神城戸ライフ02
能力系統の話になるはずです!!
「あ、ちょっと!?」
十愛の朝ご飯食べてます。
エアコンから、心地よい冷風も吹き、私の気分は最高_____の、はずだった。
「あ、コレおいひい…あ、僕のも用意してんの?」
「ちょっと」
もぐもぐと、私の朝食を食べだした奴がここにいる。
ちょっと低い背に、横にあるみつあみが特徴の男子だ。
「みーくん酷いなぁ、ちゃんとみーくんの分もあるよ?」
「あー、架奈梨だしいいと思ってな」
「よくない!!せっかく十愛が作ってくれたのに!」
…私の朝食を横取りしたやつの正体は 柚原 実斗だ。
「みとっくん、私の朝食かえせーーーっ!!!!」
「うるせぇよ架奈梨…」
さらに出てきたのは、背の高い、細い男子。
髪はボサボサ[人間なのかよコイツレベルにやばい]ジャージを着てるし、間違えなく私の声に叩き起こされたのだろう。
「俺は今日学校サボるつもりだったのに…」
「知ることか。留年するんじゃないの」
「恐ろしいこと言うなよな…」
まぁ、そんな奴の名は、祈理 シュン(いのり しゅん)。
バカの中のバカだ。
だって、コイツの成績学年最下位だもん。
「あのなぁ、俺だってそれなりにやってるし、理科はお前に勝てる気がするんだけどなぁー」
「私、平均99点設定。お前は?」
「設定ってなんだよ!!成績に設定なんてあるかバカ!!」
「あるんだよ!!!」
無駄な言い争い。
周りにいるみんなはにこにことそれを眺めている。
「あ、たむちゃんいたの」
次は、なんか、影が薄いやつがここに来ていた。
影が薄く、小さい女々しいやつだと私は、思っている。
「あのさぁ、傷つくよ?」
「ごめん、僕も気がつかなかった」
「あ、私もー」
…………どうやら皆、気が付かなかったらしい。
「あ、出席日数不足で高校留年しかけたところを、成績で誤魔化したやつがきたぞー」
「シュン、酷くね!?お前、成績も出席日数も…あ、ちょやめよう!?」
シュンが彼に拳を振り落とそうとすると、彼は話すのをやめ、制止にかかる。
彼の名前は、楽村 誠吾。愛称はどこから来たのか、たむちゃんだ。
二人が揃ったとたんに、ここにいる、十愛、みとっくん、シュン、たむちゃん、私は煩くなる。
うん、煩すぎ。
「前方1mにご注意を☆」
私は、まだ、身に付いてばかりの“力”を使おうとする。
「え、あ、まさか…」
「か、かな…り…?」
「それ、家で使わないで!?」
「いや、それ、使い慣れてないだろ!?」
皆の制止が入るけど、聞く気はない。
指先に力を込める。
「アァーーーーーテンションプリィイーーーーーーーズ!!!」
アテンションプリーズは、ご注意くださいと言う意味がある。
皆、注意しろと言う意味も込めて、この魔法の呪文のようなものをつけた。
別に、人が死んだりする訳じゃないけど、まぁね。
指先から大量の光と星のようなものを“撃った”。
光線とでもいうのか、言わないのか。
「死ぬ死ぬ死ぬ、死ぬって!!」
彼らは、皆、安い死亡フラグのようなセリフを口にする。
________否、一名以外は。
「ブリザァァアアーーーード!!」
私の目の前に氷の壁が出来る。
「十愛!?」
「す、救われた…」
「否、さ、寒いから!?十愛人のこと言えないし!!」
「ん?何かいった?」
「ナンデモアリマセン…」
十愛が黒く笑えば、私は、硬直してしまった。
あんまりイライラしたもので、本気で撃とうとしてしまった。
「しかも、あんたどこ目がげて撃ったのよ…」
「え?シュン達三人…」
「この、氷の壁が撃たれてるとこ見て?左斜め上」
私の前にある氷の壁の左斜め上だけ凹んでいた。
私目の前を狙ったけどな…。
「コントロール出来てないでしょ!?家では使わないで!」
「う、うぃーっす」
「お前はいつも、やりすぎなんだよなぁ…僕もだけどさぁ」
「みとっくんの絵が実体化するやつすごいけど、馬が暴走したりするから怖いよ」
「魔法みたいだよな、今界の使えるやつ」
「魔法…ねぇ…」
「んー、これは、“力”じゃない?前界での特徴やら特技を生かした…」
「あー、みとっくんは、絵が得意だし、十愛は雪女…あぁああっ、ごめんなさいナンデモアリマセン」
「架奈梨は、ずっと星パーカー着てたし、なんかいっつも突っ走ってたからね」
そうだけどさぁ…。
うん、十愛の制止なんて聞かずに何でも後先考えずに、行動してたっけ。
バビューンって感じなのが、あの光線?みたいなのに繋がってるのかも。
「たむちゃん、一言余計ーっ!」
「たむちゃんって呼ばないで!?」
魔法のような、魔法じゃないただの能力。
それは、この世界特有のもの。
前界、今界…は、今度、分かりやすい説明をする場所があってから、説明をしよう。
前界は、前の世界。
今界は、今の世界。
_______今の私達には、それしか分かっていない。
「…そういえば架奈梨。最近何か見えた?ちょっと先の未来」
能力の話を始めたとたん、十愛がこの事を言い出す。
私のもうひとつの、昔からの、前界から持ち合わせている“力”。
___最近は、その存在を忘れていた。
あえて言うなら、未来なんて見えても見えなくてもいいのだから。
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