表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカラ二巻出たよ】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第二十一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1357/1420

この遺跡は!8

「いけ、フィオス!」


 ゴーレムが何かしたわけでもなく壁は開いた。

 しかしジケたちが近づいても壁は開かない。


 しょうがないのでフィオスに壁に穴を開けてもらう。


「スライムって……なかなかすごいんだな」


 鉄格子を溶かし、壁をも溶かす。

 フィオスの力にサンモーウは驚いている。


 まだ武器になったりゴーレムを単独で無力化するところも見ていないので、こんなものじゃないぞとジケは内心で思った。

 壁はただの石壁らしく、牢屋の鉄格子よりも目に見えて溶けていく。


 あっという間に壁に大きな穴が空いて、向こうの階段が見えた。

 イレニアが穴から入って、中を照らしてくれる。


 ゴーレムが通るためだろうか、段の幅が広い階段である。


「ゴーレムを追いかけよう」


 生きている以上、連れて行かれた人はまだ助けられる可能性が高い。

 あまり遺跡の奥に行くのは好ましくないが、ここまできて引くことはできない。


 階段を降りていく。

 サンモーウがちょっとヒョコヒョコとした歩き方をしているので自然とゆっくりめなスピードになってしまう。


 助けてくれと喚いていた冒険者の男も、こんな場所では助けが来ないと諦めたのか静かになってしまった。

 ゴーレムが降りていくと、またしても壁が開いて中に入っていく。


「部屋にはなってそうだな……」


 壁向こうの様子を見たかったのだけど、ゴーレムが入ってすぐに閉じてしまったからジケの魔力感知でもよく見えなかった。

 ただパッと見られなかったことから、壁の向こうに広めの空間が広がっていることは予想できる。


「やれ、フィオス!」


 ジケたちの前で壁は閉じたまま。

 またしてもフィオス活躍の時。


 壁をじわじわ溶かして大きな穴が空く。


「ここは……」


 穴が空いたので向こう側を見られるようになった。

 すぐには中に飛び込まず、ジケが魔力感知で偵察する。


「かなり広いな」


 反対側の端まで魔力感知で見られない。


「どうなってる?」


 エニも穴から目だけを出して中を見ようとするが、イレニアの弱い光は闇に飲まれて全く見通すことができない。


「なんだろ……壁画? 真ん中に……台座?」


 なんだか不思議な空間であるとジケは思った。

 壁には何か絵のようなものがある。


 魔力感知ではちょっとよく見えないので、どんなものなのか把握ができていない。

 部屋のど真ん中には何かの台座のようなものがある。


「……檻の中に人が何人かいる」


 台座の前には巨大な鳥カゴのような檻がぶら下がっていた。

 その中に何人かの人が捕まっていて、連れて行かれた冒険者の男も檻の中に放り込まれている。


「…………結構厳しそう」


 冒険者の男を檻に放り込んだゴーレムは壁際で静止する。

 よく見ると他にもいくつかのゴーレムらしきものが壁際に並んでいる。


 フィオスで拘束できるゴーレムは一体だけである。

 複数いると戦うのは辛い。


 ジケに見えているゴーレムが全て動いて襲いかかってきたとしたら、ジケたちよりも数が多い。


「正面からは戦えないな」


 ゴーレムを倒していくのは無理がある。

 助けるべき相手も数が増えてしまったし、問題が山積みとなってしまった。


「…………やるしかないか」


 疲れないゴーレムを相手していてはこちらが消耗してしまう。

 そうなればゴーレムを無視して、とりあえず囚われた人たちを救い出すしかない。


「ニノサン、ユディット、突入して囚われた人たちを素早く助け出すぞ」


 ジケは頭の中で素早く作戦を組み立てる。

 鍵はニノサンだ。


 フィオスを抱えて素早く檻のところまで近寄ってもらい、フィオスが檻を破壊する。

 あとはなんとかジケたちでゴーレムを引きつけつつ、囚われた人を助け出して、リンデランに穴を氷で塞いでもらって脱出する。


 みんなで一丸となればなんとかやり遂げられそうな作戦は立てられた。


「頼むぞ」


「お任せください」


 檻は手の届かない位置にぶら下がっている。

 ニノサンの肩にも若干責任は乗っかってしまう。


「……みんないいな?」


「怪我してないでよ?」


「お気をつけくださいね」


「ああ、よし、行くぞ!」


 まずはイレニアが穴から飛び込む。

 カッと光を放って部屋の中を明るく照らす。


「な、なんだ!?」


 檻の中の囚われた人たちは状況が分からず、動揺したように光に目を細める。


「助けに来ました!」


 続いてジケ、ユディット、ニノサンも部屋の中に入って行く。


「た、助けだ!」


「お願いだ! 助けてくれ!」


 フィオスを抱えたニノサンが地面を蹴り、光をまとって加速する。


「……やっぱり動くか!」


 ジケたちが入るのと同時に、壁際に並んでいたゴーレムたちが動き出す。

 ここからは時間との勝負となる。


 囚われた人たちの足が無事で、走ることができるのも願うばかりである。


「いきますよ!」


 光の如き速さで走り抜けたニノサンは檻の近くまでやってきた。

 自分が仕える主人の魔獣を投げるなんて畏れ多いとは思いながらも、命令だから仕方ないと振りかぶる。


「はっ!」


 ニノサンはフィオスを投げる。


「あっ!」


 檻に向かってフィオスは飛んでいく。

 狙いは悪くなかった。


 しかしちょっとしたズレがあった。

 鳥カゴ状になった檻には隙間がある。


 運悪くフィオスは隙間を抜けて檻を通り抜けてしまったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