第6話
サブタイトルを毎回考えるのが辛い…
先生が去ったあと、私はイベントについて思い出していた
ヒロインの場合、どのルートでも必ず発生するイベントだ
夏休みの初めに寮の部屋で突如闇の魔力が膨れ上がる
その時、1番好感度の高い攻略者が賢者様の所に連れて行ってくれる
賢者様にコントロールのコツを教えてもらい、ゲームでは所謂あれだ タイミングを合わせてボタンを押せばコントロール可能になる
コントロール出来るようになったはいいが、魔力の量は増え続けていたので妖精と契約し、溢れる魔力をわけることで増幅を抑えていた
妖精と契約する際、コマンドのクリア率で全属性持ちになれるかどうか決まる
もちろん、全クリ以外は妖精は一体しかこず、そのまま終わる
こちらの世界ではコマンドなんてないのだからどうやってあわせるのかしら…
そもそも、私の呼びかけに妖精は来てくれるのかしら…
「お嬢様、ランチの時間でございます」
「…わかったわ…」
ランチと聞けば自然とお腹が減るもので食欲には勝てず、思考を停止させて食堂に向かう
食堂では既にお母様と兄様が食べていた
「リンフィア、午後からは賢者様に失礼のないようにね」
「はい、お母様」
「僕も賢者様に会いたいのに…リンずるい…」
兄様…代われるのなら代わってください…
拗ねる兄様にお母様があらあらと微笑んでいる
「お嬢様、もうすぐ賢者様との時間です」
「…分かりました」
賢者様がいらっしゃる…とても名誉なことのはずなのに理由が理由だけに喜べない…
エントランスまでの道のりがやけに短く感じるのは気の所為だと思いたい…