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【第十九章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第六章

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リアーネからの救援要請5

 村まで送り届けてもらって宿を取る。

 ちなみに村にあるお宿の人が遠くからジたちが襲われているのを見て通報してくれたらしい。


 宿屋に対するお礼なら宿に泊まることが一番の礼である。

 なのでその宿に泊まることにしたのだけど宿そのものは安く取ることができた。


 なぜならこの先が通行止めになっているので人が来ないしここまで来た人も引き返してしまう。

 だから部屋は空いていて、簡単に泊まることができた。


 しかし安い分食事だけは自分で用意してくれなんて言われてしまった。

 幸い食料はあるのでそうすることにした。


 そして今度はこの辺りの警備を担当している騎士の駐屯地に向かう。

 このまま道の先に進んでも止められて終わり。


 だからどうにかならないか聞きにいく。

 会話通りに先に報告を上げておいてくれるらしいので希望はある。


「やあやあ、よく来ました。


 落ち着いたところではありませんがおかけください」


 村からほど近い開けたところにテントが立ち並んでいる。

 フィオス商会の者ですと伝えると普通に通してくれ、中でも大きなテントに案内された。


 中には大柄の鎧の男性騎士。


「この部隊の隊長を任されておりますジダンです。


 かのご高名なフィオス商会の商会長殿にお会いできて光栄です」


 ややイカつい顔をしているがニコニコとしているので人のいいおじさんに見えて威圧感はない。


「そんな、俺なんてまだまだです」


「いえいえ、ずっとお礼が言いたいと思っていたんです」


「お礼ですか?」


「ついこの間フィオス商会の馬車が出来上がって私のところにも届きました」


 そういえば騎士たちがそんな話していた。


「そうなんですか」


「はい。


 騎士の給与では高い買い物でしたがその価値はありました。


 馬車は母への贈り物だったんです」


「お母様への」


「母は腰が悪くて最近はめっきり外出する機会が減りました。


 長くは歩けず馬車でどこか行こうにも腰に響く。

 そこで出たのがフィオス商会の揺れない馬車です。


 周りに購入したものもいたので試しに乗せてもらったのですがこれならと思いました」


「……隊長が笑ってんぜ」


「鉄面が?


 ……マジじゃねえか」


「明日は雪が降るかもな」


 普段人とはあまり会わない隊長が人と会っているということでこっそりとテントの中を覗き込む騎士たち。

 そこにいるのはニコニコとしている隊長のジダン。


 これまであんな顔を見たことがない騎士たちは驚いていた。


「まさしく望んでいたものでした。


 馬車のおかげで母の腰にも響かず遠出ができるようになり、塞ぎ込んでいたのがウソのように今までのように明るく快活な母に戻りました。


 本当にありがとうございます!」


「いやいや、そんな頭を下げることじゃないですって!」


 バッと立ち上がって頭を下げるジダン。

 こんな風に感謝されるものでもないとジは慌てる。


「優れた商品は人を幸せにするのですね。


 本当なら誰が通りたいと言っても受け付けないのですが今回は特別にご配慮したいと思います」


「はは……ありがとうございます」


 お金を稼ぐためにやったことだけどまさかこんな形で返ってくるとは思いもしなかった。

 体の普通の人でも揺れる馬車は辛いこともある。


 体の悪い人だと余計に辛いこともある。

 町中も全てが綺麗に整備されているものでもないので揺れてしまうことだって多く、特に腰が悪いと座っているのも楽じゃない。


 体の悪い人にとっても良いものであると今初めて知った。


「ただ普通にお通しはできません。


 通行止め区域となっている向こう側に報告などのために人を送るのですがその時にご一緒に向かうことにいたしましょう。


 今すぐというわけにはいきませんがそれでも構いませんか?」


「もちろんです。


 こちらとしても大助かりです」


「そうですか、お力になれたなら幸いです。


 定期連絡は明日の予定なので明日の朝こちらの方までご足労願います」


「分かりました。


 よろしくお願いします」


 ここで足止めかと思ったら思いの外あっさりと問題解決した。


「よかったですね、会長」


「そうだな。


 真面目にいい商品売ってきてよかったと思ったよ」


「ただ通行止めになるなんて……なんか心配ですね」


 交通を止めると色んなところに問題が出る。

 王国に対して不満も出るだろうにこうした手段を取るということは余程のことだ。


「まあでも兵士や騎士が出動してるなら俺たちが心配することもないだろうな」


「そうですよね〜」


「危なかったら全力で逃走だぞ」


「了解です!」


 そのまま宿に戻って休む。

 いいお宿のいい部屋をお手頃価格で取ることができたので結構快適に寝ることができた。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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