53話 宣戦布告
3日間の休養を貰った俺は12月25日の今日までが休養日で、ベットで1人仰向けになっていた。
「昨日は散々喋っちまったなぁ。今日は何して過ごそうかな。癒も出勤で山ちゃんと後藤も今日はクリスマスで渋谷の取り締まり行ってるしな。暇だなぁ。」
と言いテレビをつけた。テレビはクリスマス関連の番組ばかり放送していた。そして、昨日の癒とのデートを思い出していた。
「あーあ、何だかんだで楽しかったなぁ。めっちゃ可愛かったし、しかもチューしちゃったし。ってか、俺たち付き合ってんのかな。」
俺は1人で暇すぎてひたすら色々な妄想していた。
「あ、そうだ! 地力性質の練習しなきゃ! まだ完全じゃなかった!」
俺は外へ出て、本部裏の広場で地力性質の練習を始めた。もうすぐお昼で、太陽も上がっているが肌寒い。そして少し風もあった。
「うん、いい風吹いてるな。よし、やるか。」
俺は身体の皮膚呼吸を意識しながら目をつぶった。
『集中するんだ。動くな。』
自分で風の性質を取り込んでいるのが実感できた。
『よし、この感覚だ。』
俺は身体から取り込んだ風を静かに放出した。
『なんだか気分がいいな。うん、左前方に小鳥が2匹、約70キロの速さで右方向に飛んでいる……ん? なんで分かるんだ?』
目を開けると小鳥が2匹飛んでいた。
「え、どういうことだ? まさか、そんなこともできるのか! 地力性質すげぇ! 自然の風は1回身体に入ると自分の物になるのか! だから放出した風で探知もできる!これは使えるぞ!」
俺はここで何となく新技を覚えてしまった。一方その頃、山ちゃんや後藤は渋谷の建物の屋上で取り締まっていた。
「山ちゃん、今日本当にクリスマスかってくらい人あんまりいないぞ? どうなってるんだ?」
「この時間は仕事の人が多いからな。社会人が少なく、多少学生がいるくらいだ。知ってるか? 20年ほど前、クリスマスの渋谷で人を刺しまくった男がいたらしい。そこから渋谷の取り締まりが出来たらしいぞ。」
「気味悪い事件だな。」
「人が集まる所は何が起きるか分からないからな。」
後藤はふと見ると一般警察が裏路地に走って入っていったのを見かけた。
「一般警察が誰かを追っているみたいだ。ここは俺たちの管轄区域だ。行った方がいいか?」
「一般警察からの要請で出よう。」
『ピーッピーッ』
「裏路地に怪しい人物発見。エージェントの要請を求む。」
山ちゃんがそう言った矢先、一般からの応援要請が来た。
『ピーッピーッ』
「こちらエージェント。すぐに向かう。」
「俺が行ってくる。山ちゃんはそのまま監視を続けてくれ。」
「何かあったら呼べよ。」
「俺一人で十分だろ。」
そう言って後藤はアルファマインドを発動し建物から飛び、一般警察が入っていった裏路地へ向かった。
「ここら辺だと思うんだけどな。っ!?」
すると、目の前に一般警察が倒れていた。後藤は近寄り首を触り脈拍を確認した。
「生きているな。気絶しているだけか。」
後藤は一般を壁に寄りかけて先へ進んだ。だが、進んだ先は行き止まりだった。
「行き止まりか。」
その時、黒い服で包まれた人が後藤の背後から背中を思い切り殴ったが、その拳は後藤の身体をすり抜けた。
「なんだ、コイツ!」
後藤は右足にダイヤモンドを溜めて回し蹴りをした。その攻撃をまともにくらい、奥の壁に叩きつけられた。
『ズドーンッ!』
後藤の両目は青く輝いていた。吹き飛ばした男をみると、悪魔の仮面を被っていた。
「お前、七魔神か!?」
「本当に有名だな。それよりお前のその目、アルファマインドか。それに右目の能力まで発現してるのか。」
「どうやらアルファマインドを知っているようだな。お前の目的はなんだ?」
「金だ。んまぁ、金だけじゃないんだが、今は金だな。」
「なんでこんな所にいるんだ。」
「遊んでるんだよ。」
「こんな昼間にか? ずいぶんと暇してるな。」
「いいだろ? 人殺せば金入るんだからな。」
その言葉に反応した後藤は仮面の男に飛び込んだ。
「凄いスピードだな。流石アルファマインドだ。」
『ズドーンッ!』
後藤は足にダイヤモンドを溜めて金剛石破壊でその場一体を吹き飛ばした。だが、そこに悪魔の仮面の男はいなかった。
「いない、どこだ?」
「見えなかったか?」
「っ!?」
気づくと上に飛んでいた。
「お前、足ばっか使うんだな。拳で戦えよ。」
『クソッ、手は前の古傷で完全に完治は出来ていないんだ。なるべく手は使いたくない。』
「んまぁいいか。ここで戦っても意味ないし、お前の能力イライラするからここで終わりにするか。」
すると、黒い翼が生え、体調が2メートル程まで大きくなった。
「なんだあれは。形態変化か?」
「今日の夜、楽しみにしとけよ。」
そう言い残し飛び去ろうとしている。後藤はアルファマインドを最大質力まで出し、空高く飛び上がった。
「待てよゴルァ!」
後藤の手が悪魔の男の足に届きそうになった時、悪魔の男が手をかざした。すると、真っ暗な空間が出てきた。
『な、なんだこれは!』
後藤はその中に入ると飛ぶ前の場所から真っ暗な空間が開き、そこにたどり着いた。
「どうなってるんだ? ワープか? 空間を自由に扱えるのか?」
後藤が上を見上げると既に悪魔の男はいなくなっていた。
「あいつ、今日の夜って言ってたな。」
後藤はその言葉を思い出し、すぐき山ちゃんの所へ向かった。
「大変だ! 今七魔神の1人がいたんだ!」
「なんだって!? 一般警察官の方は?」
「救助を呼んだ。それよりその男が今夜何かをするみたいなんだ!」
「どういうことだ?」
「詳しくは本部に向かいながら話す! とりあえず本部に向かうぞ!」
2人は急いで新宿本部に向かった。そして2人は自分の部署の各隊長にその話しを報告した。それにより、守護警部5人は署長室に呼ばれた。
「5人揃ったか。本日、七魔神のメンバーを渋谷で見かけたとの情報だが、以前名古屋駅での事件と同じ、悪魔の仮面の男らしい。奴の能力的に今回現場に行くのはエスパー部隊隊長、上田 瑛斗に任せたいと思う。」
「はい、任せて下さい。」
「もしかしたらこれは何かの罠かもしれない。後の4人は本部の警備に力を注いでくれ。」
「はい!」
守護警部5人が署長室を出ると、上田さんはエスパー部隊で特に優秀な4人を招集した。
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副隊長:橋本 暁斗
隊員:田島 幸雄
隊長:中谷 唯希
隊長:千田 真斗
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「よし、君たち行くぞ! 僕たち本部のエスパー部隊の力を見せてやろうぜ!」
と言った瞬間、上田さんは段差に足を引っ掛けてコケてしまった。
「大丈夫ですか? 上田さん。」
「あぁ、暁斗のおかげで助かったよ!」
副隊長の橋本が上田さんをコケる瞬間に浮かせていた。
「では改めて、行こう!」
そして上田さんを含めるエスパー部隊5人は渋谷に向かっていった。




