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【第十九章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第四章

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答え合わせ1

「なんでしょうか……って何よ?」


「答えるチャンスは1人1回だけ!


 正解できたら良いものあげちゃうよー!」


「だからあんたダンジョンのボスでしょ?」


「ブッブー!


 そうだけどそれは表面的なことで僕が答えてほしいものじゃありませーん。


 ダンジョンのボスだって前にも言ったしそんなクイズ出すわけないじゃなーい!」


「クッ……こいつムカつく!」


 ケラケラと笑う不思議な少年に殴りかかりそうなエ。


「エさんの解答権はなくなりましたー!」


「こいつぶん殴ってもいい?」


「それは偽物だから本物が現れたらな」


「そこは止めるとこじゃない?」


「うっさいわね、散々人のこと振り回しておいて……」


「ま、まあ、もう1回だけなら答えてもいいよ」


 エに睨まれて、乾いた笑いを浮かべ不思議な少年は後ずさる。


「何と言われても曖昧すぎますね。


 ダンジョンのボス以外に何を答えればいいのでしょうか?」


「名前とか?


 知るわけないけど」


 ちゃんと考えて悩ましそうに首を傾げるリンデランと呆れ顔のエ。

 不思議な少年が出したクイズは幅が広すぎる。


 なんでしょうかと聞かれてもそれが何のことを指すのか、何を答えてよいのか分からない。

 それに不思議な少年のことも何も知らないのだ、クイズの意図がわかったとしても答えようもない。


 こんなクイズ答えられる人いるのか。


「分からないかな?


 分からないなら終わり……」


「……アカデミー初代学長であり、魔法における天才と謳われ、暴風と呼ばれた魔法使いエアダリウス」


「えっ?」


「ただお前はエアダリウスではない」


「どういうこと?


 何か分かったの?」


「エアダリウスにももちろん魔獣がいたんだけど契約した魔獣はカーバンクルだったんだ。


 額に赤い宝石の付いた希少種の魔物で、暴風の相棒として活躍していたそうだな。


 名前はエスタル。


 そう、お前の正体はカーバンクルのエスタルだ」


 不思議な少年の顔から笑みが消えて、真っ直ぐにジのことを見つめる。


「カーバンクルって……!」


「うん、リンデランと同じだな」


「えっ……でもこいつどう見たって人だけど……」


「そうだな、それについても予想はできてるけどな」


「でも……そういえば」


 エとリンデランがジの言葉に驚く。

 不思議な少年はどう見ても人だ。


 確かに額にカーバンクルのような赤い宝石はあるけれど魔物には到底思えない。

 けれど言われてみて考えるとそうだ。


 こうして会話して、人の容姿をしているから人だと思っていたけれどダンジョンのボスが人であるはずがないのだ。

 この不思議な少年はダンジョンのボスであり、それを自らも認めている。


 そうなると不思議な少年は魔物であることが分かる。


「さて、俺の答えは正解か?」


「なんで分かったの?」


「こっちの質問には答えてないけどその答えなら正解であってるみたいだな」


「どうして僕のことが分かったんだい?」


「なんでそっちが怖い顔してんだ?


 こっちは聞かれたから答えたんだけどな」


 さっきまでの余裕の態度はどこへやら。

 今度はジの方がニヤリと笑う。


「なぜ分かったのか教えてくれないかい?」


 聞いといてなんだけど絶対に分からないと思っていた。

 なのにジはピタリとエスタルのクイズの答えを言い当ててみせた。


 全部を見透かしたような目で見られることがこれほど気に障るだなんてエスタルは思った。

 自分がいいように手のひらの上で転がしているつもりで全て分かられていたなんて。


 少しだけいい気分だとジは思った。


「なら俺の勝ちを認めて本体で出てこいよ」


「な……」


「お前の決めたルールでこっちは全部勝ったんだ。


 今更嫌だって言っても通じないぞ」


「分かったよ。


 あのさ、恥ずかしいから目を閉じててもらえるかな?」


「なんで?」


「恥ずかしいからだって!」


「……分かったよ」


 ジたち3人は素直に目を閉じる。

 これで逃げ出したら地の果てまで追いかけて行ってやると思いながら待っていると不思議な少年の気配に変化があったことをジは感じた。


「も、もーいーよー」


「わぁっ!


 本当にカーバンクルなんですね!」


 目を開けると不思議な少年の姿はなくなり、そこに1体のカーバンクルがいた。

 爬虫類系あるいは竜種のような、四足歩行形態でありながら獣系の魔物とは少し違う体つき。


 それでいながら体はウロコに覆われているのではなくフワフワとした柔らかそうな毛が生えている。

 特に胸周りは毛のボリュームがすごくて触りたくなる。


 生態も謎に包まれている。

 魔獣として現れるものの他にいるはずの野生のカーバンクルは希少な魔獣のカーバンクルよりもさらに見ないもので生息している場所も分かっていない。


 体つきや魔力の多さ、生態の謎さからカーバンクルのことを竜種の一種だという人もいる。


 1番の特徴といえばやはりその額にある宝石だろう。

 カーバンクルの魔力の源などとも言われる真っ赤な宝石は一目でそれをカーバンクルだと分からせる。


 ちなみにそんな希少なカーバンクルだけどリンデランのメデリーズは額の宝石が青い超希少種である。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


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