表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第十九章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

298/1286

蹴りも極めりゃ強くなる4

 そんなグルゼイと対等に渡り合うデカキックコッコもなんかカッコよく見えてくる。

 しかし魔物にやられるグルゼイではない。


 段々とデカキックコッコが押され始めて浅く切り傷がつけられ始める。

 痛みを伴えば行動は変わる。


 通常じゃかわせなさそうなグルゼイの攻撃を無理にかわそうとしてデカキックコッコに隙ができる。


「惜しい!」


 頭目がけたグルゼイの突き。

 それはデカキックコッコのくちばしによって防がれた。


「コケェ……(やるな……)」


 大きな蹴りをかわしてグルゼイが距離を取る。

 これまではキックコッコならと森にくる比較的強くない冒険者相手だったデカキックコッコ。


 1発でケリがつく相手とはグルゼイは違っていた。


「チッ……面倒だな」


 グルゼイも内心では驚いていた。

 剣術の腕だけがグルゼイの武器ではない。


 グルゼイの魔獣スティーカーの毒を剣の溝に走らせて相手に毒も与えるのがグルゼイの大きな武器であった。

 浅くつけられた切り傷とはいえ少しずつ毒は入る。


 すでに効いてきてもおかしくはないのにデカキックコッコはピンピンしている。


「師匠の毒が効いてない……」


 時間が経つほど優位になる。

 毒を武器とするグルゼイの戦いはそうなるはずなのにとジも思った。


「毒……?」


「師匠は毒を扱うんだ。


 何回か切り付けてるからキックコッコは毒に冒されてるはずなのに効いてる感じがない」


「…………毒、通じない……」


 キーケックは顎に手を当てて考える。

 毒が通じない特殊個体な可能性もあるし何かの理由があるかもしれない。


 頭の中で魔物に関する本のことを思い出す。


「トリ……もしかしたら」


「何か分かったのか?」


「あのキックコッコは進化してコカトリスに近づいてるかもしれない」


「コカ……?」


「コカトリス。

 強くて、毒も使う魔物。


 トリみたいな見た目もしてる。


 毒を持つ魔物は毒に強いことも多い」


 実際デカキックコッコはキックコッコだ。

 けれど進化したか、進化の過程にあって上位の魔物であるコカトリスに近づいている。


 コカトリスは毒も扱う魔物であるので毒に対する耐性がある。

 デカキックコッコに毒を扱う能力はなさそうだけれど毒に対する耐性は得ているのかもしれないとキーケックは思った。


「コケッコ……コケ、コッ!(心配するな……俺は、負けない!)」


 コケコケと鳴いてデカキックコッコの心配をする取り巻きキックコッコの方を振り返る。

 その優しい眼差しを見て取り巻きキックコッコたちも少し落ち着く。


 なぜなのか、こっちが悪者みたいな感じがする。


「コケコケッコ!(みんなのために俺は負けられない!)」


 デカキックコッコが地面を蹴った。

 翼を羽ばたかせて加速しくちばしを前に出して弾丸のようにグルゼイに突撃する。


 防ぐのは厳しい。

 グルゼイはデカキックコッコの突撃を回避する。


 デカキックコッコは飛び上がって空中でグルリと回転してまたグルゼイに向かう。

 今度は回りながらさらに威力を高める。


「マジであれキックコッコかよ」


 地面を蹴り木を蹴り、翼を使い縦横無尽に跳ね回るようにしてグルゼイに襲いかかる。


「速い……けどかわしてる」


 単純に跳ねるだけでなく翼を使って不規則に変化する軌道にもグルゼイは対応している。

 魔力感知を使って視界から外れても動きを把握している。


 目だけでなく感覚でデカキックコッコを捉えて最小限の動きで回避しているのだ。

 たとえ速い動きで目で捉えられずとも魔力を感知して相手の動きを視ることができる。


「キックコッコの方にも当たらないな……」


 軌道を先読みして剣を振るグルゼイだけどデカキックコッコも空中で素早く動きを変えて剣をかわす。


「コケッー!(グオオッ!)」


 一歩上手なのはグルゼイ。

 1回でダメなら2回先読みすればいい。


 剣を振り、デカキックコッコが軌道を変えた先に膝蹴りを入れる。

 見事に先読みは成功。


 デカキックコッコに膝蹴りが当たる。


「コケッ!(負けるか!)」


「グオッ!」


 蹴られながらもデカキックコッコは反撃を繰り出した。


「師匠!」


「心配するな!」


 肩に当たったが体勢も不安定だったのでダメージは大きくない。

 けれど見てみるとデカキックコッコの方もさほどダメージを受けているようには見えなかった。


 鍛え抜かれた体は蹴りの1発では動じなかった。

 再びグルゼイの剣とデカキックコッコの蹴りの応酬が始まる。


 グルゼイ単体での戦闘力は結構高い。

 過去では貧民街に攻め込んできた敵国の兵士を悉く撫で切りにして貧民街の人切りと呼ばれていたこともあった。


 今じゃそんな姿見る影もないおじさん風になっているが今だって劣らない実力をしている。

 デカキックコッコもスゴいのだ。


 グルゼイの方がやや優勢だが必死に食らいついて蹴りを中心に体全体をうまく使って戦っている。

 取り巻きの声援もデカキックコッコにとって力になっている。


「それに師匠も全力ではないからな」


「えっ?


 本気じゃないのか?」


「本気だけど全力じゃない」


「どういうことだよ?」


「師匠の武器には毒もあるって言ったろ?」


 たとえ耐性があるとしても毒を無効化出来るほどの高い耐性じゃないなら効果はあるのだ。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