17話 無力
「工藤、玉田、ここからは3人で行くぞ。」
「はい。」
「もう4人も片付けたんだ。3人来ようが変わんねぇよ!」
「工藤、玉田、行け!」
工藤さんと玉田さんは登坂の上を飛び越えNo.2の方へ向かっていった。
「てめぇら! なにしてやがる!」
「登坂! お前の相手は俺だ!」
荒川さんは登坂に走っていき、登坂の両手を塞ぎ、工藤さんと玉田さんが登坂に追われないように誘導した。
「お前らがこの俺と対等に戦えるわけが無い。」
No.2は黒い服装でフードを被っていたが、その中から青い目を不気味に光らせてそう言った。
「こいつ……アルファマインドを持っている!
玉田! 一旦引け!」
工藤さんと玉田さんはNo.2の前で足を止めた。
「工藤さんどうします? もし右目の能力を発現していたとしたら……」
「あぁ、それが1番恐いな。遠目から攻撃しよう。」
玉田さんは手から雪を、工藤さんは地面に手を着いた。
玉田さんが出した雪が狼の形をしてNo.2に襲いかかった。
「狼雪猛進!」
『グガァァ!』
3匹の雪の狼がNo.2を襲う。No.2は軽々と避けていくが、避けていく姿はまるで水が動いている感じだった。
「なんだ、不気味な姿しやがる……」
「玉田、俺が動きを止める! 地牙決裂!」
地面が牙の形をしてNo.2を噛み砕く様に挟んだ。
追い討ちをかけるように狼雪猛進をぶつけた。
だがNo.2の姿が見えない。
「No.2はどこに行った……」
「玉田! 後ろだ!」
玉田さんは後ろを向こうとするが、後頚部に強く殴られ気絶してしまった。その瞬間水が飛び散った。
「だから言ったろ。対等に戦えるわけがないと。」
「くそっ! No.2と1対1かよ……」
『相手はおそらく水の性質を持つ能力だろう。それに、あいつの体は水の何らかの特異体質みたいだな。
それがアルファマインドによるものなのか。』
その頃荒川さんと登坂は攻撃を仕掛けては避けられ、工房の一進一退の中だった。
「荒川! さっきの攻撃でスピードが落ちてるぞ!」
『ちっ、さっきの攻撃で左半身が言うこと聞かねぇ……』
「なら決めるぜ!天華 の技・君子蘭!」
「なんだこれは!」
登坂は2本の刀を振り回し、刀は風との摩擦を作り橙色に輝きだした。
「おらぁ!」
登坂は2本の刀で乱回転しながら近寄ってくる。
荒川さんは必死で逃げるが、1メートル離れていても風圧で身体がどんどん切れていく。
「これでラストだ!」
登坂は2本の刀を重ねて思い切り振り下ろした。
荒川さんは直接刀を受けてしまい、血が飛び散りながら地面に倒れてしまった。
「荒川も終わった。あとは雑魚1匹だな。」
そう言うと登坂は工藤さんの方へ走り出した。
「これで立川のエージェント全滅だぁぁ!」
登坂はNo.2と向き合っている工藤さんを背後から刀で刺そうとするが……
「な……なんだと……」
すると血まみれで刀を素手で止めた荒川さんがいた。
「荒川さん!」
「工藤、気にすんな。部下を守るのか上司の役目だろ。
そして市民の平和を守るのも役目だ。
この命尽きるまで、目の前にいる悪と戦うのがエージェントだ! てめぇが亡きものにした命の分まで戦うのがエージェントだぁ!」
荒川さんは手から血を出しながらも刀を強く握った。
「くそっ! 離れねぇ!」
荒川さんは刀を思い切り回転させ、刀を握る左手を折り曲げた。
「ああぁぁ!」
『登坂だけでも……こいつだけでも……絶対に捕まえて制裁を下してやる!』
「神速・無限の奏乱!」
