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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十一章

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香る男はどこ行った?1

「同行させてもらってすいません」


「いえ、いいんです。ジケ会長にはお世話になっておりますしね。それに……リンデランの頼みですからね」


「ありがとうございます、おじ様」


 リンデランの勧めで、石鹸に香りをつけることを考えた。

 そのために精油を扱う香りのプロに会いに行ってみることにした。


 リンデランからの紹介とはなっているが、ヘギウス商会の取引相手の一人に会いにいく。

 そのために実質的にはリンデランというよりヘギウス商会の紹介になっている。


 リンデランがウェルデンに話をしたところ、たまたまウェルデンか直接会いにいく予定だったらしく、ジケも同行させてもらえることになったのだった。

 ウェルデンとしてもジケには大きな恩がある。


 それこそジケの気分一つで、ヘギウス商会が潰れかねないほどの大きな恩である。

 ジケが何かをしたいというのなら、ウェルデンも断ることはほとんどあり得ないのだ。


「ウェルデンさんが直接会いにいくようなお相手なんですか?」


 これまでの経験から、ウェルデンは結構フットワークの軽い人だと分かっている。

 自ら動くことも厭わない現場タイプの商人なのだ。


 ただウェルデンはヘギウス商会という大商会の商会長である。

 どこにでも行くというわけではない。


 となるとこれから会いにいく調香師とやらは、結構すごい人なのかもしれないとジケは思った。

 今も歩きで向かっている。


 ジケとリアーネ、リンデランとウェルデンに加えて、ヘギウス商会の護衛が二人。


「国内……いや、広く世界を見てもトップクラスの鼻を持つ人ですね」


 ウェルデンは軽く自分の鼻を指差す。


「植物にも精通していて、精油だけでなく香水なんかも作っています。彼を抱えようとした貴族も多くいるのですが……今でも自由に活動しています」


「そんな人だったんですね……」


 あまり細かく相手のことは聞いていなかった。

 そんなすごい人じゃなくてもいいのになとジケは今更思った。


「うちでも彼が作った香水や精油を仕入れているのですが……しばらく連絡がなくて」


 ウェルデンは軽く眉をひそめる。


「人気の商品なので、無くなると困るのです。少々変わり者ではありますが、商品の出荷をすっぽかしたりするような人ではなかったのです」


「それでウェルデンさんが直々に?」


「私は面識もありますからね。兄さんの粗相を挽回するのに彼の商品の力を借りたこともあります」


 パージヴェルがリンディアを怒らせた時に香水を贈ったことがある。

 屋敷を叩き出されるところだったのだが、なんとか許してもらえたのは香水のおかげだった。


 贈った香水が噂の調香師製のものだったのである。

 その香水だってウェルデンがお願いして手に入れたものなのだ。


「変わり者って……気難しいんですか?」


 それだけすごい人なら性格も難しいのかもしれない。

 天才肌な人ほど周りには理解できないような性格をしていることも、意外と珍しくなかったりする。


「気難しい……とも言えますかね。職人肌というべきか、自分の興味あること以外はあまり興味のない人といいますか」


 ウェルデンは少し困ったように笑う。


「職人という芸術家みたいな感じですかね?」


「そちらの方が近いかもしれませんね」


「別にちょっと精油について聞ければいいだけなんですけど、大丈夫かな……?」


 余計に不安になってきた。


「まあ気に入られなかったら興味を持たれないだけですから大丈夫ですよ。怒鳴ったり怒ったりするような気性の荒い人ではありません」


「なるほどです……」


 怒られないなら大丈夫か、とジケは少し気分が軽くなる。


「あそこが彼の屋敷です」


 話しているといつの間にか調香師の家についていた。


「おお、結構なお屋敷ですね」

 

 歩いていたのは貴族街だったので、お金持ちなことは予想していた。

 ただ思っていたよりも敷地が広そうでジケは驚いてしまう。


「ここには屋敷よりも大切なものがありますからね」


「大切なもの?」


「……あの畑かな?」


 あんな立派な屋敷より何が大切なんだとリアーネは首を傾げる。

 ジケは屋敷の横にあるスペースに目を向けていた。


 広い中庭がある。

 大体貴族の家にある中庭といったら、お金があることをアピールするかのように花が生えているものだ。


 しかし、この家の中庭には華やかさがあまりない。

 ほとんど緑色だ。


 花が生えているところもあるが、ジケは見ていて植物が区画に分かれて生えていることに気づいた。

 見せ物の花壇じゃない。


 植物を栽培しているのだ。


「流石お目が高い。彼がここに住んでいるのは屋鋪がいいからではなく、広いスペースがあるから。具体的には香草や花などを育てるような庭があるからなんです」


「変わり者……確かにそうですね」


 町中で植物栽培をすることを念頭に住む場所を選ぶ人はまずいない。

 ただ見た感じでは植物もしっかり手入れされているようで、真面目に世話している雰囲気も感じ取れた。


「ウェルデンです。カグノーズさん、いらっしゃいますか?」


 ウェルデンは鳥のような形をしたドアノッカーで、少し大きめにノックする。

 大きな屋敷なので相手に聞こえるようにしなきゃいけないので、強めに音を出すのはしょうがない。

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