬなよ」


「わかっている…エイディア様を頼む…」



肩から手を引くとクレイドは光へ消えるロンを見送る。

渦に吸い込まれていったロンはその光と共に消えた。



「さぁクレイド、 行きましょうか」



クレイドはジェノ、 リルティそしてエイディアと共にマーディンの元へと向かう。

固定式ワープドアをくぐり、 居住区へとやって来た4人はそのまま医療施設へ。



 「あれからずっと変わらずマスターは眠ったままです…」


 「そうか…」


 「アッシュの野郎…!

 元に戻ったらぜってぇ殴ってやる…」


 「あのマーディン様が…

 今でも信じられませんね…」



部屋の扉を開けて中へ入った。

カプセルの様な物の中に眠っているマーディンの姿を確認するとエイディアはスキャンを始めた。

エメラルド色の瞳はどこか悲しげだった。



 「魔力は平均値保ってますし…

 身体的にも特に問題は無いですね……」


 「じゃあどうしてなんでしょうか…」


 「やはりアッシュの事を気にされておられるのではないかと思います。

 精神的な回復を待つしかないでしょう…」



エメラルドの瞳は元の栗色に戻った。

エイディアはマーディンの側へ寄り、 マーディンの手を両手で優しく包んだ。

そして耳元で静かに伝えた。



 「マーディン様…少しお休みになられて下さい。

 後は私に任せて…貴方には遠く及びませんが貴方は働き過ぎなので…ふふ」



目を閉じて深呼吸をすると柔らかい表情をキリッと引き締めたエイディアはクレイド達に話し始めた。



 「クレイド、 そしてジェノにリルティ。

 帝国のエレメンツ部隊が今こちらへと向かって来ています。

 皆さん察しはついてるかと思いますが、 狙いはアッシュです。

 マシーナの精鋭レグ部隊は全力で足止めに向かったも結果失敗…。

 ロンが今ミダルヴァへ戻りバリオンへの進入を阻止すべく一役買ってくれています」


 「あたし達にできる事はありませんか?」


 「一刻も早くアッシュを見つける事が先決です。

 恐らくマシーナだけでは突破されるのは時間の問題…グランベルクより先にアッシュを見つけ出し元に戻す手段を探さなくてはなりません」


 「ではディック達の後を…」


 「今貴方がここを離れたら指揮をする者がいなくなります。

 貴方はここで突破された時の最終防衛ラインとしていて下さい」


 「わかりました」


 「リルティとジェノ、 貴方達2人はある物を持って来て欲しいのです。

 場所はわかっているのでワープドアで送ります」


 「ある物って何すか?」


 「月尾草つきびそうと言ってキルキアの北の山に生えている三日月の様な形をしている草です。

 行けばきっとすぐにわかると思います」


 「キルキア…ですかぁ…」


 「あの…戻る時はどうすればいいんすか?」


 「通信オーブを送れば私がワープドアで迎えに行きます。

 その山には狂暴な魔物がいるかもしれないのでくれぐれも気をつけて下さい」


 「わかりました」


 「2人共気をつけてな。

 時間は余り無いが焦らず慎重にだぞ」


 「了解です。 すぐに戻って来ますよ」



エイディアはワープドアを作り上げると2人を送った。



 「さぁ、 貴方も準備があるでしょ。

 ここのマシーナの者にも伝えておくので」


 「わかりました。 

 マスター、 ありがとうございます」



礼を済ませるとクレイドは部屋から出て行った。



 「ありがとうございます…か…」



ほんのりと苦笑いを見せるとエイディアも部屋を後にした。






そしてディック達は…






ディルウィンクエイスから少し北にある森の中で魔物達と戦闘中だった。

最後の一匹を倒し終え一息つくディック。



 「ピガァ…ア…」


 「ふう…ったくこのキラースパイダーっつう虫野郎はどんだけいるんだぁ?」


 「これで20ぐらい?」


 「もうそんなやったのか…。

