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【第十九章完結】スライムは最強たる可能性を秘めている~2回目の人生、ちゃんとスライムと向き合います~  作者: 犬型大
第十七章

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花を隠すなら花の中1

「ピコちゃんです! ピコちゃんとお呼びください! 甘いものが好きで辛いものがダメ! 天才的な頭脳の持ち主だけど運動は苦手です!」


 勢いのある自己紹介である。


「……この尻尾本物?」


「本物だよ」


「触ってもいい?」


「んー……ジケ君ならいいけど……初対面だとなぁ」


「お菓子! お菓子あげるからさ!」


「……ちょっとだけだぞ!」


「やった!」


 ウルシュナが両手をあげて喜ぶ。


「うんまぁ〜」


 お皿ごと差し出されたお菓子を食べながらピコは尻尾を差し出す。

 ウルシュナはそーっと手を伸ばしてピコの尻尾に触った。


「おおお……」


 フカフカの尻尾はかなり手触りがいい。

 ピコ自身も自慢に思っていて手入れを欠かさない。


「これ欲しい……」


「あ、あげないよ!」


 よだれでも垂らしそうな顔をしてウルシュナはピコの尻尾をモフモフする。


「えと……私は…………その、シェルハタ、です。甘いものも……好きだけど、しょっぱいものが意外と好き……」


「そこは真似しなくていいんだぞ」


 ジケは思わず笑ってしまう。

 わざわざ食べ物の好みを自己紹介で言う必要はないが、ピコの自己紹介に引っ張られてしまったのだ。


「よろしくお願いします、シェルハタさん」


 リンデランはニコリと笑顔を浮かべる。

 最初ピコとシェルハタを紹介した時はなんだか固い笑顔をしていたけれども、シェルハタがソコイの大事な人だと教えるとなぜか機嫌が治った。


「悪いな、急に押しかけて」


「いいんですよ。ジケ君ならいつでも大歓迎です。なんなら一生いてもいいんですよ?」


「それは流石に悪いだろ」


「……本気ですのに」


 ジケはリンデランの言葉を冗談だと捉えたが、リンデランとしては冗談でもなく本気だった。

 今ジケたちはヘギウス家にいた。


 遊びに来ているといえば遊びに来ているし、必要だから来ているといえば必要だから来ている。

 新入りが二人も増えた。


 シェルハタは一時加入であるが、ピコは余程のことがない限りジケのところにいることになる。

 シェルハタも今は仲間である。


 ジケにはジケの身の回りに住んでいる他にも大切な仲間たちがいる。


「私はリンデランです。改めてよろしくお願いします」


「私はウルシュナ。よろしくね〜」


 リンデランとウルシュナも今や大切な仲間である。

 ということでピコとシェルハタを連れてご挨拶にやってきた。


「しっかしこの豪邸、ピコちゃんも驚きだ……というかジケ君なんでこんな人たちと知り合いなの!?」


 いきなりお泊まり会だとピコはヘギウスに連れてこられた。

 ジケの家も悪くはない。


 今やしっかり手入れされているので意外と綺麗だし、人の優しさが溢れるような雰囲気があって好きである。

 ただやはりヘギウスのお屋敷はレベルが違う。


 使用人がいて、なんだかよく分からない絵まで飾ってあったりして、ピコもこんなの初めてであった。

 獣人に貴族のような特権階級は存在していない。


 力が上下関係を決め、昨日まで上の存在だったものが下の存在に逆転されることだってあり得る世界なのだ。

 貴族というものは知っていたがこれほどのものだとは思いもしなかった。


 リンデランとウルシュナはその貴族の中でもさらに上澄み的な存在である。

 ジケがそんな人たちと友達で、こんなに気軽にお泊まり会をできることにピコちゃんも驚きを隠すことができなかったのである。


「二人とも俺の大切な友人だから」


「大切……」


「ま、まあそうだよね……」


 ジケの大切という言葉にリンデランとウルシュナは顔を赤らめる。

 なるほどね、とピコは思った。


 ピコは天才的頭脳の持ち主であるという自負がある。

 おまけに美少女であり、戦えないことだけが欠点だけどそれもまた守ってあげたいポイントになるとすら思っている。


 一方でジケの最大の武器はなんだろうか。

 ピコの主観ではジケは意外とカッコいいし、意外と強いし、意外と頭が良いし、意外でもなく良い人。


 ただやはりジケの最大の武器は人たらしなところだろうと感じる。

 ジケの周りにいる人の多くは、金銭的な繋がりや力を使った主従の関係よりもジケという人柄に惚れ込んでいる人が多い。


 ピコはジケのところに来てから、よりジケのことを知ろうと聞いて回ったので間違いない。

 ついでに聞いた話ではジケは女の子をたらすのも上手いと人は口にする。


「確かにピコちゃんもやられちゃったからなぁ」


 ジケの人たらしはピコも納得だ。

 なんだかんだジケに影響されてピコもここにいる。


 ナルジオンですらジケのことをジケ殿と呼んで、国を興すことを心に決めた。

 貴族ぐらいジケの魅力ならちょちょいのちょいかもしれない、とピコは一人で大きく頷く。


「ピコちゃんを陥落させるぐらいの人たらしーだからね……」


「何一人で頷いてるんだ?」


「ジケ君のことを考えてた」


「そうか……」


 何を考えているのか知らないけれど、良からぬことを考えていそうな気配を感じたのでジケは触れないことにした。


「まあしばらくお世話になるよ」


「ジケ君のお願いですからね! いくらでもいてください!」


 リンデランは少し鼻息が荒い。

 ジケはしばらくの間ヘギウス家にお世話になるつもりであった。


 その理由はシェルハタである。

 シェルハタを匿ってほしいということだが、当然守ってほしいということと同じ意味である。

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