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【第十九章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第七章

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初めての海水浴5

 そんなことしても一時的なものでしかないことは分かっている。

 ジがしてあげられることにも限りがある。


 大切なのはソコ自身が自分の足で立とうとすること。

 そしてそのために世の中には助けてくれようとする人もいるのだと分かってもらいたい。


「俺、今日が海初めてなんだ。


 泳いだりしてみたけどイマイチ遊び方も分からなくてさ。


 教えてくれないか?」


 ジはソコの手を取って砂浜に出ていく。


「今日はソコが俺の海遊びの先生で、友達だ」


 下を見て、悪に染まればキリがない。

 人はどこまでも落ちていってその先にあるのは破滅と悲しい結末だ。


 まだソコは引き返せる。


「どうして……」


「俺は貧民なんだ」


「えっ?」


「親もいなくて、俺も悪いことしそうになったことがあるけど……人生必死になれば何とか出来るんだ。


 そして俺は色んな人に助けられたから俺も誰かを助けられるようになりたいんだ」


「貧困……」


 ウソだろとソコは思ったがジが貧民であるとウソをつく理由がない。


「まあとりあえず遊ぼう。


 教えてくれよ。

 海の遊びってやつ」


「……分かった」


 なんだかよく分からないけどジに悪意は感じない。

 手が切られそうなところを助けてくれた。


 細かいことを考えてもソコはそんなに賢い方じゃないからひとまずジの言う通りにしてみようと思った。


「……全くもって不思議な子ね」


 どうしたらいいか分からなかったみんなもジの呼びかけに応じて遊び始めた。

 サーシャはお酒のコップを傾けながら状況を楽しく見守っていた。


「あなたはステキな子を弟子にしているわ」


 子供のようで子供でない。

 大人のようで大人でない。


 子供のような純粋さのようなものをチラリと見せることがあるけれど子供というにはあまりにも大人びた行動をする。

 大人のような考えで動いたりもするけれど大人のように打算だけで動いたりもしない。


 時に達観したような目をしているがそれなのに海を見て嬉しそうにしたりもしている。

 チグハグなんだけどチグハグさもまた愛おしく感じさせる。


 まるで何も知らない子供の部分と諦念すら感じさせる大人の部分を持ち合わせているよう。


「俺にもあいつが分からない時がある」


 グルゼイは笑う。

 思えば貧民の子供が見知らぬ相手を訪ねて弟子入りしたいなどとのたまって、その上手土産に珍しい酒を持ってくるなんておかしな話だ。


 側で見ていてもジの行動は常軌を逸している。

 時に自分の命すら投げ得るのは大人でさえ簡単なことじゃない。


 でも悪い子じゃない。

 常に努力を重ねて希望を持ち、周りに光を与えてくれている。


 変な子だ。

 けれども良い子だからたくさんある変なところなんてどうでもいいとグルゼイは考える。


 そしてジと関わるとみんなが前を向き、これまでから考えられないような道を歩み出す。


「あの悪ガキも変われるかもな……」


 ソコはあっという間にみんなに馴染んで、今はジを頭だけ出して砂に埋めていた。

 フィオスごと埋められて股間部分がもっこりしてしまっていて下品だとみんなで大笑いしている。


「さあね、それはあの子次第でしょ」


「ジ君がここまでやって変わらないのならその程度の子だったということですよ」


 子供たちはジを慕っている。

 けれど大人たちも何をするのか分からないジに心惹かれているのかもしれない。

お知らせ


第一章の2回目の出会いの後、第7部分に『夜、光り輝く君を見て』を追加しました。


ちょっとした夜のお話です。

少しずつでも前半部にスライム成分を増やしたいのでこうした改稿加筆が今後もあるかもしれません。


よければお読みくださいな。

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