 おいティナ、 その湖はまだ着かないのかぁ?」


 「ていうか、 さっきから私達同じ所をぐるぐる周ってる気しない?」


 「そんなやる気無くす様な事言うなって…

 森ん中だからそう感じるんだろうよ」


 「アッシュはこの森の北東に向かってたらしいから間違ってないならもうそろそろ着いてもおかしくないんだけど…」



2人は再び歩き始めた。

薄暗い森の中を暗視化したスキャンで迷わない様に慎重に歩を進める。

しかしそれでも周りは同じ様な景色が続いており、 スキャンの有無に問わず混乱してしまう。



 「おい…またあの野郎の反応だ…」


 「はぁ。 また…?」


 「だがこっちには気付いてねぇみてぇだぞ」


 「もう戦ってられない…避けて行くわよ」


 「待てって! この先なんだろ?」


 「はぁ……。 無理なのね…」






−キルキア−




バリオン国から遥か北西に

位置する国キルキア。

年中雪と氷に覆われた極寒の国である。

この地には【キルア公国】という

小さな国家だけがあるだけで

ハウスも存在せずもちろんエレメンツも存在しない。

争いが少ない平和主義国家である。



 「さ、 さささ…さむ…むいぃ…」


 「おい…マシーナのマスターが

言ってた山ってあれか…?」


 「うそぉ!? あの山ぁ!?

 ちょ、 ちちょっと、 ととおいよぉ…」


 「てっきりすぐ目の前に送ってもらえると思ってたけどな…」


 「あ、 ああたあたし…ししも

 そ、 そう思ってた…うぅ〜さむぅ」



小さく纏まりながら遥か遠くにそびえ立つ山を見つめるリルティ。

足踏みしながら寒さに堪える彼女を見て

ジェノは溜め息混じりにこう言った。



 「ばかが…、 魔力使え」


 「へ…? あ! あそっかぁ!!

 ん〜、 …ほっっ!!」



リルティは魔力で熱を作り出し暖を取る。

この様に魔力は戦闘に限らず日常のこんな時にも重宝する。



 「でさ、 どうやって行く?

 飛んで行っても何日もかかるよ?

 てか魔力持たない、、、」


 「そうだな…」



ジェノはスキャンを広範囲に広げた。

すると幾つかの反応を捉えた。



 「おい…こっから少し行ったとこに数十の反応があるぞ…村か…?」


 「ん〜? ちょっと見てみよーか?」



心遠眼で反応がある辺りを調べると

ジェノの言った通り小さな村を発見したが

人の姿は無かった。

家屋の中にいるのだろうか…。



 「誰も外にいない…。

 なんでだろ…まだお昼なのに」


 「誰もってとこが気になるな…」


 「まっ、 行けばわかるでしょ」



2人はとりあえずその村を目指す事にした。



 「面倒だから飛んで行こっ☆

 開け! 我が魔力の扉!!


 クイックフェザー!」



光の翼を羽ばたかせながら村へと向かって飛ぶジェノとリルティ。

その飛行中にリルティに向かって叫んだ。



 「おいリル! 

 コントロールぐらい自分でやる!!」


 「え? あ〜はいはい。

 ……はいっと、 もいいよ☆」


 「よし…じゃちゃんと付いて来いよ」



と言い残した直後に行ってしまったジェノ。



 「ち、 ちょっと!?

 お、 置いて行かないでよ〜

 そんな飛ばさなくてもさぁ…」






−とある孤島−






そこにはシキ、 ロゼにリーベルトがいた。

シキは通信オーブを使い部下らしき者とコンタクトをとっている。



 「いいか、 一日で合流しろ。

 わかったらさっさと飛ばして来い」



通信を終えるとシキは不機嫌さをあらわにしながらロゼとリーベルトにあたる。



 「全く…無駄な事させおって…。

 これで一日無駄にしたではないか!!」


 「だから要請しなくても大丈夫だって言ったじゃないのさ」


 「俺達がいれば問題ない。

 そもそもこの俺1人でもやれる任務だ」


 「確かに貴様の力は認めるがな

 相手はマーディンがいるディルウィンクエイスなんだぞ!?

