Mr.ミヤの疑問、発見!
雷と共に降り出した土砂降りの雨。
それはあっというまにここら一帯を潤し、生あるものみ恵みをあたえる。
いや、雷があったらそれはウソかな…。
まぁ分かることとして……。
『ここ』に雷が苦手がとっても嫌いな子がいたとしよう。
その子はいつも周りから少し浮いていて、それでいて周りから尊敬されていたとしよう。
そしてさらに何事にも動揺しなかったとしよう。
では、そんな彼女は雷雨の時。
どんな行動をとるでしょうか?
……。
軽くムダな質問だったかもね。
正解を知っていることと間違いを知っていること。
それは当然まったく違うことだ。
だがしかし?
もし自分では間違いと思っていたものが正解だったとしよう。
そうなるとそれは正解を知っていて間違いを知っているということとなる。
これは主観的意見と客観的意見の混ざり合ったことなんだけど。
本人から見て正解した間違い。
でも明らかな矛盾。
矛盾だからこそ、こんなことは起こらない。
それはそうだろう。
自分で「違う」と思ったものをわざわざ選択するような人はいない。
だが――――。
それは世の中全てが数字で表されていたとしての話だ。
そしてボクは思い知ったよ。
0≧X≦∞の変域、でもそんなXでも割り切れないのが、世の中だということを――。
いや、実際そんなXなら何でも割り切れるね。
そんな思考をするほど混乱してるのは、ボクの方か……。
るっちゃんがズズっと鼻をすすった。
ボクの裾あたりには鼻水なのか涙なのかよくわからないベトベトした何かがついている。
率直に言うならば、冷たい?
雷はまるでボクらを弄ぶかのように遠くへ行ったり戻ってきたりと。
遠くへ行くならどっかいけー!
とでも叫びたくなるほどボクにとっては屈辱だった。
いや、るっちゃんにとっての―――かな。
そして
何の前触れもなく
稲妻は
運動場へ
落下した。
ガシャァーンッ!!という強烈な音が鼓膜を響かせる。
その瞬間、そばにあったコンセントが火花をいた。
「やぁぁ……!」るっちゃんは拒否をする。
一体何をだろうか…。
蛍光灯までもがぼんやりと光りだした。
……怪…奇…現……象……ですかここは…!?
理科準備室なだけに……!?
いや、それを言うなら人体模型――――って!そんなくだらないこと考えるなボク!!
味噌汁の具は豆腐とわかめ?いやいやいや、落ち着け…落ち着けボク…。
雷が何だ!自然現象が何だ!何も恐れることなどないさ!はっはっは!
バチィィーン!!
あーすいませんすいません!!す い ま せ ん で した!
ぁぁ…ボクまで泣きたくなってくるよ…ほんとに。
でも泣けない…だってボクはるっちゃんが――――。
当然るっちゃんはさっきより愚図っております。
なんなんだボクたちは…。
『たかが』自然現象にここまで怯えるべきか?
いや、いくつになっても雷はそりゃあ怖いけどさ。
こんなに怖いのは初めてだよ?
何がこの恐怖心を駆り立てているんだ。
一体何が………。
「くそぉ……雷めぇーーーー!!!」
ボクは目を水溜り化させながら、そう叫んだ。