表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/64

36話 開戦

「そろそろ慣れてきた頃か?」


「……」


(いやし)はNo.6に話しかけられても何も口にはしない。


「んまぁ、最初に比べたら落ち着いた方が。昨日なんか叫んでいたもんなぁ。約束の日は明日だ。明日に寿命転生(じゅみょうてんせい)をしっかり使えるように準備しておけ。」


「……」


『ドンッ』


No.6はドアを強く閉め部屋を出ていった。癒は覚悟はしていたが、きっと皆が来てくれるのを信じ窓から外を見て着ている俺から貰ったパーカーを強く握りしめた。


「清水、次はどこだ!?」


「っ!? こっちだ!」


「いや、しかし清水の奴凄いな。1回であんなに体力使うのに継続的にやってるよ。」


「そういう(おととり)も何か手伝ってこいよ。」


「そうだな。

清水ー! 俺も何か手伝うことないかぁ?」


「ない……」


「あ、そうですか……」


『スタッ!』


すると、清水さんは急に止まった。


「おぉい! どうしたんだ!」


「ここって相模原市だよな?」


「あぁ、確かそうだ。」


「ここからは山梨県の山の中に入る。そしたら回路侵入(回路侵入)する防犯カメラが無い。」


「まじかよ、自力で探すしかないってことか。」


「ここからは各自分かれて探そう。ウチと鳳はこの山の周辺を探す。アルファマインドを持ってる山ちゃん、後藤、蓮はスピードもあるし広範囲探せるな。そしてなにかあったら無線で伝えてくれ。」


