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15話 衝突

本部である新宿警察署エージェント部署は東京全体に緊急事態宣言を発令し、都内の警戒態勢を強めた。

テレビでニュースにもなっている。

都内では22時以降の外出は禁止。仕事であっても禁止。

コンビニも21時までと定めた。

事件の発生件数が減るように見えた。

だが、逆にに発生件数が上昇していった。


「立川中央銀行で強盗だ! すぐに向かうぞ!」


「はい!」


そう。22時以降の人気(ひとけ)が無い間を狙って犯罪を起こす人も増えていたのだ。

そして俺を含め、菅井さんと多田さんの3人で立川中央銀行へ到着した。

他のエージェントは別に事件が発生するかもしれないので待機している。

菅井さんが先陣(せんじん)を切った。


「もうここは包囲された! 抵抗しないで出てこい!」


「菅井さん!」


「多田、どうした。」


「情報によると、2人組の犯行みたいです。

そして2人共ジエーネみたいです。」


「ちっ、また能力者か……」


「小原、次に犯人の反応が無かったら扉を風でぶっ壊してくれ。」


「はい!」


「これで最後だ! ここは完全に包囲した!

大人しく出てこい!」


反応が全くなかった。


「小原、やってくれ。」


「はい!」


俺は扉から15メートル程離れて右手に風を溜めた。


「行きます! 大風伝……」

「ちょっと待て!」


菅井さんがそう言うと、2人組みが中から出てきた。


人質(ひとじち)の女に人差し指を向けている男と、機械の様な腕をした男の2人組が出てきた。

2人ともマスクをしていたが、あまり焦りは無さそうだった。


「こいつの命が欲しけりゃ俺たちを逃せ!」


「お前ら、自分の命が欲しけりゃ大人しく捕まれ!」


菅井さんは銃を向けた。

すると人質を持っている方の男が人差し指をこちらに向けた。

人差し指には穴が空いていた。


「お前、エージェントでも流石に俺達には喧嘩売らない方がいいぜ?」


「エージェントを舐めるなよ。」


俺と菅井さん、多田さんは顔を合わせて頷いた。

そして俺はアルファマインドを発動し、足に風を集中させた。


「行くぜ!」


俺は思い切り踏み出し、人質を掴んで一瞬で救出した。


「あれ!? なんだこの速さは!」


「多田! 行け!」


多田さんは隣の男に走っていった。


腕部増強(わんぶぞうきょう)!」


多田さんの両腕が膨れ上がるように大きくなった。

犯行人は機械の様な腕で対抗しようとした。


「マシンアーム!」


『バキンッ!』


拳と拳がぶつかり合ったが、犯行人のマシンの腕が砕け散った。


「う……嘘だろ!?」


「おい! 何してんだ! 俺だけでもやるしかねぇ!」


『パンッ!』


犯行人は菅井目掛けて指から玉を放った。


「お前の玉、止まって見えるぜ。 炎転弾(えんてんだん)!」


菅井さんの放った玉は、打った瞬間にとてつもない火力を出した。

その玉は炎を(まと)っていた。そして相手の玉を弾き飛ばしそのまま犯行人に命中。


「ぐはっ! あちっ!」


犯行人は銀行の中まで窓ガラスを突き破って飛ばされた。


「よし。多田、そっちも終わったか?」


「はい! 終わってます!」


多田さんは犯行人の胸ぐらを掴んでいた。

菅井さんは吹っ飛ばした犯行人の近くまで行った。


「大丈夫か?最大質力じゃないから腹に穴は空いてないと思うんだが……」


犯行人は気を失っていた。

菅井さんと多田さんはジエーネ相手にして簡単に倒してしまった。


「小原! お前やっぱ早いな! 荒川さん程じゃないがビックリしたぞ!」


「本当ですか!? ありがとうございます!」


犯行人は能力が発動できない手錠を掛けられ連行された。俺は初めて力になれた気がした。

経験を積んでいけるのは良いが、なるべくこういう事件は起こってほしくはない。

今回は金がない2人組の銀行強盗だった。

そして俺たちは部署に戻った。


「任務完了しました。

銀行強盗の犯行はジエーネによる金銭目的によるものでした。No.2や登坂とは全く関係ありませんでした。」


「そうか、だが事件をまた一つ解決できた。

犠牲者がいないのは何より良い結果だった。

よくやってくれた。」


そう言う荒川さんも行きたそうだったが、今日は34歳の勘が当たるとか、他にもっと重要な事件が起こるとか言って行かなかったのだ。


「おかしいなぁ。最近は当たるんだけどなぁ。」


もうそんな荒川さんの事は誰もツッコミもせず、皆は無視していた。無視していたというより、最近は事件が多く皆は疲れていた。

翌日、出勤してくる一般警察やエージェントはクタクタで椅子に座った。最近は夜の事件も多かったので皆は眠かった。


「おはよう皆! 今日こそはNo.2の足取りを掴むぞ!」

荒川さんが元気良く入ってきたが、皆は机に(ひたい)を当てて返事も出来なかった。


「なんだ皆、元気が無いな。」


「荒川さんはNo.2の事ばかりで全く他の事件に参加しないじゃないですかぁ……。もう私達クタクタですぅ……」


鈴木さんは皆の思っていることを代弁した。


「大丈夫だ! 今日こそは来る!」


そう言って荒川さんは机に座りコーヒーを飲んだ。

昼が過ぎ、時間は21時を回った。


「今日はやけに事件が無いですね。」


「そうだなぁ。」


すると1本の電話が……


「こちら立川警察署エージェント部署、署長の荒川です…………なんだって!?」


皆は目が覚めるように立ち上がった。


「荒川さん……まさか……」


「あぁ……No.2の目撃情報が入った。」


部署に一瞬にして緊張感が走った。


「これは全員で行くぞ! 場所は立川市南東にある工場跡地だ!」


皆はやる気に満ち溢れていた。

各々考えている事はあると思う。

俺は翔の因縁を果たす為に登坂を絶対に捕まえると決めていた。


「立川警察署エージェント部署、出動!」


エージェントに新人なんて関係ない。力になれる事をただ必死になってやる。市民の安全を守れる事を考える。

それをこの部署に入ってから、翔の死から多く学んだ。


『ここまで来たらやるしかねぇ……』


俺はそう思った。

そして俺達を乗せた車は工場跡地に到着した。

皆はそれまで車内で最善の準備をしていた。


「よし、着いたな。ここに居るのか。」


ただの工場跡地だが、なんだか建物全体が大きく見えていて、薄暗くも見えた。


「なんだか気味悪いですね……」


「工場跡地ってのは気味悪く見えるもんだ。

よし、配置を決めるぞ。そして合図をしたら突入だ。」


7人で配置を決めた。荒川さんだけは正面から入っていって後の6人は隠れて突破する配置だった。

荒川さんは無線で確認した。


「よし、皆配置に着いたな?」


「はい。」


「じゃあ行くぞ。」


荒川さんは正面から入っていった。

すると暗い中の奥の方に誰かが椅子に座っていた。


『No.2か……』


荒川さんは3歩前に進んだ時後ろに気配を感じた。


「傷は大丈夫か?荒川……」


荒川さんは後ろを振り向いて叫んだ。


「登坂ぁぁ!」

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