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【第十八章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第十五章

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正しい出入り口を探せ4

「あっ、あれ階段じゃないですか?」


「えっ、どこどこ?」


 リンデランが森の木々の中に隠れるようにして存在していた階段のことを見つけた。

 魔力感知なしのジケは普通に見逃してしまっていたものだった。


 階段の壁に絡みつくツタを切り裂いて状態を確かめる。

 魔力感知でも奥を見通せない。


 出入り口で間違いなさそうだった。


「よく見つけたな」


「一褒めですね!」


「ん……まあそうかな?」


 リンデランはエニとミュコに視線を送るとニンマリと笑う。

 ジケにはリンデランの顔が見えておらず、なぜエニとミュコがちょっと悔しそうなのか分かっていない。


「とりあえずここから出てみよう」


 もしかしたらまた違う場所に出てくる可能性もあるが調査しないことには何もいえない。


「ダンジョンから出てくると暗いな」


 出入り口は坑道の中に繋がっていた。

 明かりがなければ真っ暗な坑道の中は出てくるたびに暗いと思ってしまう。


「ここは……」


「もう場所が分かったんですか?」


 ビリードはランプをつけて周りのことを見回している。

 何か思い当たることでもありそうで、もう場所が分かったのだろうかとジケも坑道の中を見る。


「場所こそ分かりませんが、新しい崩落に近い場所かもしれません」


「そうなんですか?」


 周りを見ても特に道標となるようなものもない。

 一つ前の出入り口と何が違うのか正直分からない。


「見てください。壁や天井が綺麗に整備されているでしょう?」


「確かに……」


「旧坑道の方は好き勝手に掘ったのでガタガタしているところも多い。加えて一定間隔で崩落防止の支えもあります」


 よく見ると壁や天井は綺麗に四角く整理されている。

 さらには壁と天井に木の柱や梁が渡してあって簡単には崩れないように支えがしてある。


 どこかは分からないけれど新しく掘り進めている坑道の方に近い場所であることは間違いないだろうとビリードは考えていた。


「それになんだかちょっと暑いね……」


「そういえば」


 ミュコがパタパタと顔を手であおぐ。

 言われてみれば坑道の中の気温が高いような気もした。


「つまり温泉噴き出してる崩落に近いってことか?」


「その可能性が高いな」


 少し要素が揃ってきた。

 また分岐などを気にして内部部と見比べながら道を進んでいく。


「ん?」


 坑道の中は魔力感知解禁なのでジケは先の方を警戒していた。

 何かが地面に倒れているのがジケには見えた。


「崩落……それにミノタウロスだ」


「またか?」


「……うん。ただ警戒しなくてもいい。ミノタウロスは死んでる」


 まだ真っ直ぐ進むことはできるけれどジケが見たミノタウロスの確認を先に行う。


「これって……」


 行ってみるとジケの言う通りミノタウロスが倒れていた。


「確かにこれなら死んでるな」


 死んでいると早めに断言できたのには理由がある。


「崩落に巻き込まれたみたいですね」


「確かにこれだと無事じゃいられないね」


 なぜならミノタウロスは体の半分しか見えていなかったからである。

 その理由はミノタウロスの半身が崩落の下敷きになっていたからだった。


「なんというか……哀れだな」


 しかもミノタウロスは上半身が崩落に巻き込まれて潰れていた。

 いかに丈夫なミノタウロスとはいえ上半身が重たい土砂に潰されて抜け出せない。


 下手すればそのまま即死であっただろう。


「ここが崩落現場だとしたら……ここかここかだな」


 内部図を見ながらビリードとコワクナが現在地を予測する。


「ならこちらに行って……」


「ここから回れますね」


「崩落の向こう側に行けそうです!」

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