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第1話

新連載の第1章、その第1話とややこしくなってしまっていますが、長い目で見てやってください。

「あっついなぁ…」

 この上ないと言えるほど暑い日が続いている。

 ここ一週間ほどで気温は過去最高を記録したのではないのか、というほどで、太陽は容赦なく照りつけている。

 このままでは人間が照り焼きになるのも時間の問題かもしれない、と本気で考えてしまう。

 夏本番にはまだ少し早いくらいのこの時期に暑さはピーク目前、セミは盛大に鳴いている。

そんなクソ暑い中、角谷拓深すみや・たくみは芝生の上に大の字に寝ていた。もちろん直射日光の当たらない木陰でだ。

 木の葉が何重にもかさなった間から漏れる光にときおり目を細める。

 期末試験も終わり、終業式前の試験休みだというのに彼は学校の芝の上で寝そべっているのだ。

「ったく、葛西のやついつまで待たせるつもりだよ…」

 拓深は一人、つぶやく。

 彼がここにいる理由、それは同級生である葛西かさいが校内に忘れ物をしたとかで、偶然にもコンビニに行こうとしていた拓深がつかまり、連れて来られてしまったのだった。

 まったく、今日は不運この上ない日に違いない、と拓深は思う。

 葛西が行ってから早十五分が過ぎようとしている。

 木陰に横になっていても額にしっとりと汗が出始めるのがわかる。

 じ〜わじ〜わじ〜わ…

 あげくの果てに頭の上…ちょうどそこには桜の木がある…でセミが鳴き始めた。

「サイアク…」

 舌打ちをすると、寝転がっていた体勢から起き上がる。

 セミが頭の上にいては落ち着いて寝られもしない。

 拓深がいるのは校内でも高い位置にある場所だ。そもそも彼の通う学宮学園は国内でも一、二を争うほど広大な敷地を持っているのだ。

 高台となっているこの場所は拓深のお気に入りスポットである。

 昼休みにはよくここに来てパンを食べたりした。

「しかし……遅いな」

 さすがにしびれを切らした拓深はそろそろこちらから乗り込んでやろうかと足を進めた。

 その瞬間……


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