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26話 No.6 vs 三井 大輔

「No.6!?」


「やっぱエージェントは俺達脱獄者を探し回ってたのか。やめとけよ、こういう風になりたくないならな。」


そう言うと殺したエージェントの加藤をこちらに投げてきた。三井さんは殺された部下を目の前にしても冷静でいた。いや、冷静でないとダメだった。


『すまなかった……加藤……』

「お前、これが何を意味するか分かってるのか?」


「あ?」


「俺はお前の能力を知っている。天厳収に収監されていたからな。」


「さっきから態度がデカイな。誰だお前は。」


「総合格闘部隊副隊長、三井(みつい) 大輔(だいすけ)だ。」


その瞬間左目を青く光らせた。


『くっ、こいつアルファマインドを使うのか。本部のエージェントはレベルが高いな。』


三井さんは森林の中を凄いスピードで駆け(めぐ)った。だが、No.6からは一瞬足りとも目を離さない。


『なんてスピードだ。前署長の室田(むろた)程じゃねぇが、流石に速いな。』


次の瞬間、三井さんはNo.6に飛び込んだ。だが、No.6も目で追っていた。


「俺に近ずいたな……」


するとNo.6は右手をチェンソーに変形させ、三井さんに向けた。


『これがNo.6の能力、想像変擬体(そうぞうへんぎたい)。これが天然のジエーネなんて考えられねぇな……』


三井さんは目をつぶった。


『ただ身体を凶器に変えるだけだからな、当たらなければいい話しだ。』


目を力強く開けると右目も青く光った。


空間移動(ムーブメント)!」


気づくと三井さんはNo.6の後ろにいた。


『な、なんだ……光速で移動したのか!? いや、移動していたとしても俺のチェンソーが貫いている。空間を移動したのか!? それしか考えられない……』


硬化(こうか)!」


三井さんは拳を硬化させ、No.6の方へ振り返り殴ろうとした。


「お前も物理攻撃か!」


No.6は背中から服を突き破り長い(やいば)が飛び出してきた。三井さんは殴るのを止め、刃をかわそうとするが、(ほほ)(わず)かにかすって地面に突き刺さった。


『危なかった。こいつ身体のどこからでも変形できるのか、便利な能力だ。アルファマインドを使っていなかったら脳を突き破られていた……』


「これで終わりじゃねぇぞ!」


すると刃の左側からまた服を突き破り鉄の様な物が三井さんの顔の前で止まった。


「こ、これは……」


「ロケットランチャーだぁぁ!!」


No.6は背中全体から自分を守るように分厚い鉄の板を瞬時に出し、ロケットランチャーを発射した。


「死ねぇぇ!!」


三井さんは両腕を硬化して身を守りながら避けようとした。


『ドカーーーンッ!!』


その威力は通常のロケットランチャーよりも強かった。

辺りの木々は吹き飛ばされていた。三井さんは空中に逃げていた。硬化した両腕の(そで)は破れていたが無事だった。


『危なかった。両腕硬化と空間移動(ムーブメント)を使っていなかったら確実に死んでいた……身体から発射されたのになんて威力だ。』


すると地面からNo.6が出てきた。


「死ぬかと思ったぜ!

なんだ、あいつまだ生きてんのか! しぶといなぁ。」


No.6は足をバネの様な形に変形させて、三井さんのいる空中へと飛んだ。


「次は殺してやるからよ!」


両腕をチェンソーにして三井さんを挟む様に胴体を切断しようとした。三井さんは空間移動(ムーブメント)で身体1つ分上に浮上し、硬化して反撃を試みるが、No.6が急に口を大きく開けた。


