表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第十九章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

244/1280

卵を抱えた少年4

 というか、友達ってどうやって作るんだ?

 ジはここに来て大きな壁にぶち当たった。


 正当な友達の作り方が分からない。

 バカみたいなことして友達になれるのは貧民街の子供の頃ぐらいのものだ。


 見たところユダリカは精神的に同年代よりも成熟したようなところがあるしもう少し大人な関係の築き方をしなきゃならない。

 けれど友人関係ってどう築くのか、よく考えたらジは分からなかった。


 思い返してみよう。

 過去のジに友人はいただろうか。


 いたといえばいたけど世に広く言う友人とはちょっと関係が特殊で、人間そのものも特殊な人たちだった。

 エやラは言わば小さい頃からの仲で大人になってから出来た友人は酒の席で向こうから話しかけてきたりとか特殊な環境で会った人たちだった。


 数も少ないし、自分から友人になりたいと近づいて友人になった人なんていなかった。


「チッ……いきなり暗い顔して飯くうんじゃねえよ」


「ごめん……」


「な、なんだよ」


 急にしょぼついたジにユダリカが動揺する。

 原因はユダリカじゃなくて過去のジが悪いのだけど悪い態度を取り続けた自覚はユダリカにもあった。


「ジ君!」


「ん?


 ああ……リンデラン」


「私もいるぞ」


「立ち直ったようだな?」


「心配かけたかな?


 もうだいじょーぶだ!


 次会った時はお前のことぶっ飛ばしてやるから覚悟しとけよ?」


 言葉の内容は物騒だけど冗談混じりにウインクしてみせるウルシュナ。

 ダンジョンでドラゴンを幻影と信じきれずに脱落してしまったウルシュナはしばらく落ち込んでいた。


 リンデランやエがアーティファクトを貰ったものだから余計に落ち込んでしまった。

 さらに幻影と信じきれなかったと言うことはジを信じきれなかったとも言おうと思えば言える。


 ジはさほど気にもしてなかったけどウルシュナはすごく気にしていたようだった。

 アカデミーに潜入してもタイミングが合わないのか2人にもそんなに会わなく、朝のゴミ処理にもウルシュナは顔を出していなかった。


 しかし歯を見せて笑うウルシュナは何か吹っ切れたようだった。


 たまたまリンデランとウルシュナも昼食でジを見つけた。


「えっと、あっ、オズドゥードルさん」


「ん、なんだジ、知り合いなのか?」


 意外な組み合わせに驚く。

 かの有名な卵を抱えた少年と実はアカデミーの生徒じゃないジが一緒にご飯を食べている。


 関係が分からなくてリンデランは首を傾げた。

 とりあえずリンデランがジの隣に座ってさらにその隣にウルシュナが座る。


「そういえばあんまり話したことなかっ……た」


 ユダリカは残ったご飯を一気に口に掻き込むとさっと席を立って卵を背負って行ってしまった。


「なんだよ……私悪いことしたか?」


「いいえ?


 してないと思いますよ」


「ああいうやつなんだよ」


 改めて友達を作ろうと思うとなんだか緊張してきたジなのであった。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