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【第十九章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第四章

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貴方の力になりたくて1

「ごめん……」


「なんでエが謝るんだよ?


 しゃーないだろ、どっちも」


「でもぉ……」


 少し休息の期間を置いて再びダンジョン攻略、となったのだけどそうもいかなくなった。

 パノーラとフが離脱となった。


 パノーラは親が倒れたとのことで家に帰っていった。

 平民のパノーラには普通に両親がいて、しかもパノーラは首都の出身ではなく田舎の方の出身なのですぐに行って帰ってこられない。


 そしてフは別の仕事で呼ばれてしまったのだ。

 王国の方の仕事が優先になるので泣く泣くフはそちらの方に向かった。


 エは責任を感じているけれど、どちらにしろエのせいではない。

 タイミングというものがあるので無理に攻略を進めることもない。


 見たところすぐに暴走するダンジョンでもないし。


 ということで本日は攻略するつもりでオロネアにそう伝えていたのだが事情により一度中止となることを伝えに行こうと学長室に向かっていた。

 2人を待つにしても、新しいメンバーを探すにしても時間を要する。


 今日はダンジョン攻略のお断りのつもりだけど学食でちょっと食べていこうと思って制服姿なので視線を浴びることはない。

 相変わらずエはチラチラと男子生徒の目は向けられていたけれど。


 学長室の前まで来たので軽くドアをノックする。


「なんでしょうか?」


「ジです。


 お話があって参りました」


「ちょうどよかったです。


 お入りください」


 ちょうどよかったとはなんのことだろうか。

 少し疑問には思うけど中に入る。


「よく来たわね」


 優しく微笑みをたたえるオロネア。

 なんだかライナスと衝突して、和解して以来可愛がってくれている。


 別に害があるものでもなく悪くないので受け入れている。


「今日はどうしたのかしら?」


「ちょっとメンバーの2人が急遽来れなくなってしまいまして、ダンジョンの攻略を延期したいと思いまして」


「あら……それは…………」


「……なにかありましたか?」


 少し複雑そうな顔をしたオロネア。

 その真意が読めなくてジも顔をしかめた。


「ちょうどよかった、というべきなのでしょうか。


 判断するのはリーダーであるあなたですからお任せしますが……」


「なんの話ですか?」


「実はダンジョン攻略に参加したいと名乗り出てくれた方がいるのです」


「えっ?」


「ウソッ!」


 驚くジとエ。


「ダンジョン攻略に参加したい人なんて……」


 いないだろうと言いかけてハッとする。

 ダンジョンについては秘密の事項でほとんどの人は知らない。


 そしてアカデミーの学長であるオロネアに話がいくということはアカデミーの生徒が名乗り出たことになる。

 そんな人物に心当たりがないと思っていたのだけどダンジョンの存在を知っていて、アカデミーの生徒である人物にバリバリ心当たりがあった。


「心当たり、ありそうですね?」


 ジの顔を見てオロネアがホッとする。

 なぜダンジョンの話が漏れたのか疑問だったけれどジの態度を見ればなぜなのかわかった。


 分かったけれど何でそんな繋がりがあるのかは新たな疑問だ。


「ヘギウスですか?」


「あらあら、お知り合いですか?」


「ちょっと……いや、だいぶ……」


「おや……意外ですね。


 ヘギウスだけでなくゼレンティガムの御息女も名乗り出ていますがこちらは?」


「ウルシュナ……」


「ふふっ、知り合いみたいですね」


 ヘギウスとゼレンティガム。

 つまりリンデランとウルシュナだ。


「あっ、そっか、ゼレンティガムってウルシュナか。


 ヘギウスって?」


 家名なんてあまり気にしないエはヘギウスでもゼレンティガムでもイマイチピンと来ていなかった。

 自己紹介もしたことはあったはずだけどリンデランをヘギウス、ウルシュナをゼレンティガムだと認識していなかった。


 しかし何でまたダンジョン攻略に名乗り出てきたのか。

 それにパージヴェルやルシウスがよく許したなと思う。


 だからオロネアが複雑そうな顔をしていたのかとジも納得した。


「今日攻略の予定でしたのでその時にお話しするつもりでしたが来てくれましたのでお話ししました。


 ヘギウスさんとゼレンティガムさんは今別室でみなさんが来られるのを待っています。


 どうなさいます?」


「どうなさいますと言われましても……


 とりあえず会ってみます」


「そうですね、それがいいと思います。


 うちの学生ですから私も同席してもよろしいですか?」


「もちろんです」


 オロネアに案内されて別の部屋に移動する。


 そこにはリンデランとウルシュナが武器を持って待っていた。

 服装も制服ではなく、アカデミー指定の運動服であった。


 オロネアとジが入ってくると少し緊張した面持ちで立ち上がるリンデラン。

 すぐにエも入ってきたことに気がついて視線がぶつかる。


 対してウルシュナはあんまりやる気がないのかノロノロと立ち上がった。


「こちらが今回ダンジョンの攻略に名乗り出てくれたリンデラン・ヘギウスさんとウルシュナ・ゼレンティガムさんです。


 こちらがダンジョン攻略のリーダーのジさんとメンバーのエさんです。


 お知り合いみたいなので紹介はいらなそうですけどね」


 バチバチと火花が散るように視線を交わらせるエとリンデラン。

 ウフフと笑うオロネア。


 めんどくさそうな顔をしているウルシュナ。

最後まで読んでいただきましてありがとうございます!


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頂けた分だけ作品で返せるように努力して頑張りたいと思います。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 最後のエと睨みあってるのはリンデランかな?
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