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【第十八章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第八章

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トリ頭とは言わせない1

「いいか、私の言うことに従うんだぞ!」


「分かってるよ、リアーネ」


「はっはっはっー!


 お姉さんにまっかせなさい!」


 やたらと張り切ってテンションの高いリアーネを先頭にして森の中を進む。

 正確には森だったところで今は立ち枯れた木々が並んでいる枯れた森である。


 ジは今パムパムのためにダンジョン探しに繰り出していた。

 本日の同行者はリアーネとユディット、そしてパムパムである。


 目的はダンジョン探しでありダンジョンの攻略をするわけじゃないからメンバーをガチガチに固める必要もない。

 ダンジョン攻略する時にはもうちょっと人を増やすつもりである。


 なんか知らないけどまた何かしてそうってエに詰められてダンジョン攻略するかもって漏らしてしまったので多分エも誘わないと怒られる。

 リンデランもダンジョン攻略することは知っているのでちゃんと聞いておかないときっと怒られる。


 なぜこんな目に?

 よくよく考えるとおかしな気がするけど女の子って分からないとジは思った。


 とりあえず今回はそのダンジョンを探すためにまずパムパムと別れたところを探しにきたのだ。

 最後に見逃してやった場所からパムパムはどこか巣を探したはず。


 だからそこを起点にしてパムパムに案内してもらおうと思った。

 リアーネのテンションが高い理由は今1番ベテランなのはリアーネだからである。


 なんだかんだと冒険者として活躍していたリアーネだがグルゼイには経験値で勝てない。

 しかしジの周りにいるほとんどの人と比べると実戦的な経験においてリアーネはお姉さんである。


 ただしそれを活かす機会がなかった。

 でも今いるメンバーはジとリアーネとユディットとパムパム。


 リーダーはジであるがやはり経験者としてリアーネが先頭に立つのは当然で頼られてる感じが嬉しいのである。


「ここら辺……だったかな?」


 そもそも森の中も似たような感じで正確にパムパムと会った場所に来るのも難しい。

 それなのにさらには虫のモンスターパニックによってだいぶ様変わりしてしまっているのでさらに難易度が増している。


 でも地面に草が生えてきているのを見ると大地の生命力だけは感じられる。

 ひとまずここら辺だろうというところから始める。


 どうせいくら探しても正確な場所は分からない。


「んじゃパムパム頼むよ」


「コケィ」


 すごくどうでもいいけどパムパムはリアーネの手の甲にもキスもどきをした。

 本当に何なんだと思うがここまで徹底していると逆に受け入れられるものである。


 正確な場所も分からないけれどあの時と大体の時間は合わせてある。

 空を見て日の方向を確認したパムパムは目を閉じて当時のことを思い出す。


 トリ頭なんて記憶力の悪いことを揶揄したりするけどパムパムは特殊な個体なので記憶力もいい。

 ヒによると都合の悪いことは忘れたフリするらしいけど。


 カッと目を開いたパムパムが歩き出すのでついていく。

 本当に日の方角だけで探せるかは疑問であるが今はパムパムの記憶を頼りにするしかない。


 時折日の位置を確認しながらパムパムは進む。

 やがて森を抜ける。


 生え始めたばかりの草で緑色の平原を進む。


「本当に見つけられるんですかね?」


 平原を走って襲いかかってきたウルフドッグという魔物の血を払いながらユディットが若干不安そうな顔をしている。

 ユディットもこれぐらいの魔物であるなら何の問題もなく相手できる。


 パムパムも蹴りでウルフドッグに対抗していた。

 魔力を使った戦いは契約者に反動が来るけれど魔力を使わない純粋な魔獣の身体能力で戦うならヒにも負担はない。


 ダメージを受けたらヒにも負担はあるけどウルフドッグ相手にパムパムは華麗に戦っていた。

 前に戦った時より少し強くなったのではないかと思う。


「どーだろうね?


 見つけられればいいけど」


 見つけられなかった時のことも考えてはある。

 だけどリスクもあるのでこのまま見つけられるのがベストである。


 依然としてパムパムを先頭にして平原を歩いていると日が落ちてきた。

 そこでパムパムの動きも止まった。


 どうやら過去のパムパムたちも日が落ちてきたのでここで留まったようだった。

 なので一度帰ることにした。


 地面に適当に浅く穴を掘ってここまで進んだ印を残しておいた。

 そうして数日をかけてパムパム頼りで道なき道を進んでいく。


 しょうがない話であるのだけど安住の地を探してパムパムたちはあっち行ったりこっち行ったりとしていた。

 日の位置から進んだ方向を思い出してくれているパムパムは偉いしすごいのだけどフラフラ行ったり来たりするのは精神的にも大変だ。


「おっ!


 ちょっと雰囲気変わったな」


 パムパムたちも必死に旅を続けていたのだなと苦労を感じていた。

 でも虫の大量発生は起きていたのでご飯には困らなかったのかもしれない。


 歩いていると周りの状況が変化してきた。

 これまで虫に食い尽くされてようやく草が生えてきたような感じであった。


 対して今ジたちが歩いているところは普通に草が生えている。

 背は低いがそれは元々そうした長さの草なのであって生えてきたばかりではなかった。

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