表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

4話 出航前夜

 同年3月22日 呉基地


 「発 防衛省海軍作戦本部 宛 第4艦隊第4潜水隊 SS601 あらしお

   明朝0900をもって横須賀基地に移動せよ」

 

 今朝、届いた移動命令を見つめるあらしお艦長 中村 忠二等海佐がいた。



「横須賀か・・・何年振りだろうか?」


防衛大学校卒業後配属されそれからしばらく後に舞鶴に移動してその後現在にいたる。


そんな男の思い出に浸っている横でこの男が指揮する潜水艦の準備が着々と出航準備が整えられていく。




横須賀へ向けての出航準備中をしている最中にもこの男はどこかのんびりしている。



「艦長がそんなのでは先が思いやられます」

副官の(もり) 真介(しんすけ)がそう言うがこの男はそんな部下の

言葉を聞いているのか聞いていないのか・・・そんな上官を見ながらも


「我々がなぜ横須賀まで出ないといけないのですかね・・・横須賀の潜水隊は何をやっているんだか」


と愚痴をこぼす部下に振り向き一言。


「いいじゃないか指名出撃だぞ 代々武家の家系の方はうれしくないのか?」


「それは、嫌味ですか? そうと決まったわけでもないのに・・・もしかしたらただ扱いやすい駒なのかもしれませんよ 艦長はいろいろな意味で有名ですからね・・・」


「?  何の話だ?」


「有名ですよ。有名大学を中退してから防大に入りそこで除籍(・・)されてもおかしくないようなことをやっているのになぜか卒業できた人間っていう肩書が」


「あのことか、懐かしいなだがあれは後に違っていたためと言うことが分かったから卒業できたんだ」


と話している男の後ろから肩をたたかれる。

振り向くとそこには35歳ぐらいの色黒の短髪の男が立っており胸の階級章は三佐を表している。


「久しぶりだな、忠。最後にあったのは、6~7年前だったかな?」


「そのくらいだな、最後に会った時には一尉だったのにな」


「2年前に昇進したよ。今では編隊長を務めているよ」


2人の会話に入り切れていない副官が


「艦長。そちらの方は?」


副官の疑問に答えたのは艦長...ではなく


「失礼。私は、第一艦隊第1空母航空団21攻撃隊の真田(さなだ)正俊(まさとし)三佐だ」


「失礼いたしました 第4艦隊第4潜水隊あらしお副長 森 真介一尉であります」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