 慎重に事を運ばなければ痛い目に合う事を少しは知るんだな!」


 「まぁまぁシキ、 いいじゃないかー

 新たに兵を呼んだんだろ?」


 「計画が一日遅れるんだぞ!?

 この様な事あってはならん事だ! 断じてなっ!!」


 「…とりあえず待つならレグを戻すぞ」


 「ふんっ」



リーベルトは自分のレグを光に変え

自身の中へと閉まった。



 「さぁ暇が出来たところでリーベルト

 相手してやるよ。 かかってきな」



するといきなり2人は戦い始めた。

それもお互いが全力に近い飛ばし方でぶつかっている。

殺意が目で確認できる程の威圧感。



 「貴様らの頭には戦いしかないのか!?

 本気で狂ってるな」


 「熱心と言って欲しいものだね。

 シキも参加してもいいからいつでも来なよ」


2人の戦いを背に歩いて行くシキ。

少し離れた所まで来ると腰を降ろして

どうでもいい戦いを見物する。



 「貴様らみたいに後先考えずに戦闘などできん…」






−キルキア−

とある村にて






クイックフェザーを用いて村へと向かっていた

ジェノとリルティは既に入り口付近まで到着していた。

空から村の様子を探ってみるが

やはり誰1人として確認できなかった。



 「なぁ…、 何か変じゃねぇか?」


 「うん…人の反応あるのにね…」


 「よし……降りるぞ」



2人は周りを警戒しながら降り立った。

足が地面に着くと背中に生えた光の翼は

根元から光の粒となって消えていく。

目の前には村の門があるが誰もいないせいなのか

入るなと拒否されている様な感覚を覚える。

ジェノを先頭にその門を通り村の中へ

入って行った。

2人は村に入ってすぐに異変を感じ取る。

それは最初に宿屋が見えた時だった。



 「おい…、 凍ってるぞ…」


 「ほ、 ほんとだ……」



宿屋全体が凍っていたのだ。

他の民家や教会も同じ状態だった。

テーブルや柱、 果物や衣類まで全て氷付けになっていた。

窓から中を覗いてみたリルティはさらに驚愕する。



 「うそ…人まで凍っちゃってる…」


 「…く、 だめだ開かねぇ…」


 「ねぇ、 これ明らかにおかしいよね…」


 「あぁ…普通じゃねぇ…」



2人はそのまま村の中央へと進む。

雪を踏む音しか聞こえて来ない静寂な村に

少し怖くなったのかリルティの表情が縮こまっている。



 「ざっと見る限りどこも同じ状況だな」


 「ね、 ねぇ…なんかさぁ…

 不気味じゃない…?」


 「……ん?」


 「あ、 あれぇ、、、?

 なんか寒くなってきた…気のせいだよね?

