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【第十九章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第五章

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蹴りも極めりゃ強くなる1

 モンスターパニックとは一般的に問題とされる出来事である。

 魔物の種類、多さ、出現場所などによっては国の一大事にもなり得る。


 最近のキックコッコの目撃情報とジたちからもたらされた情報を元にしてモンスターパニックの可能性があると冒険者ギルドは素早く調査した。

 原因は未だ不明だが異常な数のキックコッコが見られてキックコッコのモンスターパニックと認定された。


 けれども悲観的な雰囲気はどこにもなかった。

 だって相手が相手だもの。


 むしろ冒険者たちは盛り上がっていた。

 倒しやすく金にしやすい相手が大量発生したことは喜ばしいニュースだった。


 それでもモンスターパニックなので多く倒せば別に報償金も出る。

 中にはボスを中心としたモンスターパニックもあってそうなるとボスを見つけて倒した人にもさらに報償金がある。


 今回の事態に国の軍隊までは必要なしと判断されて冒険者が中心となってモンスターパニックの対処にあたることになった。

 喜ばしきお祭り、それぐらいが冒険者たちの認識だった。


「ということで俺たちもキックコッコを倒しに行く。


 ただしボスは狙わず他の冒険者が取りこぼしたものを狙って片付けていく。


 目的は肉だ」


 大量発生した以上はキックコッコそのものの買い取り値段が下がってしまうのは仕方がない。

 けれど持ち帰ったキックコッコの肉をタとケに料理してもらったら美味かったので肉として多めに狩っておくのはアリな話だ。


 ついでに他の冒険者との兼ね合いとかそうしたところも学べるかもしれない。

 モンスターパニックとしては最低限の扱い。


 冒険者にモンスターパニックの存在を周知して討伐の数などをメインに報酬を出す方針を打ち出した。

 冒険者ギルドの方で音頭を取って討伐隊のようなものを組むことはしないで冒険者各々の判断に任された。


 なのでモンスターパニックのキックコッコ討伐に制限はなく、自由参加となった。

 グルゼイもわざわざ探し回る手間が省けるぐらいに考えていた。


「あとは師匠を敬え」


「俺の師匠じゃないですもん」


「剣は教えてやるがお前は弟子じゃないと言い放ったのはグルゼイさんの方です」


「……年長者を敬え」


 メンバーは前回と同じ。

 国の兵士も出てくればライナスあたりもいたかななんて思ったけど残念ながら今回は国は出てこないのでいなさそう。


「ボクもいるよ!」


 ただし今回はプラスワンとしてキーケックもいる。

 モンスターパニックは魔物が起こす不思議な現象の一つ。


 様々原因はあるので解明は難しいが解明できればこうした事故は減らせるかもしれない。

 ジに出会い、魔物研究者としてジの役に立ちたいと強く思うキーケックはモンスターパニックについて調べたいと父親のところを訪ねていた。


 そんな時にジたちがモンスターパニックに近づくというので付いてきた。

 ユダリカはすごい警戒しているけどキーケックはカラッとして何も気にしていなかった。


 むしろモンスターパニックに近づけるとあって興奮すらしていた。


「足手まといになんなよ?」


「分かった!


 いざという時逃げる!」


 聞くところによるとキーケックは魔法タイプで実力はそこそこ。

 キックコッコ相手なら自衛ぐらいはできる。


「しかし人が多いな」


 再び森に来たが前回とは異なってあちこちに冒険者がいる。

 どうやら森の浅いところにもキックコッコが来てるようで倒されたキックコッコの羽がそこら中に散らばっている。


「森の南側に回ろうか」


 いたるところでキックコッコの取り合いになっている。

 そんな小競り合いを演じる間にキックコッコに逃げられたりと醜態を晒している。


 街から真っ直ぐ森に来ると森の東側にたどり着く。

 なので東側には冒険者が多くて満足に活動できない。


 なのでちょっと場所を変えてみることになった。

 北側の方に多く広がっている森なので安全に討伐をするなら南側に行くのがいい。


 他の冒険者はより討伐に積極的なので奥から離れてキックコッコが少なそうな南側にはあまり回らない。


「ジ、そっち行ったぞ!」


「オッケー!」


 予想通りに南側に冒険者は少なかった。

 そして逆にキックコッコは結構いた。


 人が少ないために他のところからキックコッコが逃げてきた。

 グルゼイはいざという時のフォローとして戦いには加わらずジ、ユディット、ユダリカの3人で戦う。


 段々と連携も取れてきて、キックコッコを逃さないで戦えるようになってきた。

 基本は逃げることを中心にしているキックコッコ。


 ただ地上を直線的に走っていく逃げ方なので逃げる方を予想もできるし慣れてくるとなんとなく誘導もできた。

 あんまりペアを組んでくれる人もいなかったユダリカは誰かとこんな風に協力して戦えるのが楽しかった。


 ジは周りをよくみて動くのでユダリカも気持ちよく戦えていた。


「よし、一度休憩だ。


 血抜きが追いつかない」


 キックコッコが逃げてくるので割と戦いが連続している。

 そのためにそこら中血抜きしているキックコッコだらけで悪趣味な絵面になっていた。


 逃げてきたキックコッコは追い払って整理する時間を設ける。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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