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 学術都市に辿り着いた俺は、まずは宿に数日籠もり図面を引き、都市大学を訪れた。大学では特許的なものが取れるからだ。流派を広めたいのに特許とは何故かというと、大国がパチモン亜流を元祖だ本家だと偽装かましてきやがるのを警戒してのことだ。実際こんな環境でも人類の争いはあり、ポーションの抽出様式で大きな利権闘争があったのは数年前なのを俺は覚えている。そんな連中に御留流だからだのとウソついてギャンギャン吠えられたくない。


 バカどもに俺の安泰な生活計画を邪魔されたくないので、まずは特許出願だ。


 「ハンググライダー、ですね」

 「はい。世界同時公益公開でお願いします」

 「……公益公開されますと利潤は発生致しません。本当によろしいですか」

 「はい」

 「ではサインと魔力登録を」


 受付で求められるまま、俺はサインし水晶玉に魔力を流した。


 この世界、何が問題といって原作と最大の違いは人が飛ばない事だ。


 飛空艇みたいなのはある。だがそれはエンジンがデカく、小回りが効かない大型帆船にプロペラつけた系のやつだ。高位貴族の移動用で、飛竜なんかは火の玉とか飛ばす系魔法使いが砲台になり追っ払っている。


 だがゲームではおてがる武空◯なノリで人が飛んでいたのだ。プレイヤーはそれで小型モンスターの大群を上から安全に斬り伏せ、爆殺し、大型や飛竜に首おいてけしていたのだ。


 ゲームなら飛竜のしっぽビンタできりもみ落ちしても「もう助からないゾ♥」とかフレにチャットとばす余裕があった。ニュービーが慣れないうちに怪獣型の口元に突っ込んでヒートブレスされても「上手に焼けましたー」とかふざけてられた。


 だが、今のここはネット小説によくある『リスポンなしネットなし、ひとつの命で過度のレベリングは実際狂人』みたいな「現実寄り」世界なので、どうしても飛行使いが育たなかったのだと思われる。


 類稀なセンスと頭のおかしさで一部に飛行技術使いはいるようだが、それはかなり属人的なもののようだった。魔力をブワッと出して飛び上がり、降りるときはふんわりくるんと着地するんだ!みたいなノリらしい。骨折どころかたまに廃人か死ぬ事故があるとか。


 ハンググライダーと俺のマニュアルとで、せめて死なないで高さ1mは滑空させるぞ。

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