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54話 最高能力者

エスパー部隊隊長の上田さん率いるエスパー部隊の5人や、他の護衛エージェントは渋谷に到着した。護衛の中には山ちゃん後藤の姿も。


「うわ、渋谷だよ。久々だなぁ渋谷に来るのは。この時間になると若者も社会人も多いからな。人で溢れかえってるよ。酔いそう。」


到着した時は夕方5時を回っていた。


「よし、じゃあ配置に着いてくれ。」


「はい。」


「さぁ、どっから出てくるかなぁ。」


4人は渋谷のスクランブル交差点を中心に各500メートルずつ東西南北に配置した。そこに上田さんが4人に無線で司令を出した。


「じゃあ、空間結界(くうかんけっかい)を張ってくれ。」


4人は両手を前に出した。


「空間結界!」


肉眼では見えない透明の結界を張った。だが、1時間経っても何も起きない。


「何も起きないなぁ。いつ来るんだよ、その悪魔ってのは。」


すると、渋谷のスクランブル交差点の100メートル程上空から真っ暗な空間が開かれた。それは一般市民の目にも写っていた。


「ん? なんだあれは。」

「なんかのテレビ企画?」

「すげぇ、写真撮ろ!」『カシャッ!』

「SNS載っけよ!」


上田さんもその異変に気づいていた。


「噂で聞いた名古屋駅での事件と同じものか? 空間が切り裂かれて別の空間と繋がるワープ的なものと言っていたな。」


その真っ暗な空間のそのまた上に大きな翼を生やした悪魔の形をした生き物が飛んでいる。


「まさか渋谷でこんな盛大な殺人ができるとはな。さぁ、エージェントはどんな対処してくるんだ?」


よく見ると真っ暗な空間から大きな岩や瓦礫(がれき)、木や大量の土が飛び出していた。


「マジかよ、あれ全部落とすのか?」


『ズドドドドッ!』


真っ暗な空間から出てきた物全てがスクランブル交差点に降り注いだ。


「うわー、また派手にやってくれるね。よし、じゃあ4人とも準備は出来てる?」


「はい!」


「予想通りアイツの攻撃は結界内に入った。じゃあよろしく!」


エスパー部隊の4人は開いた両手の右手を閉じると、結界の中で薄い(まく)の様な物が広がった。そこに瓦礫が落ちると、膜が垂れ下がった。


「なんなんだあれは?」

「何が起きてるんだ?」


もちろん一般市民は何が起きてるか分からない。


「はい、皆逃げてー!」


上田さんはスクランブル交差点にいる人達を避難誘導させた。膜が全ての瓦礫を回収すると、コンビニの袋の様になった。そして4人は左の手も閉じ、その瞬間膜が瓦礫を覆った。


