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第10話





ポンッとノエル様に呼び出された15cmほどの小さな女の子

ウェーブのかかったブロンドに柔らかい印象の翡翠の瞳、光を反射させるかのような白い肌の妖精



この子は…ゲームでも幻に等しい全属性の妖精…

ヒロインがだせば間違いなくハッピーエンドで終わる激レア妖精さん…



一体、なぜこの子がここに?



「リンフィアちゃん?」


私したことが考え込んでしまいましたわ…


「すみません、初めてみたもので…

ですが、こんなに可愛らしいのですね」

「まあ、妖精を見たことある人なんてほとんどいないからね。物珍しいのは確かだね」




ニコニコしながらノエル様は言い放った




「この子を君の契約妖精にしようと思ったんだ

気に入ってくれたなら早速やっちゃおうか!」



…ん?まてまて、ナンテイッタコノヒト

この子を私の契約妖精に?


「え、でもこの子の意思は…」


「わたしと契約してくれるの?」



キラキラした目で見つめてくる妖精さん…


私にこの子はもったいなのでは…

いえ、でも、この子が私につけばヒロインのハッピーエンドの確率は著しく下がる…

つまりは私のバッドエンドの回避率が大幅にあがるわけで…


「この子も君を気に入ったようだけど…どうする?」



ここは腹をくくるしかないか…

というか、わたしからお願いしたいほどの妖精さん


「…私と契約してくれますか?」

「もちろん!」

「決まりだね。早速契約しようか」



「契約はどうやってやるのでしょう…

私の魔力でできるでしょうか…」



「え、この子に名前を付けて魔力を注いであげるだけだよ?

魔力が妖精と適合して名前に妖精が答えたら契約完了」


意外と簡単なのですね…



「大昔は妖精が見える人間が大勢いたからね

妖精の方も気に入った人間と契約したいから簡単にしてあるんだよ」


なるほど…


「妖精を乱獲して売り物にする連中が増えてからはなかなか人前に姿を表すことが減ったけどね

なかなか姿を見れないから見える人間の方が急激に減っていったから妖精の寵愛なんて加護が物珍しいものになってしまったよ」

「悪用する輩はいつの時代もいるのですね…

妖精が私達人間を見放すわけです…」

「妖精王様もまだ全ての人間を見放したわけではありません。ただ、見えるものが多いとそれなりの代償がつくので1人に限定しているだけなのです…」



まぁ、人間の自業自得ですわね…

妖精族にとっても魔物は天敵であり、人間と共闘して魔物を倒していた時代もあったというのに

人間の私利私欲に利用されることになるとは思いもよらなかっただろう…



「さ、そろそろ契約をしようか!

リンフィアちゃん、名前は決まったかい?」

「名前…あなたはどんな名前が好き?」


「えっ…あ…」

「えっ!?」



なんですの…この空気…

本人の希望は聞くものでしょう?




「まさか妖精にどんな名前がいいか聞くとは…

やっぱり君、面白いね!」

「主となる人にどんな名前がいいかなんて聞かれたのは初めてです…」



…他の人達はどうやって名前をつけているのでしょう…

私がおかしいのかしら…


「ふふふ…主様はお優しいのですね

可愛い名前がいいです!」

「リンフィアちゃんは弟子にしたいくらいの面白さだよ」

「ノエル様、弟子にしたい面白さとはいったいどんなおもしろさです!?」

「あははっそれより名前決めちゃいな」


ふむ、可愛い名前…



「…カティでどうかしら」

「うんっ!」


よかった…ゲームの名前の通りじゃ私が付けたことにならない気がして違う名前を考えてみたけれど、気に入ってもらえたみたい


「あとは魔力をカティに流して」

「は、はい」



えっえぇっと…


「さっきイメージした魔力をカティに流すようイメージして」


カティに流す

こうかしら…


「うん、もう魔力を流さなくていいよ」

「はい」


これで契約完了したのかしら…


「ご主人様!これで契約は終了です!」

「ご、ご主人様はやめてちょうだい…」

「え、でも、なんて呼べば?」

「リンでいいわ」

「リン様!」

「様もいらないわ」

「ダメです!主となる人に様を付けないなんて!」




いけない…これでは押し問答だわ



「わかったわ…」

「はい!リン様!」




「おめでとう!」

「おめでとう!」




カティの契約を終えると、妖精達が祝福するようにカティを取り囲む

今まで見えてはいなかった妖精が一気に姿を表した


「姿くらましの術だよ。妖精は生まれた時から人間に狙われるから妖精王が生まれた瞬間から術を発動出来るようにしたんだ」

「いきなり見えるようになったのはどうしてなのですか」

「カティと契約したからだよ。 妖精は自身や他の妖精が選んだ相手には心を許す。リンフィアちゃんには術を解いてもいいと妖精達が判断したんだろう。カティはここ200年ほど主がいなかったからね」


なるほど、だからいきなり現れたと錯覚したのか


「カティはなかなか波長の合う人間がいなくてね

全属性の妖精は中途半端な魔力の持ち主では魔力量が足りなさ過ぎて餓死してしまうんだ」


「では、今までカティはどこから魔力を貰っていたのですか?」


「契約妖精でない時は自然から貰っています。

契約妖精にならなくても生きてはいけるのですが、魔物がウロウロしている森では危ないのでここで隠れているのです、リン様」

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