荒川さんは登坂に神速のスピードで打撃を加えていった。早すぎて100人くらいの荒川さんの残像が浮かび上がる。そして次々と登坂の骨を折っていく。
『荒川のやつ、ただ殴ってるだけじゃねぇ。1発1発俺に殺意があるようにも感じる。これはやられる!』
「美紅乱舞!」
『バキンッ!』
「俺の刀が折れた!?」
その後も登坂の体をどんどん削っていく。
登坂は意識が遠のいていた。
『やべぇ、荒川……くそっ。』
「これで終わりだぁ!」
すると荒川の目の前にNo.2が急に出てきた。
『な、No.2!?』
No.2は荒川さんをはじき飛ばした。
「俺の神速を見切ったのか!?」
「登坂、本部の応援が来たようだ。ここから離れるぞ。アルファマインドのガキの回収は今からじゃ難しい。また今度の機会にするぞ。」
「ぁぁ……分かっ、た。」
「酷いありさまだな。」
No.2は登坂を抱えてその場を去った。
「登坂ぁぁ! 工藤! 逃がすな!」
「はい! 地手陰忝!」
地面にが手の形をしてNo.2を追いかけた。
「届けぇぇ!」
「猛呼滅水!」
No.2は手から大量の水を出し、工藤さんの地手陰忝を防いで工場から脱出した。
荒川さんと工藤さんはただそれを見ている事しかだきなかった。
「2回も……2回も逃しちまった……」
「お前ら大丈夫か!?」
本部の応援が来て、そこに来たのは前に俺を推薦してくれた金子さんだった。金子さんは周りを見渡す。
「な、なんだよこれ。早く皆を特別医療部隊に連れて行け!」
そこには胸元を切り裂かれた多田さんや、左手が無い鈴木さんなど、重傷者ばかりだった。
荒川さんも周りを見渡すと責任感や、罪悪感に襲われた。
「俺が守れなかった……皆を守れなかった……」
「荒川! 大丈夫か!? お前も重傷じゃないか! 特別医療部隊に連れていくぞ!」
「金子さん。すみません。」
「なんで謝るんだ? お前は強い。最善を尽くしたんだろ? 実際に他のエージェントはまだ息がある。良く仲間を殺されずに頑張った。」
「…………」
「No.2はまだ能力や詳細が唯一分からない相手だ。
やり合ったならどんな能力だったか教えてほしい。
とりあえず医療部隊に行って情報を貰うぞ。」
「はい。」
荒川さんは金子さんに担がれて本部向かった。
俺も気づいたら本部の医療部隊のベットで寝ていた。
「俺は……いつから……」
周りを見渡すと立川エージェント部隊の皆が寝ていた。
重傷の皆を見て俺はまた自分の無力さを感じていた。
『皆が戦っている間に俺は何を……』
「起きたか、小原。」
そこには包帯で包まれた身体の荒川さんがベットにいた。
「荒川さん。すみません。俺は……」
「気にするな。俺も同じ気持ちだ。俺も役割が果たせなかった。」
「俺が急に飛び出したから全部台無しに……」
「あんなこと言われて怒らない奴なんていない。
俺でも飛び出すさ。」
俺は荒川さんにそう言われても、やはり一緒に戦えなかったのが悔しかった。
「あと、No.2の狙いはやはりお前だった。」
「やっぱり俺の目だったんですね。」
「お前の持つアルファマインドは力が強すぎるからな。そこで1つ本部からの提案だ。」
「提案とは、なんですか?」
「お前は今日から本部のエージェントだ。」
「え!?」
『エージェント・ポリス』ーーー特殊警察部隊
人類・・・64年前に超次元社会になってから異能力を悪用し、それをと止めるために出来た組織。
小原 蓮・・・17年前の事件からエージェント・ポリスが生まれた。これは17年前の事件で人類で一人意識があった為に違った認識になってしまったんだろうか?




