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【第十九章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第五章

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家に来てよ

「にーげーるーなー!」


 ジは手を伸ばしてユダリカの服を掴んだ。

 この三日ぐらいユダリカはジを見つけるとサッと逃げてしまっていた。


 最初はすぐにやめるだろうと思っていたけどやめなかったので捕まえた。


「なんだ、その情けない顔」


 最初会った時には誰彼構わず噛み付く狂犬のようだったのに今は怒られた子犬のような顔をしている。


「だって……」


「言いたいことがあるなら言えよ。


 ついでになんで人から逃げ回ってるかも言えよ」


 授業に関して真面目なユダリカが授業をほっぽり出してまでジから逃げた。

 なんとなく理由に察しはついてるが本人の口から聞くまでは納得しない。


「だって俺がいると迷惑かけるから……」


 言いたいことも逃げ回っている理由も同じ。

 この間襲われたのはユダリカが原因だった。


 なぜ卵を狙ったのかはまだ判明していないけどユダリカがいたから襲われたことはジにもユダリカにも分かっていた。

 せっかくユダリカが心を開きかけてくれていたのに余計なことをしてくれたものだと思う。


 けれど同時にユダリカが襲われることになった原因の一端は自分にあるのではないかとジは考えていた。

 ユダリカの過去の人生について詳細なことは分からない。


 ただ思うのはユダリカがアカデミーに入った時期は本来もうちょっと後だったのだ。

 まだこの時期は過去では戦争中だった。


 なのでユダリカがアカデミーに来る時期は違っていたはずなのだ。

 とすれば早めに平和になって早めにアカデミーに来ることになったために何らかの理由でユダリカが襲われたのだ。


 ジが考えた理由は今のユダリカに利用価値がなくなって邪魔になったから完全な使い物にならなくさせようとしたのではと推測を広げていた。

 このタイミングでの過去のユダリカの使い道は政略結婚。


 過去の物語の婚約はこの時期ぐらいに決まったか、模索されていた可能性がある。

 戦争中なので生き残る道や支援などを取り付けるためにユダリカを利用したとも考えられる。


 しかし平和になり、政略結婚する必要がなくなったかユダリカが早めにアカデミーに行くことになって政略結婚計画が頓挫したか。

 いずれにしてもユダリカの存在が邪魔になった人がいた。


 ユダリカ本人を狙ったのではないのは邪魔であってもこうした政略結婚的な使い道はあるからだろう。


 だからユダリカが襲われたのはかなり遠いところにジが原因である可能性がある。


「そうだな、そのせいで俺はまたエに怒られた」


「エ?」


「だけどよ、お前のせいで危ない目にあったとか思ってないから」


 オロネアが話したんだろう。

 回復してユダリカに逃げられたから美味しく寂しく1人で学食を食べていたところで怖い顔をしたエが来た。


 また無茶をしてと怒られて心配かけた詫びとして今度買い物に付き合うことになってしまった。

 別にいいんだけど何でエと買い物行くことになったのか今でも分からない。


 エには巻き込まれてしょうがなく、なんて説明したけど逃げようと思えば逃げられた。

 幾度となくユダリカを置いてジだけなら逃げられたチャンスはあった。


 でもそうしなかったのはジ自身なのだ。

 どうしてそれでユダリカのせいだなんて言えようか。


「言ったろ、俺は俺が守りたいと思ったから戦ったんだ。


 あれはお前のせいじゃないし、俺の目の前でお前が困ったことになるなら俺は命の限りお前を守ってやる。


 だって……友達、だろ?」


 言ってて恥ずかしくなってきた。

 もうちょっとサラッとした友情関係を築くつもりだったのに。


 こんな友情物語みたいな台詞なんて吐くような関係にするつもりはなかったのに。


「ジ…………」


 ウルウルとジのことを見つめるユダリカ。

 ペタンとしたミミと隠しきれない嬉しさに振られる尻尾が見えたような気がした。


「俺……いいのかな」


「何がだ?」


「友達、なって」


「俺はお前のこと友達だと思ってる。


 だから後はユダリカ、お前次第だ」


「俺……俺、ジと友達に、なりたい!」


 よく分からない感情に涙が溢れそうになる。

 頭の中がワーっとしてうまく呼吸もできなくなるけど確かなことが1つだけある。


 ジと友達になりたいという思い。


「ヒヒっ、それでいいじゃん!」


 ニカっと笑う。

 最初からそう言えばいいんだ。


「これで俺、ジと友達なのか?」


「ああ。


 友達だよ」


 グッと胸が熱くなるユダリカ。

 抱えている卵まで熱くなっているように感じて、喜びに思わず顔がニヤける。


「というわけで明日アカデミー休んで俺ん家行くからな」


「えっ、急!」


「急じゃねえよ。


 お前が逃げ回るからだろ」


「うっ……」


 本当はもっと早くに誘うつもりだったのだけどユダリカが逃げ回ったのでこのタイミングになった。

 だからこそ慌てて捕まえる羽目にもなった。


 他の人も呼んじゃってるから日程も変えられない。


「明日迎えに来るから。


 俺の家知らないだろ」


「分かった……オシャレとかしてった方がいい?」


 逃げ回ったり迷惑かけたんだ、拒否権はない。

 友達のお誘いなので断るなんてことも考えられない。


 雰囲気作りに作った招待状を懐から出してユダリカに渡す。


「んな大層なもんじゃないからいつも通りでいいよ」

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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