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【第十八章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第十五章

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正しい出入り口を探せ2

「後悔……謝罪……当時の思いが書かれていますね」


 崩落という事故を起こしてしまったことに対して非常に後悔しているような内容が続いていた。


「……どうしてこんなところに」


 古い崩落の方はいまだに放置されている。

 当時巻き込まれた人たちは助け出されていないので死体があってもおかしくはない。


 ただダンジョンから反対側に抜けたのではなかったのかとジケは疑問に思った。

 

「おそらくここはダンジョンで封鎖された場所の反対側ではないですね」


 悩んだように内部図を見ていたビリードが重々しく口を開いた。


「この崩落跡……新しいものには見えません。サードリカの死体があることも合わせて旧崩落跡地の近くに出てきたのだと思います」


「ええっ!?」


「……ここから新しい崩落のところへは行けるのですか?」


「ここが俺の予想通りの場所なら……かなり難しいかと」


 ビリードとしては現在地の予想もなんとなくだができていた。

 ここからアルケアンのところにも行ける可能性はあるが旧崩落の状況によってはいけない可能性もある。


 さらには現在地から向かおうと思うとかなり遠いのである。


「だとしたら別の出入り口があるかもな」


「どいうことですか?」


「ここからアルケアンさんのところまで遠いならきっとミノタウロスも行けやしないさ。ミノタウロスが崩落の原因としていたってことは向こう側に出られるような出入り口があってもおかしくない」


 何も出入り口が一つ二つだとは限らない。

 他にも出入り口が存在している可能性は十分にあった。


「確かにジケの言うことも一理あるな。ここに来たのはハズレの出入り口だったのかもしれないな」


「広そうなダンジョンですからあながち間違いでもないかもしれません」


「戻って別の出入り口がないか探してみよう」


 新しい崩壊側に出られるようなところがあるかもしれない。

 ということでジケたちは再びダンジョンの中に戻る。


 ダンジョンの中なのだけど外風のダンジョンなので坑道の中より少し落ち着く感じがある。


「ちなみにミノタウロスの肉は美味しいらしいですよ」


「そうなの?」


 あっちこっち行くと迷子になるかもしれない。

 一度最初の出入り口に戻ってそこから別の方向に歩き出した。


 五感を生かして先に見つけ出したミノタウロスをジケとニノサンで奇襲してささっと倒した。

 ニノサンも相変わらずの腕前である。


 出会った頃は敵同士だったのにいつの間にか頼もしい騎士なのだから人生何があるかわからない。

 ニノサン情報によるとミノタウロスの肉は人でも食べられるらしい。


「結構固めらしいですけど足は絶品だとか。よく叩いたりして柔らかくするといいそうです」


「それどこ情報?」


「船に乗ってる時に聞いたんです」


「船で?」


 ニノサンは反乱の時にジケに川に落とされてから商船に拾われてしばらく船生活だった。


「船の上では魚ばかりだったのでみんな肉が恋しくなるんです。そうなると肉話に花が咲きます」


「なるほどね……」


「試してみますか?」


「うーん今はいいかな」


 美味いなら食べてみたいなという気持ちがないわけではない。

 だけど今はミノタウロス肉に舌鼓を打っている場合でもない。


 仮にアルケアンたちを助けてダンジョンがまだあれば少し考えてみよう。


「ジケ、もう一体来るよ!」


 やはりミュコの耳は良く、他の人よりも早く音でミノタウロスの接近を察知する。

 ジケたちは身を隠すようにして次のミノタウロスに備える。


「ん、今度のは武器持ってるな」


 現れたミノタウロスは大きな両刃のバトルアックスを手に持っていた。

 これまでのミノタウロスは全て素手だったので武器分厄介度が増している。

 

 ミノタウロスがどこからそんなものを手に入れたのかなんて考えてしまったけどここはダンジョンだ。

 生まれた時から武器を持っているのだろう。


 なんでミノタウロスにバトルアックスなのかという疑問はあるけれど剣なんかより似合っている感じはある。


「リアーネ、先頭頼めるか?」


「任せとけ」


「みんなもそろそろ立ち回りわかってきたと思う。各々で動いていこう」


 戦うたびに一々攻撃の順番決めてとかやっていたら面倒だ。

 なんとなく互いの動きも分かってきたしある程度自由に動いてみることにした。


 とりあえず今回は対応力もあるリアーネに前に出てもらうことにする。


「今回は私が魔法使ってもいい?」


 ガッとエニがジケの肩を掴んだ。

 流石にここでも待機を言い渡されると拗ねてしまう。


「……いいんじゃないか? 多少コントロールはしろよ?」


「もっちろん!」


 今は草地でなく森の中になっていた。

 もちろん火がつく可能性はあるけれどかなりしけった森の中なのである程度までなら大丈夫だろう。


 ようやく出番だとエニも笑顔を浮かべる。

 気づいていない相手には魔法で一発決めるのが分かりやすくやりやすい。


「いけー!」


 エニが大きな火の玉を放った。

 ここまで我慢してきた分も含めて結構な火力である。


「倒せんじゃないか?」


 あれならそのままミノタウロス丸焦げになるのではとライナスが目を細める。

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