第3話
「失礼します」
優雅にカーテシーをきめる
「お父様、御用件はなんでしょうか?」
「リンフィアよ、自身の魔力が上がっていることに気がついておるか」
………………
「…気づいておりませんでした」
「…そうか」
お父様項垂れてる
そんなに悪いことなのかしら…
「しばらく賢者様のところで魔法を教わってきなさい」
…賢者様?
あの賢者様?
魔法のスペシャリストで錬金の神の?
イベント『魔力の導き』の?
つまり、これはイベント突入なの?
「リンフィア、大丈夫か」
お父様の声で我に返る
「お、お父様、賢者様とはあの?」
「この世界に賢者様は1人しかいないぞ」
「魔法のスペシャリストで錬金の神の?」
「…そうだが…」
…オーマイガー
これはヒロインが受けるべきイベントだったのでは
ゲームのリンフィアの魔力は闇のみでそこまで多くもない
いや、でも、魔力コントロールは完璧で術式にも長けていた
これはリンフィアが受けていたイベントなのか
王妃教育で仕草、物言い、カーテシーに至るまで完璧
魔法は賢者様イベントでコントロール抜群
これを受けなければあの凛としているリンフィアにはなれないだろう
「わかりましたわお父様」
「午前中はこれまで通り、ダンスのレッスンに勉強だ
午後から賢者様がいらっしゃるのでついて行くように」
了解の代わりにカーテシーで挨拶てから部屋を出た
自分の魔力が上がっていたなんて…
項垂れながら廊下を歩く
自由時間がなくなっていく…
しょんぼりとしながらダンスのレッスンに向かうのでした