表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第十八章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

311/1259

マザーズダンスレッスン1

 貴族として当然の習い事といえばなんだろうか。

 礼儀作法やマナーなどのお勉強もそうだけど大体みんな一度は通る道とある習い事はダンスである。


 実際に踊る機会を数えるとそんなもの多くはないのだけどなぜかダンスはほとんど必須のようなもので、踊れなければ壁の花でも演じるしかない。

 ダンスといっても自分1人で踊るものじゃなくパートナーと共に踊るものが貴族のダンスの一般的なもの。


 貴族のパーティーにでも出ない限り縁があるものじゃなく、ジにとっては過去を含めて全く関係のない話であった。


「それではやりましょうか」


「はい……お母さん……」


 しかし今回の生では貴族と関わることもある。

 特に商会の都合上貴族にも商品を販売するので踊る機会がないとは言い切れない。


 いつかそんな教養も必要になるかもしれないとは思っていたけれど思ったよりも早く必要になった。

 ジはオロネア邸にてオロネアと向かい合う。


 格好は用意されていた動きやすい服を身につけてなぜなのか髪までセットされている。

 

「手を取って……そう。


 ふふふっ、努力する男の子の手ね」


 まだ若いのにジの手は固い。

 毎日剣を振るので豆ができて潰れたりして固くなるのだ。


 今ジがやっているのはダンスレッスン。

 オロネアが取ってくれるリズムに乗ってジとオロネアは動き出す。


 オロネアは滑らかに踊っているのに対してジの動きはぎこちなく踊っているというよりもダンスの動きをなぞっているだけである。


「あぅ、ごめんなさい!」


「いいのよ。


 年の功でこうした時のために先に鉄の板を忍ばせた靴を履いているわ」


「……それでもレディーの足は踏まないように気をつけないとですね」


「それが先生であり、母である私の役目ですからあまり恐れすぎてもダメですよ」


「分かりました、お母さん」


「ふふふふふっ、役得ね」


 ーーーーー


 こうなったのは数日前のこと。

 食品保存実験のため時折リンデランに来てもらっていた。


 最初は馬車で氷を貰いに行こうと思っていたのだけど直接凍らせたものがあったりもして、リンデランからちゃんとやり始めたことは最後までやりますと時々家に通うことになった。

 多少は長持ちするが冷やしていても数日でダメになったりするものもあって中々実験としては面白かった。


 今日は解凍した食材の具合を確かめるために食べることになって、そこにリンデランも参加することになった。

 食べる側だけでなく、作る側としても。


 タとケが料理をするのだけどリンデランも一緒になって作っている。

 そして魔獣の面白い使い方も見た。


 ファフナも双子のウルウル攻撃に勝てずにこちらの貧民街に移ることになった。

 ファフナの魔獣はファイヤーリザードである。


 背中から火を出すことのできるファイヤーリザードだがファフナはそれをうまく利用していた。

 ファフナも料理を手伝っているのだけど軽い炒め物なんかはファイヤーリザードの背中の炎でやっていたりしていた。


 どうやってあのような場所で足の悪い女性が生き残っていたのか疑問だったけどファイヤーリザードの炎をうまく利用していたみたいだ。

 寒いときには炎を出しておいてくれれば暖房にもなる。


 お金はなくても生活の知恵を活用して生きていたのだ。

 これからタとケも女性になっていったときに男ばかりじゃどうしようもないこともあるので保護者となってくれるファフナが来てくれて助かった。


「少しずつですけどお誕生日パーティーの準備も進んでいるんですよ」


 味見として召集されたジ。

 基本何でもうまいと言って食べるので役に立たないと思うのだけどジがうまいと言うとみんな嬉しそうにして料理をそのまま進める。


 なんだか餌づけされてるみたいだ。


「あむ……うん、うまい!


 貴族のパーティーか……服ぐらいは買っておかなきゃいけないかな」


 冷蔵鶏肉はちょっと危うかったのでしっかり目に焼いて魔獣たちが食べる。

 そこら辺魔獣の腹は丈夫だ。


 冷凍の方はまだまだ大丈夫そうでそちらをいただく。

 食器も渡されていないジはリンデランの差し出した料理を口で受け取るしかない。


 ちょっと照れくさいがお腹も空いていて早めに試食できるのは嬉しい。

 先日話のあったリンデランのお誕生日パーティーはまだもうちょい先になる。


 会場はヘギウス邸だけど招待状を作って送り、返事を待たなきゃいけない都合があるので早め早めに準備をする。

 招待された方も予定の確認やドレスの準備などやるべきことがあるので貴族のパーティーは大変だ。


 ジももう招待状は受け取ってお返事を返してはいないが先に口でお誘いいただいたので行くと言った以上準備せねばと思う。


「それでなんですけど……あの、パーティーの時に2番目に踊ってほしいんです……」


「えっ?」


 予想外のお誘いだった。

 このような催しでは1番初めに踊るのは異性のパートナー。


 まだ未婚の子女であれば大体父親、リンデランは父がいないのでこの場合はパージヴェルになる。

 未婚の場合となると2番目に踊ることにはそれ相応の栄誉がある。


 許嫁なんかがいるならそういった人だし、いないならその場にいる男性からダンスの申し込みがあって女性は気に入った人と踊る。

 つまり何かしら気がある人が2番目になるのだ。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 靴に鉄板って安全靴かな。 鉄板を入れる構造上、見た目が大きくなるからシューズではなくブーツかな? 男性は安全靴履くくらいなら軍靴でいいか。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