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【第十八章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第八章

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一生のアニキ2

「私はどうしたら……」


「呪いの専門家について連絡を取ってみますがかけた本人がよく分かっていない呪いというものが1番厄介なものです。

 ……覚悟はしておいた方がいいかもしれません」


「そんな!」


 呪いは難しい。

 使う人も少ないので研究をしている人も対応できる人も少ない。


 その上代償を払ってまで使う力ということで強力で解くのも簡単なものではない。

 1番簡単で確実な方法は術者本人が解呪することなのだけど今回に関しては魔道具を利用していて、使ったのも製作者ですらない。


 本人に解呪させる方法が使えない。

 場合によっては呪いが解けない、呪いの後遺症が残るといったことも考えられた。


「我々の力不足で……申し訳ありません」


「そんなこと、ありません……」


 神官長であるアルファサスまで出てきて手を抜いただなんてこともないだろう。

 大神殿の方でも呪いの専門家に連絡を取ったり調べたりしてくれるのなら任せるしかない。


「ジ君も申し訳ありません。

 せっかくエさんを説得してくださったのになんのお力にもなれず……」


「いいんです。

 アルファサスさんの責任じゃないですよ。


 それに、俺は諦めてませんから」


 ーーーーー


「ソコ!」


「ああ、なんでこんなことに……」


 ソコも一応帰ってきた。

 無事と言えるかどうかは不明だがひとまずは取り戻せたのだ。


 ソコは大神殿で身柄を拘束されていた。

 呪いの影響も分からない。


 暴れ出したり自分を傷つけることだってありうる。

 何が起きてもソコを守ってやれるように大神殿内部に留め置かれた。


 しかしやはり何をするか分からないので腕は拘束されていた。

 不思議なことに食事をしたり睡眠を取ったりと日常に必要なことはちゃんと行っていた。


 ソコとイスコが脅されて連れて行かれてから長い時間が経っている。

 両親も心配しているだろうし隠し通しておくこともできず、ソコの両親に連絡を取って大神殿まで来てもらった。


 両親を見ても反応のないソコの状態や何があったかをイスコは包み隠さず説明して謝罪した。

 何度も自分を責めるような発言をしていたがソコの父親のドコもイスコの責任でないと責めなかった。


「お久しぶりです、ドコさん」


「久しぶりだね……

 ソコはよく君の話をしていた。


 こんな形で再開するなんて皮肉なものだ」


「思いもしない形でした」


 ベッドに腰掛けて虚に床を眺めるソコに付き添うドコをジは訪ねた。

 ジが殴った跡は綺麗さっぱり治っているがソコの洗脳だけはどうしても解けない。


 大神殿でも魔道具の調査や呪いの専門家にコンタクトを図っているが今のところ良い結果に繋がりそうな気配はない。

 だけどジは解呪する手立てがあると考えていた。


 しかしながらその方法が確実なものなのか確証がない。

 ソコにどんな影響を及ぼすのか分からない。


 勝手に解呪を試みてソコに中があっては両親に顔向けもできなくなる。

 だから2人が来るのをジは待っていたのである。


「実はソコの呪いを解くことができるかもしれません」


「それは本当なのか?」


「ただ確実なことは言えません。

 本当に解呪できるか、ソコは無事なのか……やったことがないので」


 自信満々に治せますと言いたい。

 けれど呪いを解くなんてジもやったことがない。


 成功を保証できるほどの確証がなかった。


「お2人で相談してみて……」


「やろう」


 とてもじゃないがすぐに決められることではないだろう。

 そう思っていたのだけど想像よりもはるかに早く答えが返ってきた。


 ドコとソコの母親は見つめ合うとうなずきあった。

 言葉も交わしていないがジに任せてみようとお互いの意思が合致していた。


 ソコが良くジについて口にしていた。

 短い間の出来事だったがソコにとっては大きな出来事で、離れたところに住むジは大切な友人でありヒーローだった。


 呪いの専門家が捕まったとして呪いが解けるかも分からない。

 出来ないと言われる可能性だって大きいのである。


 それならジに任せてもいいかもしれない。

 ドコだってジに助けられた。


 不可能を可能にするような、諦めない目をしているこの少年ならばソコを助けてくれるはずだと思ったのだ。

 仮に失敗してもジであるならばソコもきっと納得してくれる。


「君だから。

 本気でソコのことを助けようとしてくれていることが分かるから」


 イスコから事の経緯は聞いていた。

 ジに助けを求めて、ジはソコを助けるために力を尽くしてくれた。


「この子を助けられるのは君しかいないのかもしれない」


「……ありがとうございます」


「この子を、ソコを助けてやってくれ」


「任せてください」


 ーーーーー


 1度家に帰ったジはすぐさま自分の部屋に保管していた箱を持って大神殿に戻ってきた。


「なんだか良くない魔力を感じる箱ですねぇ」


 万が一を考えて大神殿の広めの部屋を借りて、念のためにアルファサスにもお手伝いいただく。


「まあ、魔力は良くないかもしれませんがある男の人生が詰まった箱ですよ。

 えっと……あれはどこかな」


 ゴソゴソとはこの中を漁って目的のものを探す。

 アルファサスが覗き込んでみるとゴチャっと色々なものが入っている。

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