お姫様を迎えにいこう4
「私を信じて。彼は……彼らはきっと助けになってくれる」
「……そうですね。せっかく助けに来てくれた方々を私たちが疑ってはいけませんね」
キリエが信じるなら信じてみようとエルオアも頷いた。
「実力は保証できますし、ここまで一緒に行動して人柄も素晴らしい人たちです。向こうについてもしばらく援助してくれるそうです」
「……どうしてそこまで?」
「ん? 俺は俺の騎士が君を助けたいと言ったから助けるんだ」
視線を向けられてジケはサラッと答える。
ユディットがやりたいということはジケも応援してやりたいと思っている。
それが人を助けることであるというのなら尚更だ。
「騎士……」
「ユディットのことだよ」
偉そうにするつもりはないが、今回助ける側なので立場としては対等ぐらいに思ってもらうつもりで口調は少し砕けさせてもらう。
エルオアの方がちょっと年上っぽいけど、変に下手に出るつもりはない。
ジケが下のようになると、助けを頼んだキリエやユディットまで下げてしまうことになる。
エルオアもあまりジケの口調は気にしていない。
「……覚えて、ますか?」
視線を向けられて、緊張したようにユディットは声を絞り出した。
少し声が上擦りかけている。
「……はい。そんなにたくさん覚えてはいないですけど、お兄ちゃんのように遊んでくれたことは私の中でも楽しい記憶の一つです」
エルオアが微笑むと、ユディットは顔を赤くして視線を逸らしてしまう。
まだ幼さの残る顔立ちはしているものの、エルオアは綺麗な顔をしている。
ジケの周りの女の子たちも美形揃いではあるが、年齢的にはジケとほぼ同じだ。
対してエルオアはユディットと年齢が近い。
同年代の女子にユディットが緊張してもおかしいことはないのである。
「これから俺たちが護衛して、ここを脱出しよう。向こうについても生活が安定するまでは面倒を見るよ」
「……何もかもありがとうございます」
「いいさ。困った時は助け合い。何かあったらユディットを頼って」
すごく遠くはあるけれど、ユディットに出会えたのはキリエやエルオアたちのおかげでもあると言える。
騎士になってくれたことや蜘蛛の糸でも活躍してくれている。
無理矢理感はあるかもしれないが、エルオアたちにもユディットに出会うきっかけをくれた恩返しをするぐらいのつもりがジケにはあった。
「とりあえず出発の準備をして。焦ることはないけど、できるだけ早く出発したほうが安全だ」
「分かりました。みんな、準備しましょう。それと……お世話になったみんなにご挨拶も、いいですよね?」
「もちろん」
ひとまずエルオアと合流することはできた。
あとは帰るだけである。
「何もなきゃいいけどな……」
今のところ襲撃されるような様子はない。
このままただ帰るだけで終われば楽な話であるのになとジケは思ったのだった。




