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【第十八章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第六章

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甘えるのもワガママも5

「あれ、ほんとだ」


 次の挨拶、そこにいたのはユダリカだった。

 隣には高身長の男性。


「あれはカルヴァン・オズドゥードルですね」


「……北方大公か」


「そうです。


 北の蛮族からこの国を守る四大貴族の1人ですね」


 ロイヤルガードにも劣らない武勇を誇り、国を脅かす北の蛮族から国を守りし偉大なる貴族。

 オズドゥードル大公爵家は長年に渡り北側を守ってきた家門である。


 その功績に加えて何世代も前を辿ると王族の血も少し入っているらしく大公爵の爵位を与えられている。

 そしてカルヴァンはユダリカの父親である。


 目つきが鋭く険しい顔をしていて子供が見たら泣き出してしまいそう。

 あれをかなり柔らかくしたらユダリカにも似ているかもしれない。


 ユダリカはともかくカルヴァンはなぜここにいるのか疑問に思う。

 北側の貴族はあまり他者との交流が盛んではない。


 寒い地域なので外に出るのが億劫だったり物価が高めで人を呼ぶにもお金がかかることもあって、たとえ招待を断っても北の貴族だからで済ませられる文化にすらなっている。

 特に北方大公は常に蛮族に備えている都合もあって滅多に他所に足を運ばない。


 それなのに四大貴族のではあるがその孫娘の誕生日パーティーに顔を出すなんて。

 注目を掻っ攫っていってくれたのでジとしてはありがたいがどうにも釈然としない。


 カルヴァンも挨拶を終えてユダリカと共に下がる。

 四大貴族が終われば後は付き合いの長いものとか曖昧で差がなくなる。


 ワッと挨拶に貴族たちが向かう。


「失礼……フィオス商会の商会長様でいらっしゃいますね」


「ええ、そうです」


「私、ブリジオ・クリッカトレイと申します。


 ドレ商会の副会長をしております」


「ああ……ドレ商会のですか。


 これはどうもご丁寧にありがとうございます」


 ドレ商会はフィオス商会でも取引がある商会だった。

 ヘギウス商会の仲介で馬車に使う木材をおろしてもらっている。


 商会長には一度会ったが副会長にはまだあったことはなかった。

 優秀な右腕がいると聞いていたがいかにも商人な冷静そうな人だ。


 人当たりは商会長の方が良く見えた。

 だが商人として良い取引はできそうである。


「こちら私の娘のヘンバーです」


「ヘンバー・クリッカトレイです。


 かのご高名なフィオス商会の会長様にお会いできて光栄です」


 ブリジオは柔らかな茶色の髪をしているがそれと同じ茶色の髪を一つに束ねた少女。

 父親の特徴を引き継いだキリリとして綺麗な方の顔立ちをしていてその瞳からは強い意志を感じる。


「ヘンバー……」


「何か?」


「あっ、いえ、ええとフィオス商会の商会長を勤めさせておりますジです。


 よろしくお願いします」


 ヘンバーという名前に何となく聞き覚えがある。

 どこで聞いたかは思い出せないけど無い名前ではないのでどこかで聞いたのだろう。


「聞くところによると商会長様はまだどなたとも親しいご関係ではない……とお聞きしております」


「……まだ事業も軌道に乗り始めたばかりですしそのようなことを考えるのは早いと思っております」


「ですが良い縁があればとはお考えでしょう。


 どのような人にとっても縁は大事ですからね。


 特に商人にとっては」


「そうですが……」


 ジにもブリジオが何を言いたいのかは分かっている。

 けれどヘンバーの顔を見るとヘンバーはそれが望むところではないようでスッゴイイヤそうな顔をしている。


 気づいていないのはブリジオだけである。

 自分を押し殺して相手に取り入ろうとするご令嬢よりはよほど好感は持てるけどね。


「おっと?


 こちらの子らは?」


 ムッとした顔してタとケがジの前に出る。


「すいません、うちの子です。


 おろ?

 どうした、2人とも」


 ポンと頭に手を乗せるとタとケがジに抱きついてヘンバーを睨みつける。


「ははは、商会長様はおモテになられるようですね」


 少し話を急ぎすぎたかとブリジオは反省する。

 ただ少なくとも女性に興味がありそうな人であることは分かった。


「まあウチの娘は贔屓目抜きにしても顔は良いのですが友達が少なくて……


 よければそちらの双子さんも仲良くしてやってください」


「余計なお世話です」


「……どうですか、ウチの娘?」


「ハハハ……とりあえず剣を嗜んでいるようですしそこには興味ありますね」


「……ッ!」


 ハッとしたヘンバーが手をサッと隠す。

 チラリと見えた手にタコが見えた。


 あれは剣を練習している時に出来るものだとジは気がついた。

 柔らかな女性の手には珍しい。


「いや、お転婆な娘で……」


「いいじゃないですか。


 自分で目標を持ってやっている。

 見て分かるほどに真面目に取り組んでいるなら素晴らしいことです」


「そう言っていただけると」


「俺は別に貴族でも何でもないですからね」


「その、剣を振り回す女の子ってどうですか?」


 少し恥ずかしそうにヘンバーがジを見つめる。


「さっきも言ったが真面目にやってるなら良いんじゃないですかね?」


 ウルシュナしかりリアーネしかり、戦う女性もジの周りにはいる。

 過去では戦争で人手が減ると戦う女性も台頭してきて本気で剣に取り組む女性もバカにできなくなる。


 ロイヤルガードにだって女性もいる。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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ロイヤルガード、インペリアルガードって響きが好き
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