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【第十八章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第十二章

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手伝います!2

 ジケに攻撃されてミュコの回転が止まってしまった。

 こうなると普通の切り合いになってミュコは焦った顔でジケの攻撃を防ぐことになる。


「ほい!」


 双剣使いとしてはまだまだ未熟なミュコはもちろんジケに勝てるはずがない。

 ミュコの頭ギリギリのところでジケが剣を止めた。


「負けだぁー!」


「ミュコちゃんすごいです!」


 汗だくのミュコが体を投げ出して床に倒れる。

 リンデランはミュコの思わぬ善戦に興奮していた。


 ジケがすごいだけでミュコも十分に強い。


「へへ、そう?」


 褒められて悪い気はしない。

 負けた気分は吹き飛んで床に倒れたままミュコはニコニコとしている。


「ジケも強かったよ」


「ありがと、エニ」


 ジケは木剣を壁に立てかけるとエニから水を受け取る。


「ジケ君もさすがです! 強かったです!」


「ふふ、ありがと」


 キラキラした目で素直に褒められるとジケも嬉しい。


「カッコよかったですよ」


「う、うん、ありがとう」


 リンデランは照れ臭そうに頬を赤らめた。

 ちょっと頬を赤らめてそんな風に言われるとドキッとしてしまう。


「わぷっ!」


「汗拭かないと風邪ひくよ」


 エニが乱雑にジケの顔にタオルを押し当てる。

 さすがヘギウスはタオルもいい素材で押し当てられてもふかふかとしている。


「自分で拭けるよ」


「いいの」


 エニはゴシゴシとジケの顔を拭う。


「一度休憩にしようか」


 戦いの時はいつ来るか分からない。

 あまり体を追い込みすぎても動けなくなってしまうので程々で切り上げる。


「とりあえずリンデランも手伝うんだな?」


「はい、そうです!」


 甘いものでもどうですかとダスーミャがお菓子を持ってきてくれたので食べながら休憩にした。

 魔獣にもと砂糖を使っていないヘルシーお菓子も作ってくれたようでフィオスなんかも出してお菓子を食べている。


「本当は一緒に行きたかったんですけど……」


 ジケがシルウォーのところに向かうと聞いたリンデランは一緒に行きたいと考えていた。

 しかしパージヴェルの方の許可がなかなか下りなかったのだ。


 結局リンディアの口添えとヘレンゼールの手が空くまで待つようにと言われてこのタイミングになった。

 ということでヘレンゼールも一緒に来ていた。


 出来る男はパージヴェルの信頼も厚い。


「今回はリンデランの方が魔法は扱いやすいかもな」


 シルウォーの繭は燃えやすい。

 火を得意とするエニよりも氷を得意とするリンデランの方が魔法を使う上で心配することが少なくていい。


「むむ、私だって魔法ちゃんとコントロールできるもん」


「それは分かってるよ」


 ただそんなにコントロールしなくていい分リンデランの方が今回の場面では適しているだろうという話なだけである。


「でもおじい様も少しは私のことを認めてくれるようになりました」


 これまでだったら危険が大きいかもしれないと分かっていてリンデランをこんなところに送り出しただろうか。

 パージヴェルは過保護なところがあるのでおそらくジケがいることも加えて許可することはなかった。


 けれど今回はリンディアの手助けやヘレンゼールの護衛がありつつもパージヴェルは最終的に許してくれた。

 リンデランもしっかりとして戦える強い子になってきたのだと認めてくれつつあったのだ。


 ジケのことをお手伝いできるということも嬉しいのだけどそうしたところもまた嬉しかった。


「まあリンデランやヘレンゼールさんがいてくれると心強いよ」


 いまだに時々考える。

 過去においてリンデランが生きていたらこの国でも有名な魔法使いになっていたことだろうと。


 いつもは穏やかで温かみのあるリンデランだけど戦いの時に使う魔法はとても冷たく鋭いものである。

 味方であるととても頼もしい。


「頑張りますね!」


「頼りにしてるよ」


 10回目のシルウォーも繭を作っている。

 魔物が襲ってくるならもうそろそろ。


 穏やかな雰囲気とは裏腹に緊張感は高まっていたのであった。

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