空間結界(くうかんけっかい)膜広追放(まっこうついほう)!」


丸くなった膜は一瞬で小さくなり、すごいスピードで空へ飛んでいった。


「エージェントすげぇな。あの量の瓦礫をあんな簡単に。まるでヒーローだな。」


すると、上田さんが上空に飛び上がり、悪魔の男の方へと向かった。


「お前、空飛べるのか?」


「これは僕のエスパー能力だ。君こそ、あのワープみたいな能力、エスパー能力者か? そしてその悪魔の仮面、取ったらどうだ? 喋りずらいだろ?」


「じゃあお前もそのゴーグルみたいなの取ったらどうだ? 視界が狭くなるぞ?」


「これは僕のチャームポイントだ! 僕にはこれといった外見の個性が無いから触れないでくれ!」


「こんなふざけた奴がエージェントやってんのか。よく見たらさっきのあの技、お前の他の4人の技か。」


「そうだ! 凄いだろエージェントは! 今頃大気圏までいって瓦礫がぶちまけられてるだろうな!」


「お前は弱そうだな。」


「それは、良く言われる……」


「死ね。」


悪魔の男が右手をかざすと上田さんが地面目掛けて吹っ飛んでいった。だが、地面に落ちる前に空中に留まった。


「なんなんだ今のは。触れずに僕を吹き飛ばした。やっぱアイツエスパー能力者か?」


上田さんはまた悪魔の男の元へと戻っていった。


「ねぇねぇ、やっぱ君凄いよ。エージェントにいたらエスパー部隊の副隊長レベルだ!」


「あ? 副隊長だと?」


上田さんは右手を悪魔の男にかざした。


「僕が隊長だからね。キャッチ……」


そう言うとかざした右手を閉じた。そしてその右手を思い切り下へ振り、手を開いた。すると悪魔の男は上空100メートルから一気に地面へ叩きつけられた。


「ぐっ、いってぇ……」


悪魔の男はゆっくり立ち上がろうとすると、上田さんも地上へ降りてきて、また右手をかざした。


死刻重力(デスグラビティ)!」

『ズドンッ!』


「くそっ……動けねぇ……」


上田さんは悪魔の男単体の重力を倍増させて動けなくした。

手と膝を着いて立とうとするが全く動かない。


「室田さんが狙いだよな?」


「…………」


「おいおい、もうちょい口を軽くしてほしいってか?」


すると、悪魔の姿から人間の姿に戻っている。


「こいつ、形態変化だったのか。元は人間か。だよな、悪魔なんているわけないよな。」


悪魔の男は地面に真っ暗な空間をこじ開け、そこに入っていった。


「げっ! 逃げられた! 僕の死刻重力(デスグラビティ)は僕から100メートル圏内に入れば発動し続けるんだが、全く手応えが無い。やっちまったぁ!」


エスパー部隊の他の4人も上田の所へ向かっていった。


「上田さん。大丈夫ですか?」


「大丈夫だけど、本当にすまない! 逃がした!」


「特殊な能力を使う相手でしたね。」


「君たち、体力を結構使ってしまったんじゃないのか?」


「結構使いましたね。」


悪魔の男は別の場所へ逃げていた。


「危なかったが、逃げ方はいくらでもある。あの男、隊長だったのか。前の金子という男といい、本部は面倒な相手ばかりだな。とりあえず、あと一撃食らわすか。」

『パチンッ!』


悪魔の男が指を鳴らすと渋谷のスクランブル交差点上空にまた真っ暗な空間が出てきた。


「もう一撃はどうだ?」


真っ暗な空間からまた大量の瓦礫が飛び出してきた。


「おいおい嘘だろ! 4人はもう空間結界はキツイよな。」


「すみません。」


「4人とも逃げてろ。ここは僕に任せてくれ。」


「はい。」


4人はその場から離れて上田さんは右手を上に上げた。


最高念力(さいこうねんりき)逆空域(ぎゃっくういき)!」


すると、落ちてきた瓦礫の動きが止まった。そしてその瓦礫がどんどん真っ暗な空間に戻っている。全て戻った後、真っ暗い空間は静かに閉じた。


「よし、これで戻った。終わりよければ全て良しだ。でも逃がしてるんだった……」


その頃悪魔の仮面の男は長野県まで逃げていた。


「流石に潰れたろ。今回は1発じゃ無理だったけど本気出せば勝てるな。次は本部を直接狙うか。やっぱエージェントと戦うのは楽しい。なぁ、蓮。」


後藤と山ちゃんは隠れて見ることしかできていなかった。


「おい、俺たち何かできたと思うか?」


「あの中に入ったら、多分死んでたかもな。すげぇよあの人たち。」


「エスパー部隊の先輩たち帰るみたいだから俺達も行くか。」


上田さんは本部に戻って署長に今回のことを報告していた。


「本当にすいませんでした!」


上田さんは深々と頭を下げた。


「仕方ない。相手は七魔神のメンバーだ。上田から逃げるなんて相当なやり手だな。」


「次は仕留めます!」


「無理をするな。皆で1人を相手にするのが1番確実だ。いざとなったらワシも出る。」


「本当ですか!? 大丈夫ですよ! 守護警部がいれば敵の一人くらい簡単にやれますよ!」


「これ以上一般市民を危険な目に合わせたくないからな。お前たちには期待しているぞ。」


「ありがとうございます。」


渋谷を襲い、エージェント達はそれを防ぎホッとしていたが、次に悪魔の仮面の男が仕掛けてくるのはそう遠い未来ではなかった。

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