『ヤバい、空間移動(ムーブメント)は2秒のインターバルが必要。避けきれない!』


No.6の口から刃が飛び出てきた。三井さんは硬化した左手で刃を弾いて距離を取った。


『くそっ、やりたい放題だな……なんでも創れてしまう身体は単純な様でとても厄介だ。近くの国分寺警察署に応援要請を送ろう。』


三井さんはスマホを使って国分寺警察署エージェント部署に応援要請を送った。


『ピッ』


「お前、国分寺警察署に応援要請を送ったろ?」


『くっ! なぜそれを……』


この時No.6は耳に補聴器を創っていた。


「応援が来るまでに殺すまでだ……」


No.6の身体から無数の刃が出てきた。


「行くぜぇ!!」


身体を回転させて突進してきた。三井さんは硬化右腕を硬化させながら空間移動(ムーブメント)で空中に移動した。


「こんな単純な攻撃が当たるか! なっ……」


見ると、下にいたNo.6がこっちを見て笑っていた。No.6の左腕が拳銃に変わっていたのだ


「終わりだ……」


『パンッ!』


それは近くにいた住民にも聞こえた。


「なんだ今の音は?」


三井さんは頭から血を流して倒れていた。


「俺に立ち向かってくるような馬鹿はこうなるんだよ。」


そう言うとNo.6は逃げていった。その後すぐに国分寺警察署のエージェント達が駆けつけた。そこには加賀の姿もあった。


「大丈夫ですか!?」


「う、うぅ……はぁ……」


三井さんは頭を抱えながら起き上がった。(ひたい)には血が出ていた。


「よかった、生きてる!大丈夫ですか!? 相手はNo.6だって……」


「あぁ、頭を集中硬化していなかったら死んでいた……」

『抜け目の無いやつだった。身体からあんなに刃を出すなら総合格闘部隊の俺にはキツイな。』


「すまない、No.6には逃げられてしまった……」


「大丈夫です! あとは俺たちに任せてください!」


「無理はしないでくれ。相手はNo.6だ。」

『しかし簡単にやられちまったな……。これじゃあ本部に顔見せできないな……』


三井さんはこのまま本部の医療室に運ばれた。国分寺警察署の加賀も同行していて、そこには金子さんもいた。


「なんだ、軽傷じゃねぇか。」


「すみません金子さん。No.6を逃しました。」


「もっとやってくれると思ったんだけどなぁ……」


「すみません、期待に答えられなくて。」


「んまぁ、ほぼ素手で戦う総合格闘部隊にはキツイ相手だったな。それにお前が勝てなかったんだからしょうがない。」


「…………」


「加藤の事はお前のせいじゃない。あいつも命をかけてNo.6と戦ったんだ。あいつの分まで俺たちは戦おうな。」


「はい。」


そこに今川署長も来た。


「三井、大丈夫か?」


「はい、大丈夫です。すみません、No.6を……」


「いや、いいんだ。お前が無事でよかった。」


金子さんと三井さんは今川署長がやはり気になっていた。一見部下思いにも見えるが、その瞳の奥には闇がある気がしてならなかった。


「No.6は引き続き捜索をする。金子も頼んだよ。」


「はい。」


署長は医療室を出ていこうとしていた。そこに三井さんが医療室にいることを知り、俺が医療室に入ろうとして署長とすれ違った。署長に一礼をしたが署長は笑っていた。とても不気味な笑顔だったが、とりあえず三井さんの方へ向かった。


「三井さん! 大丈夫ですか!」


「あぁ、なんとかな。」


「おい! 小原!」


「加賀! お前なんでここに!?」


「三井さんがNo.6にやられたのは国分寺なんだ。俺は国分寺のエージェントだから三井さんをここまで運ぶのに同行してきた。」


「そういうことか! あとで来てくれ、少し話しがあるんだ。」


俺と加賀は俺の部屋で署長の話しをした。


「そういうことか。じゃあ署長とNo.6は繋がってるってことか。普通にかんがえたらありえないけどな!」


「そうなんだ。山ちゃんと後藤もあまり信じてもらえなくなっちまった。」


「そりゃあそうだよ。署長が敵だなんて、考えたくもない。」


加賀もあまり考えられなかったが、とりあえずは信じることにした。


「今はNo.6が目撃されているのは2回とも国分寺市なんだ。だからNo.6は頼んだぞ。」


「任せろ!」


加賀は用が済んだので国分寺警察署に戻って行った。

するとどこかから誰かが叫んでいる声がした。


(いやし)ー! 癒ー!」


よく見てみると奥から清水さんが叫びながら走っていた。


「清水さん! どうしたんだ? さっきから癒って。」


「はぁはぁ、癒がどこにもいないんだ!」


「医療部隊で何か研修でもしてるんじゃないのか?」


「いいや! 今日は癒は休みの日なんだ! ウチは癒と同部屋なんだが姿が見えないんだ!」


「なんだって!?」

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