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【第十九章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第四章

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運命を壊す者6

「もちろん言いたいことはぁ、わかるぅー!


 理由も色々あるんだよ。


 受け取る人間側の許容量の問題とか、上限が高すぎるが故の問題とか色々ね。


 でも1番の理由はこのアーティファクトが作られた経緯さ」


 ジの考えてることなど顔を見ればお見通し。


「このアーティファクトは弱かった人が周りの人と信頼と友情を結んで協力し合うことを目的としたものだ。


 それはまるでキミのようだと思わないかい?」


「……まあ、そう言われれば」


 ジは強くない。

 個人でできることに限界はあるし、大きくなるにつれて周りの差はより大きくなっていく。


 けれどジは周りを助け、周りと助け合ってこれからも抗っていく。

 今までも1人でなんとかしようとしながらも助けられてきたからそんなに変わるわけでもない。


 本来の作られた意図を考えるとジほどこのアーティファクトに合う人はいないだろう。

 弱く力を持たない、なのに力を必要とし、誰かを助けようとしながらも誰かが助けようとしてくれる。


 運命に囚われず、運命に立ち向かう。


 まるで運命に囚われずに、運命から外れて人と交わることないドラゴンに出会った最初のトモダチのようだ。


「それにこのアーティファクトは帰属型アーティファクトであり、人を選ぶんだ」


「き……」


 またさらっと出たけど。

 帰属型アーティファクトとは文字通り持ち主に帰属するアーティファクトである。


 エやリンデランのアーティファクトは他の人に渡せば他の人でも効果を発揮させられる。

 しかし帰属型アーティファクトはアーティファクトが帰属した本人しか扱うことができない。


 他者が使うこともできないアーティファクト。

 その価値は計り知れない。


 帰属するという特殊な効果を持つほどのアーティファクトはその能力も高い。

 だから帰属型アーティファクトは貴重なのだ。


「人を選ぶって何?


 この人がいい!ってアーティファクトが言うの?」


「アーティファクトは喋らないよぅ。


 自我を持つものもあるけど……いや、もしかしたら自我があるのか?


 ま、不思議なアーティファクトで同じ場所においてあるはずなのに見つからない……なんてこともあるアーティファクトでエアダリウスが他の人に見せようとした時にもカバンの中から消えてね。

 次の日にはカバンの底から見つかったんだけどカバンをひっくり返しても見つからなかったのに……


 見られたくない人でもいたんだろうねって笑っていたけど冗談じゃないかもしれない」


 そんなアーティファクトが簡単に見つかった。

 割と奥にしまっていたはずなのに手前の見つかりやすいところにあった。


 そんなところに置いた記憶は一切ないというのに。


「嫌ならキミに帰属しないなんてこともあるかもしれないから試してみなよ」


「そもそもどうやったらいいのか……


 なっ、うっ!

 ちょっと……牙が!」


 帰属型アーティファクトに関する知識などない。

 どうすれば帰属させられるのかも分からなくて手のひらに乗せて突いていた。


 するとアーティファクトが動き出した。

 まるで獣が口を開けてするように縦になったアーティファクトの牙はジの手のひらに突き立てられた。


 ほんのわずかな痛みと燃えるような手のひらの熱さにジは顔を歪めた。

 みるみると牙は手のひらにめり込んでいく。


 掴んで引っこ抜こうとしても吸い込まれるような牙は一向に抜けず、熱さはどんどんと増していく。


 手のひらを突き破るほどの長さがめり込んでいる。

 なのに手の甲から牙の先端は出てこず、ジは逆の手で手首を強く握りしめて熱さをこらえようとした。


「ぐ……ぐぅ……」


 腕を自分で切り落としたくなるような熱さを歯を食いしばって耐える。


『ほぅ……運命に囚われない者…………いや、運命を一度経験した者か。


 フフフ……面白そうだ。


 我を好きに使うといい……短い人の生に再び付き合ってやるとしよう』


 誰かの……声。


 低くて体全身に響くような声が聞こえたと思ったらスッと腕の熱が引いた。


「だ、大丈夫?」


「落ち着きましたか?」


 エとリンデランとエスタルが心配そうにジを見ていた。

 ひどく汗ばんで息の荒いジは牙を飲み込んだ手のひらをジッと見つめる。


「ご、ゴメンよ……こんな風になるだなんて知らなかったんだ」


 貴重な帰属型アーティファクト。

 実際に帰属する場面を見ることなんて長く生きていてもないことである。


 こんな苦痛を伴って、あのようなことになるとはエスタルも知らなかったのだ。


「いや……いいんだ」


 ネックレスみたいな形をしていたのになんの意味もなかった。

 不思議なアーティファクトはジの体に飲み込まれてしまってどこに行ったのか分からなくなった。


 ただ、妙な高揚感とアーティファクトが自分の体の中にあるという変な感覚だけはハッキリと感じられていた。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


もし、少しでも面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、

ブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


評価ポイントをいただけるととても喜びます。


頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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