「あぁ。」


5人は各自自分の探す場所に向かった。


「くそっ、どこにもいねぇぞ。」

「ほんとにいるのか? こんなところ。」

「手がかりが無いんじゃあ見つけようが無いな。」


そして時間も過ぎていって5人には焦りすら感じていた。

その時俺が走って探していると……


『スタスタスタスタっ!』


「っ!?」


「どうした高倉。」


望月(もちづき)さん、まだ距離は遠いですが侵入者です。俺が仕掛けた探知式の砂鉄を踏んだ者がいます。」


「なんだ、たまたま山に来た一般市民だろう。」


「いいや、それがもの凄いスピードで移動しているんです。おそらくエージェントかと……」


「なんだ、エージェントも一般市民も俺にとっては変わらん。もしここに来てもすぐ殺せる。んまぁ、お前らがいれば俺が出る必要も無いか。お前ら4人には期待しているぞ。」


「望月さん、俺が見てくる。」


只野(ただの)、お前にしては珍しいな。自ら仕事をするなんてな。」


「俺は待機組だったから5日もここにいる。外の景色も久々に見たいし、ホント見てくるだけだよ。面倒なのは嫌いなんで。」


「任せたぞ。元No.4の一番弟子。」


「その呼び方はやめてくれ。高倉、探知した大まかな位置を教えてくれ。」


「あぁ。途中まで一緒にいく。」


高倉と只野は侵入者を探しに建物の外へ出ていった。

それに対して俺たち5人は何の手がかりがも掴めず夜を迎えてしまった。


「くそっ、今日もダメか。癒が無事ならいいけど、流石に手がかりが無さすぎるな。どうすればいいんだ……」


「こちら清水、皆何か手がかりがあった?」


「こちら後藤、全くだ。」


「こちら山本、今日は今いる所で休もう。明日に備えるんだ。」


「了解。」


俺は疲れてしまっていたのか、いつの間にか寝てしまって気づけば朝になっていた。もしもの為に木の上で寝ていて、寝ぼけてしまい誤って木から落ちていたしまった。


『ドスンッ!』「痛ぇっ!」


「いってててて。っ!? 時刻は!?」


俺は小型の時計をポケットから出して時刻を確認した。


「6時47分52秒。もう行かなきゃな……ん?」


すると前から1人の男が歩いてきた。その男は髪が長く白い服を着ていて、(えり)が長かった為口は見えない姿だった。


「こちら小原、人を発見。」


「こちら山本、話を聞いてくれ。」


「了解。」


俺はその男に近づき話をうかがった。


「すみません。ここら辺に住んでいる人ですか?」


「あぁ、あの山奥に住んでいる。」


「ここら辺で怪しい男達を見ませんでしたか?」


「いいや、知らないな。何かあったんですか?」


「今エージェントが脱獄犯を追っているんです。怪しい男達を見かけたらすぐに逃げてください。危険ですので。」


「そうか、分かった。すまないな。」


そういうとその男は歩いて今来た道を帰っていった。


『よし、これで一般市民の命も1つ救えたかな。』


「こちら清水、どうだった?」


「一般市民だ。でもなんでここに。」


そしてすと今の男を振り返ると既に男の姿は無かった。


「あれ?」


「どうしたんだ?」


「今歩いていった男がもう居ないんだ。もしかしたらこんな山奥だから幽霊を見ちゃったとか!? やばい、寒気がしてきた……」


「こちら鳳、その男、どんな格好していた?」


「たしか、髪が長くて白い服を着ていて、襟が長くて口が見えなかったぞ。」


「おい! やばいぞ! そいつ、脱獄犯の只野だ!」


「え!?」


只野は既に俺の背後にいて刀を振りかざしていた。


「やばい!」


『キーーンッ!』


俺は思わず倒れ込んでしまった。


「うわっ、これは、氷!?」


俺の首目掛けて振り下ろされた刀は体力の氷の結晶で軌道を変えられ、俺の首まで届かなかった。


「蓮、大丈夫か!?」


「山ちゃん! なんでここに!?」


「人を見つけたって言った時点で怪しいと思ってた。蓮のGPSを見て最大速度で来たんだ。ギリギリ間に合って良かった。」


「すまねぇな。」


「ちっ、2人もいるのか? しかも、今来た1人は中々のスピードだったな。それにあの左目、アルファマインドか。」


「こちら山本、皆、GPSを見て俺達の所へ来てくれ。ついに脱獄犯を発見した。」


それを聞き、3人は俺と山ちゃんの所へ向かった。


「2対1。どっちが有利だか分かってるよな?」


「……」


「なんか不気味だな、こいつ。これがNo.4の元一番弟子か。殺気というか、オーラというか、凄いものを感じる。」


「2対1だなんて、目の前の事だけを見たらそう見えるがな。」


「っ!?」


俺と山ちゃんの周辺が影で覆われた。


「蓮、上だ!」


『スドーーーンっ!』


「なんだこれは、鉄か!?」


大きな鉄の塊が上から降ってきた。それを山ちゃんが氷でガードした。


「蓮、前だ!」


目の前を見ると、只野が刀で俺を刺そうとしてきていた。俺はアルファマインドを使い、カウンターをした。


「っ!? この目は!」


『スパンッ!』


俺は刀を避け只野を強く蹴り飛ばし、只野は木々を突き破りながら吹っ飛んでいった。吹っ飛んだ先には鉄を操っている高倉がいた。


「おい只野! なにここまで吹っ飛んできてんだよ。」


「少し、いいや、完全に油断した。だが面白い物が見れた。」


「面白いもの?」


「あの2人を頼む。俺は一旦アジトへ帰る。遠隔のお前なら俺より優位に戦えるはずだ。それにお前の存在には気づいていない。任せたぞ。」


「はいよ。」


只野は1人、走ってアジトへ帰っていった。

山ちゃんは鉄の塊を振り払った。


「この能力は、鉄を操る高倉という男か。」


「どこにいるんだ。この森の中だから良く分からないな。」


2人は別の方向を見ていると、両端から鉄の塊が押し寄せてきた。


「蓮、止めるぞ!」


『ドーーーンッ!』


俺と山ちゃんはアルファマインドを使い、素手で止めた。


「山ちゃん、俺ら2人を一緒に潰すつもりだ。」


「見たいだな。」


すると2人に向かって(とが)った鉄の棒が何十本も勢い良く向かってきた。


「ダメだ、ここまで防げない!」


2人は目をつぶった。しかし現状はそのまま。目の前を見ると、鉄の棒が止まっている。


「何が起きた!?」


「ウチが1番近かったんだが、間に合って良かった。」


「清水さん!!」


清水さんがエスパー能力で鉄の棒の動きを止めていた。


「解!」


鉄の棒は地面へと落ちた。するとそこに後藤も来た。


「清水の方が早かったか。」


「ちっ、4人もいるのか、これは少々時間がかかりそうだな。」


「おいお前! そこにいるのは分かっている! 出てこい!」


清水さんがそう言うと大人しく高倉は出てきた。俺と山ちゃんも鉄の塊を振り払った。


『こいつだ、ウチを気絶させて癒を(さら)っていったのは。』


「只野は?」


「姿が見えない、No.6の所へ行ったのかもしれない。」


「お前ら3人は只野を追ってくれ。No.6に知られたら逃げられてしまう。しかもコイツには仮があるしな。」


「あの時の弱い女か。」


「行ってくれ。」


3人が只野を追おうとすると、大量の鉄の棒が降り掛かってきた。だが清水さんがその全ての動きを止め、3人を先へ進ませた。


「清水の奴、これを全部止めやがった。かなり本気だな。」


「任せたぞ!」


3人は清水さんから遠ざかっていく。


「おい女。中々やるじゃねぇか。俺と同じ様な能力か?」


「お前よりかは色んな物を動かせるさ。」


「言うねぇ。女のくせにな。あの3人、死ぬぞ? その先にはNo.6がいる。」


「大丈夫だ。ウチらにも1人、本気にさせるととんでもねぇ化け物がいる。」


「それなら問題ねぇな。さぁ、始めようぜ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