29話 最初の能力
「自由が効かないのはどんな気分だ!? よし、3人の目を貰おうかな。その後殺してやる……。」
3人はスローモーションでしか動けない事にイラだっていた。
『くそっ! なんで速く動いてくんねぇんだよ!』
『ふざけた能力使いやがる!』
『この状況どうすればいいんだ!』
すると今川の後ろで岩が2つ浮いていた。見るとさっき洗脳の山ちゃんに殴られた清水さんが鼻血を出しながら岩を浮かせていた。
「これでもくらえ!」
清水さんは今川に岩を投げ飛ばした。すると、今川の10メートル手前まで来ると急に岩がスローモーションに動き始めた。
『そうか、この能力は能力者から10メートル程の範囲で行われている現象なのか。なら10メートル以上離れないと、って言っても動くのが遅い。』
「岩を投げつけるなんて無駄なことを……」
そう言うと今川は上へ飛び、今川が10メートル以上浮上すると急に身体が動いた。それと同時に岩が俺と山ちゃんにぶつかった。腕で防いだが相当な威力。
「ぐはっ!」
「小原! 山本! 大丈夫か!?」
清水さんは心配をして走りよってきた。
「あぁ、大丈夫だ。」
「これでおあいこだ。」
空中にいた今川が地面へ着地し、少しずつ歩み寄ってきた。
「この能力があればいつでもお前らを殺すことが出来るからな。急ぐ必要は無いんだ。お前らも精々早死しないように頑張れ。」
すると一瞬で移動してきて4人の10メートル以内の位置に移動してきた。4人はまたスローモーションになってしまった。と思いきや……
『くっ、またかよ……あれ? なんで後藤のやつ、普通に動いてんだ!?』
後藤だけは唯一普通に動いていた。後藤の両目は青く輝いている。
『そうか、後藤のやつ、遅化領域の中で貫通を使ったのか! この領域をすり抜けている!』
「ほほぉ、なるほど。この遅化領域の中で普通に動けたのはお前が初めてだ。だが、その能力、解かないと俺に攻撃できないはずだ。結局は他の奴ら同然だ。解いた瞬間またスローモーションに動き始める。つまり、意味が無いってことだ。」
「くそっ、やっぱバレてたか……」
「ここでは俺が1番強い! はっはっはっはっは!」
『くそっ、殴る瞬間に貫通を解けば勢いのまま殴れるが、それは0.00001秒より短く解く、まさに神業的な攻撃だが、外したら終わりだ。』
後藤は右腕にダイヤモンドを固めた。
「この状況で挑戦するか、いいだろう。」
後藤は今川に向かって走り出した。
『だがアルファマインドなら、この目ならそれが出来る。』
後藤が殴る瞬間に今川は避けた。後藤はそれを予想していた。
「こっちだ!」
『シュピュンッ』
今川はまたそれを予想し、後藤の攻撃を避けた。後藤はスローモーションになってしまった。
「青のアルファマインドが赤のアルファマインドに動きで勝てるとでも思ってるのか!?」
『ドカッ!』
今川は後藤の腹を蹴り飛ばした。遅化領域の中では蹴り飛ばしてもゆっくり動いてしまう。
『くそっ、痛みがゆっくり来やがる、意識は通常の感覚だからキツい……』
「だから言ったのによ、無意味だと。痛い思いしたくなったら言う事を聞け。痛みを感じさせないまま殺してやったのによ。」
後藤は10メートル以上離れなたところまで飛ばされると急に凄まじいスピードで壁まで打ち付けられた。
「ガハッ!」
他の3人は見ることしかできない。
「よし、では行くぞ。まずは金のアルファマインドからだ。しっかり頂くぞ。」
すると、奥にいた癒が叫んだ。
「小原君! だめだよ! 逃げないと……やばいよ……」
『そんなことは分かってるけど、身体が動いてくれねぇ!
くっそ、ストレス溜まりやがる!』
「おい小娘、お前はすぐNo.6の所に送ってやるから。じっとしてろ!」
『No.6!? どういうことだ!?』
今川は俺の目の前に来て、目をくり抜こうと手を出てきた。
「や……めろ……」
後藤も声を出すが動けない。
『くそっ! やばいよ!』
『なんで何も出来ねぇんだ!』
山ちゃんと清水さんも思うように動けない。俺は身体に力が入り右手に性質進化の風をスローモーションだが溜めていた。
「小原 蓮。残念だったな。」
今川は俺の右目から取ろうとした。その瞬間、俺は時が止まった様な感覚に襲われた。
『あれ、スローモーション? いや、止まったのか!?』
すると、今までの記憶が蘇ってきた。
『今までやってきたこと、無駄にはできない……』
俺の右目が金色に光った。今川は自分の手でそれが見えていなかった。今川の赤い両目が普通の目に戻った。
「なんだ!?」
『動ける!』
右手に溜めてた風でそのまま今川を殴った。
『ズバーンッ!』
「がはっ!!」
『アルファマインドを発動していないから耐久はほぼ無い!』
「風神の拳!」
今川を吹き飛ばした。山ちゃんと清水さんも動けるようになった。
「ど、どうなっている。」
「普通に動ける!? 今川が遅化領域を解いたのか!?」
2人は俺を見ると右目を指さした。
「おい、蓮その目……」
俺は両目が金色に光っている事を知らなかった。でも少し身体から力が漲ってくるのが感じられた。
「俺、今何を……」
『ドカーンッ!』
今川が吹っ飛ばされた場所から飛び出てきた。
「小原ぁーー!」
今川の左目は真っ赤で、まるで殺意の目をしていた。
「小原、お前何をした!?」
「俺は……」
「そうだよな。最初は分からないよな。なら俺が直接確かめてやる!」
一瞬で俺の目の前まで移動してきた。
「遅化領域!」
『ブンッ!』
俺はまた右目の能力を使った。するとまた遅化領域が解けて今川は普通の目に戻った。
「なぜだ!?」
俺は今川を力いっぱい殴った。
『バンッ!』「ぐはーっ!」
「どうやら、もうその能力は通用しないらしいな、今川!」
今川は焦っていた。なぜ自分の能力が1番ではないのかと考えたくもなかった。
『そうか、こいつの能力、相手の能力を中止させるような能力なのか!? それしか考えられない。勝手に遅化領域、そしてアルファマインドまでもが中止させられる!』
「もうお前の能力なんて恐くねぇな! 今川ぁ!」
「はぁはぁはぁはぁはぁ……」
今川はとても動揺していた。だが、俺の身体にも異変が起きていた。
『おかしい、何もしていないのに体力が……』
「小原、お前初めてだから知らないのか。」
すると後藤も腹を抱えながら近づいてきた。
「小原、右目の能力を短い時間で使うな。体力の消耗が激しいぞ。」
『そういう事か、連続で使ったから……』
今川はニヤリと笑を浮かべた。
『あと1回、あと1回なら行ける。』
「最初からそうすれば良かったんだ……ふっふっふっ……
最初から小原を洗脳すれば良かったんだ!」
「やばい! 小原! 何かの影に隠れろ!」
「さぁ! 先に洗脳を使えば能力の中止なんてそもそも出来ないからな!」
「あと1回なら!」
「いや、俺の方が早い! 洗脳!」
俺の頭の中に何かが入ってきた様な感覚がした。