 へへへ、 静か過ぎるからそう思うのかな…」


 「ちょっと黙ってろ……なんか…

 聞こえねぇか…?」


 「………ん〜何も聞こえない」



ジェノの聴覚は確かに音を捉えていた。

しかし余りにも小さな為に本当に

聞こえているのか疑ってしまう程の

爪の先で少し触れたかの様な

そんな感覚の音だった。



 「いや、 確かに聞こえる…」


 「…どこから聞こえて来るの?」



意識を集中して音がする方角を探る。

移動しながら音の強弱を見極め

徐々に近づいて行く2人。



 「あっちからだ…」


 「ほんとさ、 

 よくそんな音聞こえるよね〜

 さすがはじごくみみぃ〜なんちって」


 「黙れって! 見失うだろうが!」



ジェノが進む後ろを付いて行くと

次第にリルティにもその音が微かに

聞こえ始める。

ジェノはある民家の前で足を止めた。



 「これ…オルゴールだね」


 「…どうやらこん中からみてぇだな」



ジェノが聞こえていた音とは

オルゴールの音だった。

どこか寂し気な悲しみを帯びたメロディー。



 「なんかさ…

 悲しい感じのメロディーだね…

 まるで泣いてるみたい……」


 「どうにかして中に入れねぇか…?」



そう言いながら扉のノブに手をかけると…



 「!? おい、 中入れるぞ」



2人はその民家へと足を踏み入れた。

中に入ると他の民家とは違う事に気が付いた。

この家だけ凍っていなかったのである。

問題の音は2階から聞こえて来る様だ。



 「誰もいねぇな…」


 「このオルゴールがそうみたい…」



タンスの上に置かれた木製の高級感あるオルゴール。

箱の蓋を開けると鳴る仕組みになっている様だ。

リルティはオルゴールのそばにあった一枚の紙切れを見つける。

丁寧に2つに折ってあった事から手紙の様だ。



―ニーナちゃんへ



このまえはごめんね


にぃなちゃんとなかなおりがしたいです


これねせれいんのほこらでみつけたんだ。


にぃなちゃんにあげるから


きげんなおしてね


ぼくがせれいんのほこらにいったのは


だれにもないしょだからね


         あんでぃより―




 「だって。

 アンディって子があげたみたいだねこれ」


 「そのガキが言う祠って何の事だ?」


 「せ…れ…い…セレインの祠って

 書いてあるけど……

 そんな祠この村で見た?」


 「いや……村の外かもな…」



そう言いながらタンスにあった

オルゴールにジェノが手を触れた時だった。

突然電流の様な痺れが走った。



 「!? 痛ってぇ…な、 何だ?」


 「大丈夫ジェノ! どうしたの!?」


 「触ったらビリビリきたぞ…」


 「ジェノの…このオルゴール…

 なんか変…だよ」


 「ばかが、 普通じゃねぇ事ぐらい

 わかんだよ」


 「ねぇこれ見て…」



オルゴールと言えばネジを巻いて鳴るもの。

しかしこのオルゴールにはそのネジがどこにも見当たらない。

オルゴールは不思議な事に止まる事無く

メロディーを奏で続けていた。



「とりあえずさ、 そのセレインの祠に

 行ってみない?」


 「てーか何処にあんだよ、 そのセレインの祠ってのは」


 「村をもっかい探してみようよ。

 何か見つかるかもしれないし…」



2人は民家を出て再び村の中央へ向かった。



 「面倒だ。 手分して探すぞ」


 「そだね! 何かわかったら言うから」



リルティはクイックフェザーで

空へと飛び上がり村全体を探り出した。

そしてジェノは入れる家がないか

家屋という家屋を片っ端から当たってみる。

ワープドアでこの地にやって来てから5時間が経とうとしていた。






−ミダルヴァ−

ザハン周辺空域






空には幾つものレグがグランベルク襲撃に備えていた。

帰還したロンのレグを囲って他のレグが円を作っている。

ロンはその作られた円の中をぐるぐると回りながら皆に言葉を送る。



 「いいか敵は強豪グランベルク帝国だ。

 全力で立ち向かえ」


 『はいっ!!』


 「作戦などはないが…

 我々は勝利する為に戦うのではなく

 あくまで時間稼ぎの為に戦う。

 足止め程度で構わん」


 『了解!』


 「何度も言うが命の危険を感じたら

 退却しろ。 これは私の…いや…

 マスター・エイディア様の言葉として

 受け取れ。 わかったな?」


 『はいっ!!!』


 「優秀なエレメンツがこのマシーナに

 いた事を誇りに思う。 配置に付け」



ロンが最後の言葉を言うとマシーナのレグ部隊は一斉に散って行った。



 「さぁ、 いつでも来い…。

 今度はそう簡単には…いかんぞ」



強く握った拳に死んで行った者達を

思い浮かべながらグランベルクが

やって来るであろう空を眺めていた。


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