神城戸ライフ01
透明な空と聞いて、普通はどういう空を想像するだろうか。
私の場合は、透き通るような、絵では下記表せないような、綺麗な水色の、淡々と少しずつ雲がある、そんな空を思い浮かべる。
「今日も、また君と」
* * *
「架奈梨~!!!かーなーりー!!起きてるんでしょ!?!?早く降りてきて!!!」
部屋の外から、可愛らしい女子の声がする。
迷惑だけど、コイツが起こしにこないなら私は寝てるはずだ。
…ただいま、午前6時30分。
普通の人なら起きているであろう時刻なのかもしれない。
私の部屋の外から私を起こしに来たであろう人物の声がする。
うるさいなぁ…
私は、朝は嫌いだ。眠いから。
大体、朝から学校があることが可笑しいんだ。私達の睡眠妨害だとも言えると思う。
とりあえず、返事をしてみた。
まぁ、いつも通りの会話が始まるとも言える。
「はぁああああっ!?!?もう、今日は休む~!!」
「何いってるの!?」
「先生にはよろしくいっといて~!」
「い、や!!」
「はぁ…分かったよ。十愛がチューしてハグしてレズ行為を一緒にしてくれるなら行くよ…」
「誰がやるかアホ!!エロゲーのやりすぎだ!!」
「……エロゲーなんぞ誰がやるか!!」
なんで私の周りってこんなのばかりなの~?と、情けないような声が外から聞こえた。
…いや、エロゲーをやることはあるけど!!やりすぎってレベルではないと思う。
最近は、夜中までのネットがマイブームだ。主に朝の4時くらいまでしてきる。
おかげで、私にはクマができている。
「架奈梨!!!」
ダァンっと、大きい音と共にドアが勢いよく開かれる。
……………我が親友、葵寺 十愛が勢いよくドアを開けて入ってきた。
腰よりも少し下の方にある長い髪を翻しながら、私のもとへと歩みよってくる。
いいにおいするなぁ。
でもでも、絶対布団剥がされる。
「こんなに暖かいのに、このよさが十愛にはわかんないの!?」
「わかるけど!!今日学校ってわかってるでしょ!?遅刻するよ!?」
「…でもさぁ面倒だし…」
私は、子供のようにぐずぐずし始めた。
もう、これしか手段がないと私の脳内が私の体に伝えている。
「…あーあ、せっかく架奈梨だけのために、朝御飯作ったのになー残念だなー」
十愛がわざとらしく言ってくる。
「!!行く!!」
でも、その言葉に反応してしまう私がいる。
…十愛め、卑怯だぞ。
別に私は、ご飯が好きな訳じゃない。
私だけのために作られたというご飯に反応したのだ。
「じゃあ、行こう?」
「うん、行く」
さて今日も、私、神城戸 架奈梨の1日が始まるのだ。
…………外には、私の好きな透明の空が広がっていた。
綺麗な夏空だと言うことを私は、忘れることはないだろうし、忘れない。