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60話 後輩入隊

色々な事があった年も終え、新たな年を迎えた。俺は山ちゃん、後藤、(いやし)、清水さんと本部近くの神社へ初詣に行った。皆はそこで御籤(おみくじ)を引いた。まず俺は先陣を切った。


「小吉。なんか微妙だな。癒は?」


「私は吉だったよ。」


「またなんか微妙だな。」


「癒は吉か!」


すると、清水さんが御籤を見せてきた。


「ウチは大吉だ!」


「萌香ちゃんすごい!」


「まぁな! 他の2人は?」


「俺は中吉だった。」


「山ちゃんは毎年中吉が似合ってるな!」


「蓮よりかは良い年になるな!」


「確かに……後藤は?」


後藤は御籤を睨みつけて全く動かなくなっていた。それに俺の話しを聞いていないようだ。


「後藤!」


「っ!?」


後藤はびっくりして振り返った。


「聞いているのか? 御籤どうだったんだ?」


「それが……」


「それが?」


「大凶だ……クソこのやろう! 絶対おかしいだろ! なんで俺が大吉じゃねーんだ!」


「まあまあそんな怒るなよ! そんな年もあるよ!」


「男ってホントにガキだな……」


御籤を引いたあと、皆でお参りをして願いを語った。俺は何を願おうか考えてきていて、手を合わせて目をつぶった。


『成長出来る1年になりますように。そして立派なエージェントになって、大切な人、大切な仲間を守れますように。』


目を開くと隣にいた癒はまだ願い事をしていた。


『長いな、何お願いしてるんだろう……』


5人はお参りを済ますと本部へ戻ろうとしていた。


「そろそろ先輩エージェントと見回りの交代時間だな。」


山ちゃんがそう言うと5人は神社の階段を降りる前に街を一望した。元旦で街は静かで、風で起きた葉擦(はず)れが良く聞こえる。その風は冷たかったが何か懐かしい匂いがした。


『今年は俺たちにどんな試練が待ち受けているんだろうな。』


俺はそう考えるとワクワクして仕方がなかった。俺は階段を走って下った。


「さぁ! 行こう!」


5人は本部へ戻り勤務の準備を終え部屋を出た。俺はたまたま癒と廊下で出くわした。


「おぉ、癒! そう言えばさっきは何をお願いしてたんだ?」


「あのね蓮、お願い事は口にしたら叶わないんだよ?」


「確かにそれは聞いたことある……」


「って事で秘密。」


「なんだよ!」


2人は道で別れて俺一人になった。俺はどうせ俺の事を願っていたんだと考えて浮かれていた。


「いやー俺の事願ってくれるなんて困るなー!」


「何が困るんだ?」


目の前にいたのは金子さんだった。


「げっ! なんでまた金子さんが! ってか、今の聞かれたよな……」


「さてはお前、女の事考えてたなー?」


「そんなことないですよ!」


「んまぁ、そんな事より、今年の新人は良いのがいるらしいぞ。入ってくるのは3ヶ月後だが、うかうかしてられないぞ? もしかしたら、お前よりも強いかもな?」


「げ、そんな新人がくるんですか!」


「そうだ、かなり有望で即戦力って言ってたな。お前も早く訓練や特訓とか個人的にやっとけよ。正月だからってエージェントは休めないぞ?」


「はい!」


今日の勤務は見回りだった。正月だからといって犯罪が起きないとは限らない。総合格闘部隊で駅周辺の見回りを行った。俺は後藤と一緒に行動していた。


「今日は平和だな。」


「平和な日がねぇっていうのもおかしいけどな。」


「確かにな。」


「なぁ蓮、なんで人は犯罪を起こしたり、争ったりするんだと思う?」


「なんだよ急に、難しい質問だな。」


「あぁ、難しいよな。これは人類で1番難しい問題だと思うんだ。いいや、人類だけじゃない。この地球にいる生物はみんな争う。」


「後藤らしくないな。」


「そうか?」


「うん。後藤は何でだと思う?」


「わかんね。でも、今でもどこかで争いが起きている。絶対にな。まるでこの星は争いの星だよな。」


俺は後藤の言っている事に共感して何も言えなかった。すると後藤は俺の肩に手を乗せて言った。


「俺は争いを無くしたい。戦いを好む俺が言うのもなんだがそう思う。」


後藤は笑って俺の事を見た。


「俺達、エージェントが変えようぜ!」


「あぁ!」


俺は後藤に勇気を貰った気がした。そして、後藤が本当に良い奴なんだと実感した。そして月日は経ち、季節は春へと変わった。1月から4月までは大きな事件は特に無く、警察としては嬉しい時期であった。


俺がエージェントになって1年、そして本部では半年が経った。新しい新人が3人入ってきた。3人は俺達同様、千代田区の寮で1年間過ごしてきた。覚悟は決まっていると思う。


3人の入署式が行われるので、本部のエージェントは全員で演習場へ集まった。そこでは3人の自己紹介が行われた。


松島(まつしま) 隆盛(りゅうせい)! この度は特殊格闘部隊に配属されることになりました! よろしくお願いします!」


村田(むらた) 直哉(なおや)! この度は特別守護部隊に配属されることになりました! よろしくお願いします!」


赤鬼(あかぎ) 拳志(けんし)! この度は総合格闘部隊に配属されることになりました! よろしくお願いします!」


俺は隣にいた後藤に話しかけた。


「なあなあ、3人の自己紹介やったらもう終わり?」


「そうか、蓮はいなかったもんな。寮から直結で本部に配属されると本部のエージェントを指名して手合わせする行事があるんだ。」


「そんなのあんのかよ! 後藤は誰とやったんだ?」


「金子さんだよ。すぐ負けたけどな。」


「そんな行事があるんだな。」


すると署長が前へ出てきた。


「新宿本部への配属おめでとう。話しは聞いておるな? 誰を指名するんだ?」


すると、最後に自己紹介をした赤鬼 拳志が前へ出てきた。


「はい! 総合格闘部隊、金子隊長を指名したいところですが、力の差がはっきりしているので自分の力を出せずに終わると思います。なので、総合格闘部隊、小原隊員を指名したいと思っております!」


「うんうん……え!? 俺ーー!?」

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