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【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十一章

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この遺跡は!9

「……おおっ?」


 鳥カゴ牢を通り過ぎていったフィオスは、なんと部屋の真ん中にあった高い台座の上に上手く着地した。


「な、なんだ!?」


「……ニノサン、逃げろ!」


 ゴーレムはそれぞれ近くにいる相手を狙って動いているように見えていた。

 しかし突然全てのゴーレムが動きを変えて、ニノサンの方に向い始めた。


 檻を狙っていることを察知したのか、ニノサンが危ないとジケは叫ぶ。


「くっ……」


 幸い部屋は広いので逃げることはできる。

 自分の投擲が悪かったと反省するニノサンは剣を抜いて後ろに下がる。


「…………あれ?」


「狙いは……ニノサン……ではない?」


 どうにもゴーレムが向いている方向がおかしいとジケたちは気づいた。

 ニノサンの方に向かっていると思ったのだけど、どうやらニノサンの方に向かっているわけではなさそうだ。


「……フィオス狙い?」


 よく観察してみるとゴーレムたちが向かっているのはフィオスの方向だった。

 ジケはフィオスを呼び戻すべきかと思ったが、ゴーレムの能力ではフィオスを倒すことができない。


 フィオスには悪いが、フィオスがゴーレムを引きつけられるのだとしたら今はありがたいかもしれないと思った。

 ギリギリまで様子を見て、フィオスが袋叩きにされてしまうようなら呼び寄せようとジケはジッと見守る。


「………………えぇっ?」


「これは……どういうことなんでしょうかね?」


 何が起きたのか。

 ジケたちは呆気に取られてしまう。


 なぜならゴーレムたちが全く予想外の行動をしたからだった。

 ゴーレムたちは突然台座の前で膝をつくような体勢で頭を下げた。


 まるで、台座に乗ったフィオスを崇拝しているかのような光景であった。


「俺にも……分かんない」


 ジケとユディットは驚いて顔を見合わせる。

 フィオスは台座の上で嬉しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねている。


「ゴーレム、動かなくなっちゃったな」


 ジケたちは警戒したままだけど、ゴーレムはフィオスに頭を下げたまま動かない。


「私が」


 どうしようか、と迷っているとユディットが覚悟を決めたようにジケに頷いてみせる。

 慎重にゴーレムに近づく。


 ユディットが近づいてみてもゴーレムにはなんの反応もない。


「い、いきますよ?」


 ユディットはジケの方を一度振り返る。

 そして大きく息を吐き出したあと、ゆっくりと剣を持ち上げ、ゴーレムの背中を突いた。


 剣先がわずかにゴーレムに刺さる。


「動かない……」


 それでもゴーレムは微動だにしなかった。


「ねっ、何が起きてるの?」


「うわっ!? エニ!?」


 いつの町からエニがジケの後ろにいた。

 ユディットの方に集中していたので、ジケは後ろにいたエニに驚く。


「なにしてんだよ?」


 危ないかもしれないのにどうして前に出てきたのか。


「だってゴーレム動かないし?」


 エニから見ても危険はない。

 ゴーレムは完全にフィオスに平伏していて、危なそうなこともない。


 だけどなんでそんなことになっているのか気になってジケのところにやってきた。


「んで、何が起きてんの?」


「俺にも分かんないよ」


 ジケは肩をすくめる。

 何が起きているのか知りたいのはジケも同じ。


 やたらとフィオスだけが楽しそうにして、みんなは不思議そうにしている。


「……とりあえずあの人たちを助けてみよう」


 ゴーレムが無力化されたというのならジケたちに文句はない。

 この隙に囚われた人たちを助け出す。


「助かったよ。ただ……これはどういうことだ?」


「ちょっとわからないですね……」


 ゴーレムに崇拝されるスライム。

 誰がどう見ても理解はできない。


 というか、ジケですら謎であった。


「ん?」


 突如としてジケの胸に不安が広がった。

 これはフィオスから流れてくる感情だとジケはすぐに察した。


「みんな、何かいるぞ!」


「何か?」


 フィオスの感覚はバカにできない。

 戦い、特に敵対心を持つ存在が近くにいるとフィオスはそれを敏感に感じ取る。


 敵によってフィオスの行動に変化があることはないのだけど、フィオスと繋がっているジケにはフィオスの不安のようなものを感じ取ることができるのだ。

 何かがフィオスを不安にさせている。


 あんなに楽しそうだったフィオスが今は台座の上で大人しくしている。

 剣を抜いたジケは周りのことを警戒する。


 魔力感知を広げて、脅威となるものを探し出そうとする。

 ただ魔力感知の範囲内に特別危なそうなものはない。


「今のうちにさっさと脱出しよう」


 フィオスの感覚が間違っているとジケは考えない。

 何かの脅威が近くにあることは間違いない。


 ただまだそれは迫ってきていない可能性がある。

 今のうちに逃げてしまおうと思った。


 幸い囚われていた冒険者たちも大きな怪我はなく、移動に問題はない。


「フィオスもそろそろ……」


 ジケたちで警戒しながら元来た階段に繋がる穴の前まで戻ってきた。

 忘れちゃいけないのが台座に乗ったままのフィオスだ。


 ゴーレムがどうなるのか不安だったので、少し台座に鎮座していてもらった。

 だけど逆召喚できるからと置いていくつもりはない。


 ジケはフィオスを呼ぼうと台座の方を振り向いた。

 その瞬間だった。


 部屋の天井はかなり高い。

 ジケの魔力感知も届かないほどに。


 イレニアの光も届かず、上はどうなっているのか分からなかったが、突然上から何かが降ってきてジケの魔力感知の範囲内に入ってきた。

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フィオス大明神
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